投稿日: Dec 13, 2021
数か月ではなく数日単位で、企業の施設内プライベート 5G ネットワークの導入と拡張を実現
DISH、Amazon フルフィルメントセンター、Koch Global Services などの顧客・パートナーが AWS Private 5G を活用
※本プレスリリースは、2021 年 11 月 30 日に米国で発表されたプレスリリースの抄訳版です。
(ラスベガス - 2021 年 11 月 30 日発表) Amazon.com, Inc. の関連会社であるAmazon Web Services, Inc. は本日、企業が施設内でプライベート 5G モバイルネットワークの導入と拡張を、従来の数か月ではなく、数日単位で実現可能な新たなマネージドサービス AWS Private 5G を発表しました。AWS コンソール上で数回クリックするだけで、モバイルネットワークを構築する場所、デバイスに必要なネットワーク容量を指定でき、AWS はプライベート 5G ネットワークの設定とデバイスの接続に必要なスモールセル無線ユニット、サーバー、5G コア、無線アクセスネットワーク(RAN)ソフトウェア、加入者識別モジュール(SIM カード)を提供、管理します。AWS Private 5G では、ネットワークの設定と導入が自動化され、デバイスの追加やネットワークトラフィックの増加に対しては、オンデマンドで容量を拡張できます。また、初期費用やデバイスごとのコストは発生せず、お客様は希望したネットワーク容量とスループットに対する料金のみを支払います。AWS Private 5G の詳細は、以下のウェブサイトをご覧ください。https://aws.amazon.com/private5g/
現在、ますます多くのエンタープライズ企業が、多数のコネクテッドセンサーやエッジデバイスから、大量の業務データを収集、分析、転送する必要があると考えています。こうしたなか、5G などのモバイル通信技術では、長距離、屋外における広いカバレッジ、デバイスのモビリティ、信頼性の高いネットワーク動作が提供されるため、企業は敷地内での接続にこれらのテクノロジーを活用したいと考えています。また、5G などのモバイル通信技術を使用すると、現在の有線・無線ネットワーク技術と比較して、より多くのデバイスを接続し、優れた柔軟性と信頼性でコスト効率よくデータを収集、転送できます。そのため、信頼性、カバレッジ、低遅延、広帯域といった利点を活かしたネットワークの拡張とデバイスの追加を実現するため、多くの企業が独自のプライベート 5G ネットワークの構築を望んでいます。しかし現在、ほとんどのプライベートモバイルネットワークの導入では、予想されるピーク容量に合わせてネットワークを設計し、複数のベンダーからソフトウェア・ハードウェアコンポーネントを調達・統合する必要があり、それには相当の時間、費用、労力が必要となります。ネットワークの稼働後も、接続デバイス数やネットワークトラフィックが増加し、ネットワークの処理能力を超えた場合、ネットワーク容量を増やすために、時間のかかる調達プロセスをもう一度実施する必要があります。また、プライベートモバイルネットワークに接続されたデバイスの種類ごとに異なるセキュリティポリシーとシステムを管理する必要があり、IT 管理システムとの統合は難しくなります。また、ネットワーク稼働後も、現在のプライベートモバイルネットワークの価格モデルでは接続デバイスごとに課金されるため、数千台の接続デバイスを伴うユースケースでは膨大なコストがかかります。こうした課題から、ほとんどの企業にとってはプライベートモバイルネットワークを導入、運用することが困難な状況です。
AWS Private 5G により、企業独自の 5G モバイルネットワークの調達、導入、拡張が数か月ではなく数日で実現します。AWS Private 5G では、AWS コンソールにログインし、数回クリックするだけで、プライベート 5G ネットワークを導入する地理的位置内でカバレッジエリアと、ネットワークで処理する必要があるトラフィック容量を指定できます。AWS によって、ネットワークの運用に必要なスモールセル無線ユニット、サーバー、5G コア、RAN ソフトウェア(これらは事前に統合済み)、SIM カードが提供、管理されるため、複数のサードパーティベンダーからハードウェアやソフトウェアを調達し、統合、管理する必要がありません。機器を設置して電源を入れれば、AWS Private 5G により、モバイルネットワークが自動的に構成され、導入されます。プライベートネットワークにデバイスを接続するには、AWS から提供された SIM カードをデバイスに差し込むだけです。AWS Private 5G は AWS Identity and Access Management(IAM)と統合されているので、ネットワーク管理者はプライベートモバイルネットワーク上でモバイルデバイスがアクセスできるリソースを直接制御できます。企業は AWS Private 5G を利用し、デバイスの数が少ない小規模なネットワークから始め、運用開始後にネットワークのニーズを分析し、AWS の弾力性と従量課金制を利用して、デバイスの追加に応じてプライベートモバイルネットワークを拡張することも可能です。AWS Private 5G を利用することで、機器の調達、拡張、管理に関する課題や、デバイスを追加するときに容量の追加を心配することなく、5G プライベートモバイルネットワークを迅速に導入、管理できます。
