投稿日: Dec 13, 2021

新しい Amazon S3 Glacier ストレージクラスは、アーカイブデータをミリ秒単位で取得することを最も低コストで実現するストレージ Amazon S3 Intelligent-Tiering の新しいアクセスティアとしても利用可能

新しい Amazon FSx for OpenZFS により、オンプレミスのコモディティファイルサーバー内データを AWS へ簡単に移行

新しい  Amazon EBS Snapshots Archive ストレージティアにより、アーカイブスナップショットの保存コストを最大 75% 削減

AWS Backup が、 Amazon S3 と VMware のワークロードに集中的なデータ保護と自動化されたコンプライアンス監査を提供

※本プレスリリースは、2021 年 11 月 30 日に米国で発表されたプレスリリースの抄訳版です。

(ラスベガス - 2021 年 11 月 30 日発表) Amazon.com, Inc. の関連会社であるAmazon Web Services, Inc. は本日、より多くの選択肢の提供、コスト削減、顧客のデータ保護強化を実現する4 つの新しいストレージサービスと機能を発表しました。Amazon Simple Storage Service(Amazon S3)Glacier Instant Retrieval は、アーカイブデータの取得がミリ秒単位で行えるストレージクラスで、Amazon S3 Intelligent-Tiering の新しいアクセスティアとして提供されます。Amazon FSx for OpenZFS は、アプリケーションコードやデータの管理方法を変更することなく、コモディティファイルサーバーに格納されているオンプレミスのデータを簡単に AWS に移行できるマネージドファイルストレージサービスです。Amazon Elastic Block Store(Amazon EBS)Snapshots Archive は、Amazon EBS Snapshots の新しいストレージティアで、スナップショットのアーカイブにかかるコストを最大 75% 削減します。AWS Backup は、Amazon S3 および、AWS やオンプレミスで稼働する VMware ワークロードのデータ保護の一元化とコンプライアンスレポートの自動化をサポートします。本日発表された新しいストレージイノベーションは、コストを削減し、データの管理・保護機能を向上しながら、顧客にストレージの管理における柔軟性を提供します。

Amazon Web Services, Inc. ブロックおよびオブジェクトストレージ担当バイスプレジデントである Mai-Lan Tomsen Bukovec(マイラン・トムセン・ブコヴェック)は次のように述べています。「今日のすべてのビジネスは、データビジネスといえます。ビジネスにおいて最も重要な意思決定のひとつは、データをどこに保存するかということです。今回発表する最新のストレージサービスおよび機能が示すように、AWS はデータへのアクセスと保護のための最も強力で低コストな手段となります。迅速なイノベーションを通じて、当社は現在も、そして今日も最適なストレージの選択肢を提供します」

Amazon S3 Glacier Instant Retrieval: アーカイブしたデータのミリ秒単位での取得とクラウドで最も低いコストを実現、Amazon S3 Intelligent-Tiering の新しい階層としても利用可能
Amazon S3 は、さまざまなデータアクセスパターンに応じて、最も低コストなストレージを提供する幅広いストレージクラスを用意しています。お客様の中には、稀にしかアクセスしないものの、可用性が高く、必要に応じて瞬時にアクセス可能な方法で、医療記録、公衆衛生の調査データ、メディアコンテンツなどのペタバイト級のデータを保存することを望む声があります。現在、アクセス頻度の低いデータを保存するには、いくつかの選択肢があります。めったにアクセスすることがなく、データ取得に数分から数時間が必要となっても良いデータにはS3 Glacier を利用できます。月に 1 回程度のアクセスが必要で、迅速なデータ取得が求められるケースでは、わずかに料金が高い S3 Standard-Infrequent Access(S3 Standard-IA)が利用できます。しかし、S3 Glacier が提供する低コストのストレージと S3 Standard-IA が提供する高速なデータ取得を組み合わせて、よりコスト効率よいデータアクセスを実現したいと考える企業もあります。

