投稿日: Dec 10, 2020
Amazon Aurora Serverless v2:数十万件のトランザクションに対するキャパシティ拡張を瞬時に処理でき、ピーク時容量のプロビジョニングと比べて、コストを最大 90% 削減
Babelfish for Aurora PostgreSQL:ほぼ、もしくは全くコードの変更なしで、Amazon Aurora PostgreSQL 上で SQL Server アプリケーションを直接実行でき、レガシーなデータベースベンダーに共通する厳しい商慣習からお客様を解放
オープンソースの Babelfish for PostgreSQL:Babelfish for Amazon Aurora PostgreSQL の変換レイヤーのメリットを、より多くの企業に提供(GitHub のパーミッシブ Apache 2.0 ライセンスのもと、2021 年に提供開始)
Venmo、Zendesk などのお客様が、最新の Amazon Aurora の機能を採用
(シアトル発、2020年12月1日発表)Amazon.com, Inc.(NASDAQ:AMZN)の関連会社である Amazon Web Services, Inc. は、「AWS re:Invent」にて、Amazon Aurora Serverless の新バージョン、SQL Server から Amazon Aurora PostgreSQL への移行を簡素化する新機能、そして、より多くの企業によるレガシーデータベースからオープンソースの代替製品への移行を支援する最新のオープンソースプロジェクトを発表しました。Amazon Aurora Serverless v2 は、データベース容量に関連した管理業務をご自身で行うことを望まないお客様に対して、数十万件のトランザクションへのスケーリングを瞬時に処理し、ピーク時容量のプロビジョニングと比べて、コストを最大90%削減します。また、Amazon Aurora の新機能として、コードをほとんど、もしくは全く変更することなく、Amazon Aurora PostgreSQL 上で SQL Server アプリケーションを直接実行できる、Babelfish for Aurora PostgreSQL も発表しました。さらに、パーミッシブなApache 2.0ライセンスにより Babelfish for PostgreSQL をオープンソース化し、これをGitHubで公開する計画も発表しました。これらのイノベーションが 1 つになることで、Amazon Aurora はこれまで以上に多種多様なワークロードに適したサービスとなり、Amazon Aurora と PostgreSQL のメリットを、より多くのお客様に提供します。詳細については、https://aws.amazon.com/rds/aurora/ をご覧ください。
長年にわたり開発・使用されてきた、旧態依然としたレガシーデータベースは一般的に、十分なトレーニングと資金援助を受けたサポートチームによる運用と管理が必要です。こうした商用データベースは、高性能で高度な可用性機能を提供する一方、高額で、管理が複雑で、ロックインの可能性も高くなります。さらに、商用データベースを自社管理する企業の場合、恣意的で厳しいライセンス条件が押し付けられるなど、データベースベンダーとその戦略に翻弄されるケースも多々あります。一方、Amazon Aurora では、10 分の 1 のコストで最高グレードの商用データベースのパフォーマンスと可用性を実現できます。現在、10 万社以上のお客様が Amazon Aurora によるデータベースワークロードの実行を選択しており、アマゾン ウェブ サービス(AWS)で最も急成長中のサービスになっています。さらに、合計 35 万件以上のデータベースが AWS Database Migration Service(DMS)を使用して AWS に移行しています。今回発表した、次世代Amazon Aurora Serverlessの提供、Amazon Aurora PostgreSQLでのSQL Server ワークロードの実行機能、そして SQL Server から PostgreSQL への移行をさらに容易化するオープンソースプロジェクトは、この勢いをさらに加速します。
Amazon Aurora Serverless v2:データベースのワークロードをスケーリングし、数十万件のトランザクションを瞬時に処理を実行でき、ピーク時容量のプロビジョニングと比べてコストを最大 90% 削減
データベース容量を管理する際、多くのお客様が様々なジレンマに直面します。容量のオーバープロビジョニングが発生すると、必要以上の支出を強いられる一方で、アンダープロビジョニングの発生には、アプリケーションのダウンタイムのリスクが伴います。Amazon Aurora Serverless は 2018 年に提供開始以降、低頻度、断続的、または予測不能なトラフィックのあるテストや開発のワークロードなどのアプリケーションにおいて、コスト効果に優れたデータベースの選択肢として、数万社ものお客様に使用されてきました。Amazon Aurora Serverless v1 では、必要に応じて容量を2倍にすることで、データベース容量を 5~50 秒以内にスケーリングでき、サーバレスという性質上、データベース容量の管理に関する心配は不要になります。しかし、Amazon Aurora Serverless でより多くの本番ワークロードを実行するには、瞬時に、より正確な増加を見込んだ上でスケーリングするための容量が必要となります。また、複数の AWS Availability Zone(AZ)を使用して高可用性を実現したり、Global Database を使用して低レイテンシーを実現したり、Read Replicas を使用して高パフォーマンスを実現したり、Backtrack を使用して高復元力を実現したり、クエリを高速化する Parallel Query を使用したりと、Amazon Aurora の機能をフルに活用したいと考えています。