Amazon Web Services, Inc. EC2 担当バイスプレジデントである David Brown(デビッド・ブラウン)は、次のように述べています。「多くの企業が 5G のパワーを活かして施設内に独自のプライベートネットワークの構築を望んでいますが、現在のアプローチではプライベートネットワークの設定と導入が難しく、時間とコストがかかると言っています。AWS Private 5G は、ハイブリッドインフラストラクチャをお客様の 5G ネットワークに拡張し、プライベート 5G ネットワークの簡単、迅速かつ低コストでの構築を実現します。お客様は、小さく始めてオンデマンドで拡張し、使用した分だけ料金を支払い、AWS のコンソールからネットワークを監視、管理することが可能です」
DISH Network Corporation は米国に本社を置き、同国初のオープンでセキュアな 5G スマートネットワークを構築しています。DISH のチーフコマーシャルオフィサーである Stephen Bye(スティーブン・バイ)氏は、次のように述べています。「AWS を選択したことで、5G コアネットワーク機能をクラウドに置き、拡張することができました。AWS は、お客様にプライベートエンタープライズネットワークを提供する上で重要な戦略的パートナーです。AWS の革新的なプラットフォームにより、ワイヤレスサービスを利用するコンシューマーのお客様へのサービス向上と同時に、広範な業種のエンタープライズのお客様に新しいビジネスモデルを提供できます。お客様ごとに専用のプライベート 5G エンタープライズネットワークの導入を支援可能となることで、さまざまなデバイスやサービスのサポートに必要なスケール、耐障害性、セキュリティを実現し、結果としてインダストリー 4.0 の可能性を引き出すことにつながると考えています」
全世界に 12 万 2,000 人の従業員を擁し、米国のほぼすべての州と 60 か国に拠点を有する Koch は、食品、衣料、水、輸送、テクノロジーなど、生活に最も必要なものを改善する豊富なサービスを提供しています。Koch Business Solutions の CTO である Matt Hoag(マット・ホーグ)氏は、次のように述べています。「Koch はプライベート 5G ネットワークに大きな可能性を見出しています。しかし、Do-It-Yourself のアプローチには大きな課題があります。複雑で時間がかかり、初期設定コストと継続的なサービス料金の両面でコストが増大する可能性があるためです。AWS Private 5G があれば、Mavenir などの業界ソフトウェアベンダーやグローバル通信サービスプロバイダーと協力し、世界中でプライベートなモバイルネットワークを展開する際に、企業が直面する真の課題を解決できます。また、このような連携により、セルラー IoT エコシステムの拡大が促進され、画期的なプライベート接続ソリューションの提供が加速すると確信しています」
Amazon フルフィルメントセンター(FC)では、顧客に代わって商品を保管しています。消費者が「購入」をクリックすると、アソシエイトが注文品をピッキングして梱包し、トラックに載せて出荷します。フルフィルメントセンターの Amazon ロボット、スキャンマシン、コンピューターシステムは、1 日に数百万の商品を管理します。Amazon のインフラストラクチャエンジニアリングディレクターである Jeff Armstrong(ジェフ・アームストロング)は、次のように述べています。「トラクタートレーラーをより安全に、より正確かつ効率的に移動できるように、FC の外部にもテクノロジーを導入しています。数百万平方フィートの屋外スペースで、これらのシステム向けにネットワークサービスを提供する必要があります。以前は、FC 周辺の駐車場で適切な Wi-Fi カバレッジを確保するために、Wi-Fi 機器用の電柱の追加や屋外の電気システムの変更、ファイバーの敷設やメッシュシステムをサポートする必要がありました。これにはコストがかかるだけでなく、設置中は生産性が低下し、サポートに大きな負担が生じていました。しかし AWS Private 5G により、倉庫の隅に取り付けられた 2 つの屋外スモールセルを使用して、駐車場で追加のカバレッジを実現できるため、はるかに迅速かつ低コストでの導入が実現できました。さらに重要な点は、施設の拡張に応じて AWS Private 5G 環境をスケールアップできることです」