S3 Glacier Instant Retrieval は、アーカイブデータへのミリ秒単位のアクセスを可能にする新しいストレージクラスです。このストレージでは、長期保存が必要で、アクセス頻度は稀なものの、求められた場合には瞬時に取得する必要があるデータをクラウド上で最も低コストに保存できます。S3 Glacier Instant Retrieval の利用によって、データ取材にかかる時間とコストのどちらを優先するかを選択する必要はありません。S3 Standard-IA から S3 Glacier Instant Retrieval に移行すると、お客様は年に数回しかアクセスしないデータに対して、最大で約 70% のコスト削減が可能です。S3 Glacier Flexible Retrieval(旧称:S3 Glacier)、S3 Glacier Deep Archive、そして今回の S3 Glacier Instant Retrieval の 3 つのアーカイブストレージクラスから、アクセスパターンや保存期間に応じて最適なものを選択できます。S3 Glacier Instant Retrieval は、データ量の増加により 1 GB あたりのストレージコストにシビアなお客様に、S3 Standard-IA と同様の低レイテンシーと高スループットを、クラウド上のアーカイブストレージとしては最小のコストで提供する理想的なストレージクラスです。

S3 Glacier Instant Retrieval は、S3 Intelligent-Tiering ストレージクラスの新しいアクセスティアとしても利用できるようになりました。S3 Intelligent-Tiering は、パフォーマンスへの影響や取得料金、運用上の間接コストを発生させずに、アクセス頻度に応じて最もコスト効率の良いアクセス層にデータを自動的に移動させることで、ストレージコストを最適化します。データに瞬時にアクセスする必要があり、アクセスパターンが不明または変化する場合には、データの保存場所を気にすることなく、S3 Intelligent-Tiering の新しいアーカイブ-インスタントアクセス層である S3 Glacier Instant Retrieval と同様のコスト効果を得ることができます。S3 Glacier Instant Retrieval の詳細は以下のウェブサイトをご覧ください。aws.amazon.com/s3/storage-classes/glacier/instant-retrieval/

Amazon FSx for OpenZFS: アプリケーションコードやデータの管理方法の変更なしに、オンプレミスのコモディティファイルサーバー内データを AWS へ簡単に移行
あらゆる規模の企業が、アジリティの向上、セキュリティの強化、コストの削減を目的として、オンプレミスのデータストアをクラウドに移行しています。これらの企業の多くは現在、コモディティ化した既製サーバーと、人気の ZFS ファイルシステムのようなオープンソースソフトウェアで構築されたオンプレミスのファイルストレージを使用してデータを保存しています。これらのファイルサーバーは、業界標準のプロトコルでデータにアクセスし、ポイントインタイムスナップショット、クローニング、圧縮などの多様なデータ管理機能を提供し、ミリ秒以下のレイテンシーで何十万もの IOPS を実現します。多くのストレージ管理者やアプリケーション管理者は、アプリケーションを実行する際に、これらのファイルサーバーの特定の機能や性能に特化したツールを使用する中で機能に慣れ、専門知識を身につけてきました。結果として、ストレージやアプリケーションの管理者がこれらのアプリケーションをクラウドに移行する場合、使い慣れた機能を放棄し、アプリケーション、ツール、ワークフローを再構築しなければならないため、多くの時間と労力を要します。多くの管理者がファイルサーバーを AWS 上で稼働させ、アジリティ、セキュリティ、コストを改善したいと考えていますが、これまではその選択肢がありませんでした。

AWS 上で完全に管理されたファイルシステムを立ち上げ、実行し、スケーリングできる Amazon FSx for OpenZFS により、オンプレミスで運用している汎用の既製サーバーを置き換えて、アジリティとセキュリティの向上、コスト削減を実現できます。Amazon FSx for OpenZFS は、広く利用されているファイルシステム(Amazon FSx for Windows File Server、Amazon FSx for Lustre、Amazon FSx for NetApp ONTAP を含む)を利用した、機能性とパフォーマンスに優れたファイルストレージを提供する Amazon Fsx ファミリーの最新サービスです。Amazon FSx for OpenZFS は、オープンソースの OpenZFS ファイルシステムをベースに構築されており、このファイルシステムは、機械学習、電子チップの自動設計、アプリケーション構築環境、メディア処理、金融分析など、スケール、パフォーマンス、コスト効率が最重要視されるワークロードにおいて、エクサバイト級のアプリケーションデータを保存・管理するために、オンプレミス環境で広く利用されています。Amazon FSx for OpenZFS は、AWS Graviton プロセッサーと最新の AWS のディスクおよびネットワーク技術を搭載し、最大 100 万 IOPS、数百マイクロ秒のレイテンシーを実現します。瞬時のポイントインタイムスナップショットやデータクローニングなどの OpenZFS の機能を完全にサポートする Amazon FSx for OpenZFS により、ファイルサーバーを簡単に AWS に移行できるだけでなく、ストレージやアプリケーションの管理者が使い慣れたすべての機能を提供するため、長時間の検証、既存のアプリケーションやツールの変更、再設計を行う必要がありません。Amazon FSx for OpenZFS の詳細は以下のウェブサイトをご覧ください。aws.amazon.com/fsx/openzfs

