投稿日: Dec 26, 2022
サプライチェーンの可視性を高め、実用的なインサイトを提供してサプライチェーンのリスク緩和、コスト削減、顧客エクスペリエンスの改善を実現する新しいクラウドアプリケーション
Whole Foods Market が AWS Supply Chain を採用
※本プレスリリースは、現地時間 2022 年 11 月 29 日に米国で発表されたプレスリリースの抄訳版です。
(ラスベガス、2022 年 11 月 29 日発表)Amazon.com, Inc.(NASDAQ:AMZN)の関連会社である Amazon Web Services, Inc.(AWS)は、11 月 29 日、AWS re:Invent において、企業がサプライチェーンの可視性を向上して、リスクの緩和をはじめ、コストの削減、顧客エクスペリエンスの改善を実現するために、情報を基に迅速な意思決定を行うための新しいアプリケーション、AWS Supply Chain を発表しました。AWS Supply Chain は複数のサプライチェーンシステムのデータを自動的に統合して分析するため、企業は自社のオペレーションをリアルタイムで観察して、より迅速に動向を把握し、需要予測の精度を高めて、確実に在庫を適正化して顧客の期待に応えられるようにします。AWS Supply Chain は、30 年におよぶ Amazon.com の物流ネットワークでの経験に基づいて、統合データレイクや機械学習を活用した実用的なインサイト、推奨されるアクション、アプリケーション内コラボレーション機能などを提供することによって、サプライチェーンの耐障害性を高めます。AWS Supply Chain の詳細については、以下のウェブサイトをご確認ください。
aws.amazon.com/aws-supply-chain
近年、サプライチェーンは世界的に広がるリソース不足や地政学リスク、自然災害などのために、かつてないほど需要と供給の変動が加速しています。こうした混乱は、サプライチェーンが先行き不透明な状態にあっても、企業は顧客の需要の変化に素早く対応し、継続してコストを削減する計画を立てなければならないというプレッシャーになっています。部品不足や船積港の混雑、予期せぬ需要の急拡大、気候変動など、サプライチェーンのリスクについて予測を見誤ると、企業は過剰在庫によるコスト、あるいは在庫切れによる顧客満足度の低下といった問題に直面することになります。サプライチェーンを可視化するためには、企業はエンタープライズリソースプランニング(ERP)やサプライチェーンマネジメント(SCM)など、さまざまなシステムにアクセスしてデータを処理できるよう、カスタム統合システムを構築しなければなりません。こうしたプロジェクトにおいては、単価の高いサードパーティの関与と長期間の開発サイクルが生じるため、サプライチェーンに問題が起きた場合、問題を解消する方法を見つけるのが困難になります。リアルタイムで状況が把握できなければ、企業は古い情報や推測に依存するため、予期せぬ事態に効果的に対応することは困難です。最もインパクトの大きい問題を特定して次に打つべき手を決定したとしても、問題の解決に必要なすべての情報が揃わなければ、サプライチェーンチームが電話やメールでやりとりを重ね、各方面との調整を図らなければならないこともよくあります。その結果、企業はサプライチェーンのリスクに対応する態勢が整えられなくなり、顧客との約束やオペレーションのコストに影響が及ぶことになります。
AWS Supply Chain は、サプライチェーンの可視性を高め、実用的なインサイトを提供して、企業がサプライチェーンのプロセスを最適化し、サービスレベルの向上を促すアプリケーションです。お客様は、AWS Supply Chain に 内蔵されているコネクターを使用し、サプライチェーンの統合データレイクを簡単に設定できます。ここでは、Amazon.com の 30 年にわたるサプライチェーンの経験に基づいて事前学習した機械学習モデルを活用して、ERP や SCM システムのデータの理解、抽出、集約を行います。さらに、こうした情報をリアルタイムで可視化したマップでコンテキスト化し、ロケーションごとに現状で選択されている在庫や数量をハイライトして表示します。在庫管理の担当者、需要計画の担当者、サプライチェーンリーダーは、在庫不足や遅延の可能性について、機械学習によって生成されたインサイトを確認してウォッチリストを作成し、リスクが顕在化した際にはアラートを受け取り、対策を講じることができます。リスクが特定されると、AWS Supply Chain はリスクの解消度合や施設間の距離、サステナビリティに与える影響などに基づいて、拠点間の在庫の移動などの推奨アクションを自動的に提示します。AWS Supply Chain に内蔵されたチャットやメッセージング機能を利用して、チームは協力して問題の解決にあたることができます。AWS Supply Chain によって、企業はより正確にサプライチェーンのリスクを予測し、迅速に在庫の再調整を行うことでコストを削減し、顧客の期待に応えられるようになります。
AWS のサプライチェーン担当バイスプレジデントである Diego Pantoja-Navajas は、次のように述べています。「異なるサプライチェーンソリューション間でデータを連結させる一様の作業負荷によって、潜在的なサプライチェーンの混乱を素早く把握して対応する能力が阻害されている、といったお客様の声を聞きます。AWS Supply Chain はこうしたデータを集約して、可視化されたインタラクティブなダッシュボードを通じ、よりレジリエンスの高いサプライチェーンを構築するために必要なインサイトやレコメンデーションを提供します。そしてこれは序章に過ぎません。AWS では今後も AWS Supply Chain への投資を続け、お客様がサプライチェーンに関する最も困難な問題を解決できるようにしていきます」
AWS Supply Chain は現在、プレビュー版を米国東部(バージニア北部)、米国西部(オレゴン)、欧州(フランクフルト)で提供しており、近日中にその他の AWS リージョンでも提供を開始する予定です。
アクセンチュア(Accenture)は、AWS の主要パートナーとして、Accenture AWS Business Group を通じて AWS と緊密に連携し、リソースや技術力、業界知識を統合し、エンタープライズのイノベーションの実現やビジネス価値推進の支援を行い、クラウドへの移行とイノベーションによる成長を加速させます。アクセンチュアのグローバルサプライチェーン & オペレーションズのリーダーである Kris Timmermans 氏は、次のように述べています。「サプライチェーンの混乱は当面、続くと見られており、企業の成長を支えるためには、サプライネットワーク全体を通じてコスト効率とサステナビリティ、関連性のバランスを取ることに注力し続ける必要があります。クラウドベースのデジタル戦略を実行することで、俊敏性とレジリエンスを備えたサプライチェーンが実現でき、市場や顧客ニーズの変化に対応していくことができます。アクセンチュアは SynOps platform を始め、サプライチェーン分野のあらゆるプロダクトやサービスで AWS Supply Chain を活用して、企業が迅速に行動できるよう、あらかじめ統合したソリューションを提供し、複雑なプロセスを自動化して、短期間で価値を実現できるよう支援していきます」
ホールフーズ・マーケット(Whole Foods Market)は自然食品やオーガニックフーズを扱う大手食料品小売企業で、米国、カナダ、英国で 525 店舗以上を展開しています。ホールフーズ・マーケットのチーフテクノロジーオフィサー(CTO)兼シニアバイスプレジデントである Leandro Balbinot 氏は、次のように述べています。「当社では全米各地の物流センターの新たな在庫の到着時間をより正確に把握したいと考えていました。AWS Supply Chain はシステムを止めることなく、既存システムのデータ集約を可能にします。そして、AWS Supply Chain のビジュアルマップによって、製品レベルでの在庫の動きがリアルタイムで簡単に確認できるようになりました。今後、AWS Supply Chain の統合ビューや予測計画分析によって、当社の物流センターにおける在庫管理が大幅に改善されるものと期待しています」