投稿日: May 30, 2024

SAP® AI Core の生成 AI ハブが Amazon Bedrock の基盤モデルと統合され、企業向けの生成 AI 駆動のインサイトを提供し、手動プロセスを効率化

本リリースは、5 月 29 日に両社の本社から発表された発表文の抄訳です。

Amazon.com Inc.(NASDAQ: AMZN)の関連会社である Amazon Web Services, Inc.(以下、AWS)と SAP SE(NYSE:SAP)は本日、戦略的協業の拡大を発表しました。これにより、現代のクラウド ERP 体験を変革し、お客様による生成 AI(人工知能)を活用した機能の開発と効率の向上を支援します。AWS と SAP は、AWS 上での RISE with SAP ソリューションの導入を容易にし、クラウドで実行される SAP ワークロードのパフォーマンスと効率を向上させ、生成 AI を企業のビジネスクリティカルなアプリケーションポートフォリオ全体に組み込むことを目指しています。

AWS の最高経営責任者(CEO)に就任予定のマット・ガーマン(Matt Garman)は次のように述べています。「AWS は、SAP ポートフォリオをサポートする認定を受けた最初のクラウドプロバイダーです。現在では、数千ものエンタープライズ企業が SAP ソリューションを AWS 上で運用し、ミッションクリティカルなアプリケーションの価値を最大限に活かしています。現在、AWS と SAP は、企業がコアビジネスデータに生成 AI をより迅速かつ簡単に適用することで、効率性、即応性、持続可能性を高められるように取り組んでいます」

SAP SE の最高経営責任者(CEO)を務めるクリスチャン・クライン(Christian Klein)は次のように述べています。「SAP は、ERP アプリケーション全体に生成 AI ソリューションを組み込むことで、お客様のイノベーションを加速させています。この実現には、AWS との協業のようなパートナーシップが不可欠です。両社の顧客に最新のクラウド ERP を提供するだけでなく、世界におけるブロードバンドアクセスを飛躍的に拡大する Amazon の衛星ブロードバンドネットワーク『Project Kuiper』のような革新的な取り組みにも RISE with SAP を導入することで、Amazon の変革を力強く支援できることを大変うれしく思います」

Amazon Bedrock の生成 AI モデルを SAP AI Core の生成 AI ハブで利用可能
SAP® AI Core の生成 AI ハブは、企業がビジネスアプリケーションに安全かつ簡単に大規模言語モデル(LLM)を取り入れるための革新的なソリューションです。Anthropic の Claude 3 モデルファミリーや Amazon Titan などの Amazon Bedrock から利用可能な生成 AI モデルにより、SAP のお客様は、高性能な LLM やその他の基盤モデルにアクセスして、独自のデータでカスタマイズされたアプリケーションを構築できるようになります。数万に及ぶ顧客が Amazon Bedrock を使用し、AI21 Labs、Anthropic、Cohere、Meta、Mistral AI、Stability AI、Amazon などの業界をけん引する AI 企業のモデルを使用して、生成 AI アプリケーションを簡単、迅速、安全に構築し、拡張しています。

この統合により、SAP のお客様は生成 AI の導入を加速させ、SAP ソリューションを活用して主要なビジネスプロセスを近代化することができます。これらのイノベーションは、RISE with SAP やインテリジェント・シナリオ・ライフサイクル管理機能に組み込んで利用することができます。あるいは、SAP® Business Technology Platform(SAP® BTP)上で直接並行して使用し、ユースケースを開発することも可能です。SAP と AWS は連携して、Amazon Bedrock が生成 AI ハブで提供する機能を拡大し、クラウドソリューションとアプリケーションの SAP ポートフォリオ内に組み込み AI 機能を実現していく予定です。これには、財務および製品ライフサイクル管理全体にわたる追加のユースケースが含まれます。

SAP が AWS のチップを使用して将来の AI サービスを強化
SAP は、AWS の Graviton3 プロセッサを活用して SAP HANA® Cloud を強化し、パフォーマンスの向上、コスト削減、エネルギー効率の改善を実現しています。Graviton3 ベースの Amazon Elastic Compute Cloud(EC2)インスタンスを使用することで、SAP は分析ワークロードの計算能力を最大 30%向上させ、これによって SAP HANA Cloud の二酸化炭素排出量の 45%削減を見込んでいます。

