Amazon WorkSpaces の導入により 47 名の全社員が短期間でリモートワークへ移行
「新しい働き方」を実現し、社員の満足度も向上

2021

テープ起こしを中心とした文書関連サービスを展開する東京反訳株式会社。セキュアな作業環境構築を目指して試験的に導入してきた Amazon WorkSpaces でのリモートワークを、コロナ禍を機に順次拡大し、緊急事態宣言後の 2020 年 4 月には 47 名の全社員に展開しました。どこからでもセキュアなデスクトップ環境にアクセスできるようになり、安定運用を実現し、管理工数も 3 分の 1 に削減。将来的には約 700 名の登録ワーカーへの展開も想定しています。

AWS 導入事例  | 東京反訳株式会社
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AWS を使うことでリモートワークを短期間に実現しながら、運用負荷を圧倒的に下げることができました。社員がイキイキと働ける環境ができたのではないかと思っています。中小企業である我々の社内連携も強化し、業務の質を引き上げてくれるものだと考えています

田辺 英司 氏
東京反訳株式会社
専務取締役

高まるリモートワークのニーズと VPN を使った業務システムの運用の課題

顧客から預かった音声データをテキストに起こす「テープ起こし」を主軸に事業を展開する東京反訳。約 700 人の在宅ワーカーとの連携で年間 10,000 件に上る案件を手掛け、さらに多言語翻訳、AI の教師データ作成やオンライン会議の議事録作成など幅広いサービスを提供しています。

「企業はもとより、官公庁や法律事務所、研究機関などからのご依頼で機密性の高いデータを扱うことが多いため、プライバシーマークの取得や VPN の構築など、セキュリティに力を入れてきました。しかしサーバーの維持管理は大きな負担となり、大阪の拠点との環境差分も懸念していました。さらに、VPN に代わるセキュアな環境づくりが課題でした」と、専務取締役の田辺英司氏は語ります。

一方で、社員の介護・育児などで在宅勤務ニーズが高まるなど、働き方も多様化しています。同社では 2016 年からリモートワークの環境整備を進めてきましたが、既存の環境下では運用管理者の負担が大きく、対象を広げることが難しい状況にありました。

従来は VPN へのアクセスに個人 PC の使用を認めていなかったため、まず自宅用の PC を調達し、BIOS や業務アプリケーションのインストールなどを行ってから貸与していました。しかし遠隔での PC の保守には手間がかかるため、在宅勤務が増えれば、管理部の負担が増えてほかの業務にも支障をきたすおそれがありました。

Amazon Workspaces を活用することですべての基幹業務をセキュアにリモートワーク環境へ

「VPN に代わるセキュアなネットワーク環境」と「快適で負担の少ないリモートワーク」という 2 つの課題に直面していた同社が出会ったのが、Amazon Workspaces でした。そこで 2018 年より、管理部 副部長の野上幸治氏と数名が被験者となってテスト導入を行い、使い勝手などを検証しました。

「2015 年から AWS 上に基幹システムを構築し、お客様には Web 上に作成していただいたマイページで案件の依頼やデータのやり取り、決済などを行うという仕組みを確立しています。Amazon Workspaces とシームレスに連携させることで、よりスムーズにセキュアな環境下で業務ができるのではないかと考えました」と、システム部 部長の藤井哲康氏は振り返ります。

ちょうどその頃、VPN と連携していた AD サーバーが老朽化していたため、AWS 上に AD サーバーを上げることを決定。外部ベンダーの支援のもと、ネットワークの再構築を行いました。
「物理サーバーの新規購入やデータセンターへの移設なども検討していました。しかし、その頃に AWS Directory Service が登場し、Amazon Workspaces の検証を経て、懸案だった PC のメンテナンス課題が解消することがわかり、さらにオペレーションや拡張性などに対して確信が持てるようになったため、これは AWS 移行の好機ではないかと判断しました」(田辺氏)

2019 年 3 月には新しいネットワークを構築して、VPN を廃止。2020 年から管理部門、在宅勤務中の社員へと Amazon Workspaces 利用者を増やそうとしていた時に発生したのが、新型コロナウイルスの感染拡大でした。