Amazon EBS Snapshots Archive :ストレージティアでアーカイブスナップショットのコストを最大 75% 削減
お客様は現在、Amazon EBS Snapshots を利用して、EBS ボリューム内のデータを保護しています。Amazon EBS Snapshots は、増分ストレージバックアップを提供し、最後のスナップショット以降に EBS ボリュームのデータに加えられた変更のみを保持します。このため Amazon EBS Snapshots は、数日から数週間保存し、数分以内に取り出す必要があるデータに対して、高い費用対効果を発揮します。しかし、ビジネス上のニーズ(プロジェクト終了時に作成されるスナップショットなど)や、コンプライアンス上のニーズ(リカバリ機能を監査するために撮影されるスナップショットなど)により、数か月から数年にわたってスナップショットを保持しなければならない場合もあります。データのスナップショットはビジネス上必要である一方で、長期保存用のスナップショットのコストを削減する方法も求めています。一部の企業はサードパーティ製のツールを使用して EBS Snapshots を Amazon S3 の異なる階層に移動させています。この場合はコストが増加し、これらのアーカイブスナップショットの系統の追跡が複雑化しますが、ほとんどの企業はスナップショットを長期間アーカイブするためのコスト増を受け入れてきました。

Amazon EBS Snapshots Archive は、スナップショットのアーカイブにかかるコストと複雑さに対処するため、数か月から数年にわたって保持する必要がある Amazon EBS Snapshots のコストを最大 75% 削減する新しいストレージティアを提供します。これにより、1 回の API コールでスナップショットを EBS Snapshots Archive に移行して、他の Amazon EBS Snapshots と並行して可視性を維持しながら、アーカイブスナップショットのコスト削減を実現します。Snapshots Archiveは、スナップショットを取得した瞬間にボリュームに書き込まれたすべてのブロックを含むフルスナップショットです。Snapshots Archiveからボリュームを作成するには、Snapshots Archiveを Amazon EBS Snapshot スタンダードティアにリストアし、現在と同じ方法でスナップショットからボリュームを作成します。Amazon EBS Snapshots Archive の詳細は、 以下のウェブサイトをご覧ください。aws.amazon.com/ebs/snapshots

AWS Backup: Amazon S3 と VMware のワークロードに集中的なデータ保護と自動化されたコンプライアンス監査を提供
現在、企業は事業継続や法規制遵守のニーズを満たすためにAWS Backup を利用しており、AWS Backup によって、AWS のコンピュート、データベース、ファイルおよびブロックストレージサービスにまたがるアプリケーションデータの一元的な保護を実現しています。単一のデータ保護ポリシーを使用し、Amazon Elastic Compute Cloud(Amazon EC2)、Amazon EBS、Amazon Relational Database Service(Amazon RDS)、Amazon Aurora、Amazon DynamoDB、Amazon DocumentDB、Amazon Neptune、Amazon FSx、Amazon Elastic File System(Amazon EFS)、AWS Storage Gateway 上のバックアップおよびリストアアクティビティを設定、管理、統制します。変化し続ける規制要件に対応する際には、自動化された継続的なバックアップコンプライアンス監視を選択、AWS Backup Audit Manager を使用して監査人対応のレポートを作成できます。偶発的または悪意のある削除(ランサムウェア攻撃など)から保護するために、AWS Backup に組み込まれたきめ細かなアクセス制御を使用するとともに、AWS Backup Vault Lock を使用してバックアップを変更不可に設定できます。さらに、AWS Backup と AWS Organizations の統合により、複数アカウントのデプロイメントにデータ保護ポリシーを拡張し、クロスリージョンおよびクロスアカウントのバックアップ機能を使用し、ミッションクリティカルなデータに対するグローバルな耐障害性と耐久性を実現します。