Amazon Aurora Serverless v2 を使用すれば、データベースのワークロードを拡張し、数十万件のトランザクションを瞬時に処理できます。Amazon Aurora Serverless v2 では、ワークロードの拡張が必要な際に、その都度容量を 2 倍にするのではなく、細かい増加で容量を調整することで、アプリケーションのニーズに応じて最適な量のデータベースリソースを利用できます。Amazon Aurora Serverless v2 の場合、お客様の支払いは、使用した容量の分だけですむため、ピーク時の容量をプロビジョニングした場合と比べて、データベースのコストを最大 90% 削減できます。さらに、複数の Availability Zone(AZ)による高可用性、Global Database による低レイテンシー、Read Replicas による高パフォーマンス、Backtrack による高復元力、Parallel Query による高速クエリなど、Amazon Aurora の機能を余すところなく利用できます。この度、Amazon Aurora Serverless はより幅広いアプリケーションに適したサービスとなり、数十万ものアプリケーション全体でデータベース容量の管理をする企業や、数百・数千件のデータベースを運用しながらそれぞれが異なる顧客を支援するマルチテナント型の Software as a Service(SaaS)ベンダーなどをサポートいたします。Amazon Aurora Serverless v2 は現在、Amazon AuroraのMySQL 5.7 互換エディションを対象に、プレビュー版を提供中です。詳細については、https://aws.amazon.com/aurora/serverless をご覧ください。
Babelfish for Aurora PostgreSQL:ほぼもしくは全くコードの変更なしで、Amazon Aurora 上で SQL Server アプリケーションの直接実行が可能に
AWS は、オートデスク、ベストウエスタンホテルズ&リゾーツ、ダウ・ジョーンズ、本田技研工業株式会社、リバティ・ミューチュアル・インシュアランス・カンパニー、サムスン電子、Reddit、Venmo、そしてベライゾン・コミュニケーションズなどのお客様に利用されており、今まで合計 35 万件を超えるデータベースが、AWS への移行に成功しています。移行の際には、AWS Data Migration Service (AWS DMS)を使用することで、データ移行時のダウンタイムを最小限に抑えつつ、AWS Schema Conversion Tool(SCT)によって、データベースのスキーマも移行できます。しかし、最初のデータベース移行が完了すると、アプリケーションロジックの移行という煩雑なタスクも発生します。アプリケーションロジックの移行には、手動でのコーディング作業が必要であり、時間がかかるだけでなく、データベースプロバイダー独自仕様のデータベースコマンドに縛られるケースが多くあります。マイクロソフトがライセンスをさらに複雑化しているなか、お客様から AWS に、SQL Server アプリケーションの Amazon Aurora への移行の簡素化を求める声が寄せられていました。
Babelfish for Aurora PostgreSQL は、ほとんどもしくは全くコードを変更することなく、PostgreSQL 上で SQL Server アプリケーションを直接実行できる新機能です。当機能は Amazon Aurora PostgreSQL に対応した最新の変換レイヤーを提供し、これによって Amazon Aurora は、Microsoft SQL Server 向けに記述されたアプリケーションのコマンドに対応できるようになります。Babelfish for Aurora PostgreSQL は、T-SQL(Microsoft SQL Server の独自仕様 SQL ダイアレクト)に対応するため、アプリケーションのデータベースリクエストのすべてを書き換える必要はありません。さらに、SQL Server のネットワークプロトコルにも対応できるため、既存の SQL Server 用データベースドライバの使用も継続できます。お客様が AWS DMS を通じて自社のデータを移行した後は、アプリケーション構成を更新し、SQL Server の代わりに Amazon Aurora を設定するだけで、SQL Server ではなく Amazon Aurora でのアプリケーションの実行テストを開始できます。アプリケーションのテストが完了すると、SQL Server は不要となり、制約のある高額ライセンスへの支払いは停止できます。Amazon Aurora は Babelfish for Aurora PostgreSQL を使用し、SQL Server と PostgreSQL の言語に対応できるため、アプリケーションの機能を PostgreSQL で記述することで、レガシー SQL Server のコードとその機能を並行して実行することも可能です。詳細については、https://aws.amazon.com/rds/aurora/babelfish をご覧ください。