スムーズなリモートワーク導入と運用負荷の大幅削減

「コロナ前に Amazon Workspaces を検証しておいてよかったと心から思いました。ISMS(情報セキュリティマネジメントシステム)を取得し、社内のセキュリティに対する機運が高まっていたこともあって、4 月の緊急事態宣言発令とほぼ同時に全社員 47 名にアカウントを付与し、一気に在宅勤務環境を構築しました。個人の PC でも高いセキュリティを維持しながら同一の作業環境を提供できるため、全社員が業務を続行できました。新しいネットワーク環境を先に移設していたこともあり、非常にスムーズな移行を行うことができました」と田辺氏は語ります。

Amazon Workspaces の導入後、システムや PC の管理は圧倒的に楽になったといいます。「明日新人が入るとしても、誰かの PC が壊れても、1 台 PC を確保してクライアントをインストールするだけですぐ用意でき、システム側に問題が生じて外部ベンダーに依頼する際も、リモート対応でほとんど済ませられます。AWS や Amazon Workspaces の安定性の高さも相まって、トラブル対応に費やす時間がほぼゼロになり、外部ベンダーへの支払いも半減しました」(藤井氏)

以前はリモートワーク環境がない状態でも情報システム部門担当者が 1 名専任で対応していましたが、現在は 3 分の 1 程度の工数になり、野上氏が兼務で十分対応しているといいます。
「ライセンス料としてみると少しコストアップした形ですが、ランニングコストは半減以下となりました。長期的には管理費削減などで十分相殺できると試算しています。それ以上に、安心感は何ものにも代えがたいです」(野上氏)

リモートワーク導入によって起こったリアルな働き方改革効果とは

Amazon Workspaces によるリモート環境の実現は、社内の雰囲気にも影響を与えました。コロナ禍に対する迅速な対応に加え、柔軟な働き方を推進する東京反訳の姿勢に、社員の満足度が向上し、連携力も高まったといいます。「チャットツールに Amazon Workspaces 専用のチャネルを立ち上げて情報共有しており、わからないことがあると検索したり、互いに教え合ったりするようになり、自然と浸透していきました。現在は一部の業務を除き、ほとんどの社員がAmazon Workspaces 上で業務を行っています」(野上氏)

今後は、個別に使っている社内の PC をAmazon Workspaces が使える共用とし、1 年かけて「オールフリーアドレス化」していく予定です。「たとえば新人教育やチームで取り組む際などに、隣同士でそれぞれのアカウントで Amazon Workspaces に入って作業するといった使い方をする人が増えてきました。『いっそ共用 PC を増やせば利便性がもっと高まるのではないか』という声が上がり、フリーアドレス化を進めることになりました。また、検証時期にいろんな PC で試したところ、スペックが低い PC でも十分に動くことがわかったので、シンクライアント用の PC に置き換えることでかなりのコスト削減になると試算しています」(野上氏)

さらに、同様の環境を在宅ワーカーに広げていく検証も始めました。将来的に、約 700 人の在宅ワーカーとの協業も Amazon WorkSpaces 上で行うことを検討しています。
「最先端の環境は、使っていて気持ちがいいというのが正直な感想です。顧客に大企業が増えてきたということもあり、ISMS の取得に加えて、AWS や Amazon WorkSpaces で業務を行っていることでセキュリティに対する信頼感を持っていただけるので、大きな強みにもなりました。このような環境下で仕事をすることは、事業や会社としてのレベルアップにもつながると実感しています」(田辺氏)

田辺 英司 氏

野上 幸治 氏

藤井 哲康 氏


カスタマープロフィール:東京反訳株式会社

  • 設立年月日:2006 年 10 月
  • 従業員数:47 名
  • 事業内容:日本語テープ起こし(議事録・裁判法廷用・出張・医療医学・会話分析用など)、英語・多言語テープ起こし、動画字幕作成、データ入力・スキャンサービスなど

AWS 導入後の効果と今後の展開

  • 緊急事態宣言発令後 1 ヶ月程度でのリモート環境の全社対応
  • ユーザーの利便性向上
  • VPN や個別 PC などの管理負荷が 3 分の 1 に低減
  • 共有 PC への置き換えとフリーアドレス導入
  • 外部の在宅ワーカーとの協業環境の構築を検討

ご利用中の主なサービス

Amazon WorkSpaces

Amazon WorkSpaces は、マネージド型でセキュアなサービスとしてのデスクトップ (DaaS) ソリューションです。Amazon WorkSpaces を使うと、Windows または Linux のデスクトップが数分でセットアップでき、すばやくスケールすることで世界中のたくさんの従業員にデスクトップを提供できます。

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