今回、AWS Backup が Amazon S3 と VMware のワークロードをサポートしたことで、AWS Backup の機能がより多くのクラウドとオンプレミスのワークロードに拡張されます。これまでは、管理者がカスタムスクリプトを書き、複数の AWS リージョンやアカウントの S3 データを AWS Backup と組み合わせてバックアップの統合ビューを取得することや、S3 レポートを AWS Backup のビルトインレポートと組み合わせてアプリケーションレベルのバックアップポリシーへの準拠を証明していました。また、管理者は S3 データを解析して、アプリケーションを復元したいポイントインタイムを探します。今回、AWS Backup が S3 に対応したことにより、これまでアプリケーション全体のバックアップの一元管理に使用していた複雑なカスタムスクリプトを置き換えることができます。また、S3 データの解析を AWS Backup のポイントインタイムリストア機能に置き換え、リストアする時間を 1 秒単位で指定できるようになりました。AWS Backup for Amazon S3 の詳細は、 以下のウェブサイトをご覧ください。aws.amazon.com/backup

また、AWS Backup が VMware ワークロードに対応したことで、オンプレミス環境、VMware Cloud on AWS(VMC)のいずれにおいても、VMware ワークロードの保護が実現しました。従来は、VMware のワークロードをオンプレミスと AWS のクラウドで運用している場合、AWS Backup でサポートされている AWS サービスとは別に、データ保護ソリューションを維持する必要がありました。そのため、VMware 環境でデータを保護するためのツールやポリシーを個別に管理したり、バックアップポリシーに準拠していることを示すためのレポートを個別に作成するといったことが必要でした。AWS Backup for VMware により、AWS アプリケーションの保護にすでに使用している AWS Backup のデータ保護、ガバナンス、コンプライアンスの一元化機能を、AWS もしくは自社のデータセンターで稼働している VMware のワークロードへの拡張が可能になります。AWS Backup for VMware の詳細は、以下のウェブサイトをご覧ください。 aws.amazon.com/backup

Capital One は、さまざまなチャネルを通じて、一般消費者、中小企業、法人に幅広い金融商品とサービスを提供しています。Capital One のソフトウェアエンジニアリングディレクターである Jerzy Grzywinski(ジャージー・グルジウィンスキー)氏は、次のように述べています。「当社は、社内全体で過去最大かつ急速に成長している S3 のストレージコストをただちに最適化する方法を探していました。ストレージの使用パターンは当社で使用している S3 のバケットによって大きく異なるため、運用コストをかけずに安全に適用できる明確なルールがありませんでした。S3 Intelligent-Tiering ストレージクラスは、パフォーマンスに影響を与えることなく、データのアクセスパターンの変化に応じて自動的にストレージを節約します。S3 Intelligent-Tiering の新しいアクセスティアを利用することで、手間をかけずにさらに大幅なコスト削減を実現できるでしょう」

全米自動車競争協会(NASCAR)は、米国で最も人気のあるモータースポーツの公認団体です。NASCAR のメディア&イベントテクノロジー部門のシニアディレクターである Chris Wolford(クリス・ウォルフォード)氏は、次のように述べています。「私たちは新しい Amazon S3 Glacier Instant Retrieval ストレージクラスを利用して、増え続けるメディアアーカイブを保管する NASCAR ライブラリーで低コストを実現し、コンテンツ制作者があらゆる年代のデータをほぼリアルタイムで活用できるようにしています。ここで管理しているレース関連メディアアーカイブは世界最大級であり、NASCARカップ・ シリーズのチームからプロデューサー、エディター、エンジニアまで、あらゆるユーザーが映像、音声、画像を生成し、その多くを永久保存しています。Amazon S3 Glacier Instant Retrieval により、ストレージのコスト削減と同時に、リストアのパフォーマンスの大幅な向上も実現します。これにより、ストレージコストの削減、マルチ AZ ストレージの耐障害性、そして、あらゆるメディア資産の即時検索のメリットを享受できます」

STEMCELL Technologies は、2,500 種類以上の特殊な試薬、ツール、サービスでライフサイエンス研究をサポートするグローバルバイオテクノロジー企業です。STEMCELL Technologies のシニアシステムエンジニアである Hikaru Mathieson(ヒカル・マティソン)氏は、次のように述べています。「品質管理や財務などの多くの部門では、製品やサービスに関する規制要件を満たすために、長期的なデータ保持が必要とされています。当社は AWS Storage Gateway や Amazon EC2 などのサービスの利用をサポートするために、EBS Snapshots を大量に保有しています。このインベントリを維持することは、当社の法規制コンプライアンスにおいて重要事項の 1 つであるため、スナップショットをアーカイブレベルのストレージに簡単に移行することは長年の夢でした。EBS Snapshots Archive は、スナップショットを長期的に保持できる使い勝手の良さと低コストが魅力です。将来的には、一般部門のファイルバックアップなど、より多くの長期バックアップを EBS Snapshots Archive に統合予定です」