Babelfish for PostgreSQL:最新のオープンソースプロジェクトとして、SQL Server から PostgreSQL への移行でお客様をサポート
2021 年の提供開始を予定する Babelfish for PostgreSQL では、Babelfish for Aurora PostgreSQL のソースコードを、追加機能を求めるすべてのお客様が利用できるように公開します。Babelfish for PostgreSQL は、パーミッシブな Apache 2.0 ライセンスを使用するため、お客様はライセンス条件に基づき、任意の目的での使用、配布、修正に加えて、ソフトウェアの修正バージョンの配布もできます。Babelfish での作業と計画はすべて、GitHub 上で行われるため、AWS が開発中の機能に関する透明性が確保されます。詳細については、https://babelfish-for-postgresql.github.io/babelfish-for-postgresql/ をご覧ください。
Amazon Web Services, Inc.のデータベース部門バイスプレジデントであるショーン・バイス(Shawn Bice)は、次のように述べています。「自身のビジネス成長に集中したいと思っている多くのお客様は、レガシーなデータベースのベンダーが提示する戦略的な条件などに対する不満をもっています。このようなお客様は、可用性、信頼性、セキュリティ面を犠牲にすることなく、シンプルな運用とコスト効果を図るために、クラウド向けに開発されたオープンソースのデータベースに移行したいと思っています。本日発表した、次世代の Amazon Aurora ServerlessとBabelfish により、お客様はレガシーなデータベースの制約から抜け出し、オープンソースのデータベースエンジンによる極めて大きなコスト面での優位性を享受しつつ、適切なタスクに対する適切なデータベースの選択を、ますます容易に行えるようになります。」
2009 年に誕生した Venmo は、友人同士で高速・安全な決済を実現するアプリを提供しており、デジタル決済のグローバルリーダーのPayPalの傘下にあります。Venmoの最高技術責任者であるニック・チウボタリウ(Nick Ciubotariu)氏は、次のように述べています。「VenmoではAmazon Aurora を使用し、1 日あたり数千万件のトランザクションを処理していますが、その日や時間帯によって、トランザクション量は変動します。Amazon Aurora Serverless v2 によって、当社は Amazon Aurora におけるプロビジョニングの過不足を回避し、常にお客様に最高のユーザーエクスペリエンスを提供できるようになります。さらに費用に関しては、その時々で必要なデータベースの容量を利用した分だけ支払えばよいのです。」
Zendesk は、顧客関係を向上させるソフトウェアを開発しており、カスタマーエンゲージメントやユーザーへの理解を高めたい企業をサポートしています。Zendesk のエンジニアリング担当ディレクターであるカリヤーン・ウナーヴァ(Kalyan Wunnava)氏は、次のように述べています。「Zendesk では、15 万を超えるお客様とそのデータのサポートするために Amazon Aurora を活用しています。Amazon Aurora Serverless v2 は、当社の Amazon Aurora インスタンス全体の管理を大幅にシンプル化しつつ、お客様の期待するレベルの高いパフォーマンスを提供し続ける潜在力を秘めていることから、大きな期待を寄せています。」
WirelessCar は、ソフトウェア定義自動車、電気自動車、自動運転車の開発を通じて、安全でスマートかつ持続可能なモビリティの未来を実現する、デジタル自動車サービスの世界的なリーディング企業です。WirelessCar のシニア・バイスプレジデント兼 CTO 兼 COO であるニクラス・フローレン(Niklas Florén)氏は、次のように述べています。「当社は AWS のサーバーレスアーキテクチャを採用することで、演算インフラストラクチャの管理を気にすることなく、顧客価値とビジネスプロセスを軸とした業務に専念できます。今後は Amazon Aurora Serverless v2 を通じ、サーバーレスアーキテクチャを当社のリレーショナルデータベースに拡張し、Amazon Aurora の提供する充実した機能を余すところなく活用しつつ、データベースワークロードを安心して運用したいと思います。」