現在、SAP と AWS は、次世代の Graviton4 についても協力しており、SAP HANA Cloud およびその他の SAP アプリケーションのパフォーマンスと効率をさらに向上させる計画です。SAP は、AWS Graviton での SAP HANA Cloud の成功をもとに、SAP BTP、SAP® Datasphere、SAP® Analytics Cloud、SAP® Cloud ALM ソリューションなどにも AWS Graviton を使用する予定です。

さらに、SAP は AI および機械学習(ML)ワークロード向けに設計されたアクセラレーターである AWS Trainium および AWS Inferentia を、将来の SAP Business AI 製品のトレーニングおよびデプロイに活用する計画です。概念実証では、Trainium および Inferentia2 ベースのインスタンスを使用して、SAP エンジニアが生成 AI LLM のトレーニングおよびファインチューニングをわずか 2 日で完了しました。これは、従来の Amazon EC2 インスタンスでは 23 日かかる作業です。機械学習モデルのトレーニングに最適化された Trainium の専門アーキテクチャを活用することで、SAP は効率的な ML モデルのトレーニングを可能にし、高い精度と信頼性を維持しながら開発プロセスを加速することができます。

AWS 上の RISE with SAP のパフォーマンスの向上
数千ものお客様が、最も大規模で複雑なグローバル SAP ソリューションを導入するために RISE with SAP on AWS を選択しています。このたび一般提供を開始した次世代の Amazon EC2 High Memory U7i インスタンスは、単一インスタンスで最大 32TB のメモリーを提供し、SAP HANA® データベースの拡張ニーズをサポートするために必要なメモリーと柔軟性を提供します。この Amazon EC2 High Memory U7i インスタンスは、RISE with SAP の一部である SAP S/4HANA® などのメモリーを大量に消費するアプリケーションのパフォーマンスを改善するために主要クラウドプロバイダーが提供する初の DDR5 メモリベースの 8 ソケット製品です。

Amazon の Project Kuiper が RISE with SAP を選定
Twitch、Zappos.com、Zoox Inc. を含む Amazon の関連会社は、AWS 上の SAP ソリューションを使用してその事業運営をサポートしています。Amazon の衛星ブロードバンドネットワークである Project Kuiper(プロジェクトカイパー)は、複雑なサプライチェーンと製造業務を支援し、ミッションクリティカルな SAP ソリューションから最大のパフォーマンスと価値を引き出すために、RISE with SAP を導入しています。AWS 上で SAP ソリューションを活用することで、Kuiper は RISE with SAP に組み込まれた最新の SAP 機能を利用し、インパクトのある変革を推進し、会社の意思決定を加速させ、全体的なパフォーマンスと生産性を向上させることができます。

世界では今もなお、数億人もの人々がインターネットに十分にアクセスできませんが、Project Kuiper は、信頼できるインターネット接続がない地域に住む多様なお客様に、迅速で手頃な価格のブロードバンドサービスを提供することでデジタルデバイドを解消することを目標としています。このビジョンを実現するためには、これまでになく迅速に衛星を構築する必要があります。RISE with SAP を利用することで、Project Kuiper のチームは、最も信頼性が高くスケーラブルなインフラを活用して、最新のクラウド ERP をマネージドサービスとして運用でき、IT の管理ではなくイノベーションに集中することが可能になります。

SAP と AWS パートナーシップの詳細については、6 月 3 ~ 5 日にオーランドで開催される SAP Sapphire カンファレンスにご参加ください。

SAP について
SAP(NYSE:SAP)は、エンタープライズアプリケーションとビジネス AI のグローバルリーダーとして、ビジネスとテクノロジーの融合を推進しています。50 年以上にわたり企業と共に歩み、進化を続け、財務、調達、人事、サプライチェーン、カスタマーエクスペリエンスなどのビジネスクリティカルな業務を統合し、お客様のビジネスを成功へと導く支援をしています。詳細は、こちらからご覧ください。www.sap.com

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