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第1回 AWS Container Platform Engineering Meetup 開催レポート

2026年4月17日、目黒セントラルスクエア17F AWS Startup Loft Tokyoにて「AWS Container Platform Engineering Meetup」を開催しました。このイベントは、Amazon ECSやAmazon EKSを活用しながらプラットフォームエンジニアリングに取り組む企業が一堂に会し、実践的な知見を共有し合うイベントです。今回は約60名の方にご参加いただき、会場ではPlatform Engineering に関する様々な知見が飛び交いました。
イベント構成
本イベントは3部構成で実施しました。
- メインセッション: AWSによるセッションとカスタマー企業によるパネルディスカッション
- RoundTable Session (事前招待制): 事前招待制のラウンドテーブルディスカッション
- ネットワーキング (事前招待制): 参加者同士の交流
セッションで広い視点を得た後、ラウンドテーブルで具体的な議論を深め、懇親会でさらに交流するという流れが好評でした。
AWSセッション — プラットフォームエンジニアリングの実践

Speaker: Hayashi Masatoshi(アマゾン ウェブ サービス ジャパン合同会社 Container Specialist SA)
オープニングセッションではアマゾン ウェブ サービス ジャパン合同会社の林より「AWSが考えるプラットフォームエンジニアリングの実践」を実施しました。クラウドにおけるプラットフォームエンジニアリングにおける様子と、AWSでの実装方法を解説しました。加えて、ECSおよびEKSに関連する最新アップデートを紹介しました。
パネルディスカッション Part 1: Amazon ECS

登壇企業: クックパッド株式会社様、レバレジーズ株式会社様、株式会社タイミー様
Facilitator: Hayashi Masayoshi(アマゾン ウェブ サービス ジャパン 合同会社 Specialist SA)
ECSを活用する3社に、コンテナサービスの選択理由、開発者向けインターフェースの設計、チーム組織・文化の3つのテーマで議論いただきました。
コンテナサービスの選択理由では、クックパッド様からECSからEKSに移行後、再度ECSに戻した経験が語られました。グローバルサービス統合の過程でEKSに移行したものの、運用負荷とチーム規模の変化を踏まえ、ECSのシンプルさを優先して再移行を決断したとのことです。
開発者向けインターフェースの設計では、レバレジーズ様がTerraformリモートモジュールとコーディングエージェントスキルを組み合わせ、AWSの深い知識がなくても本番インフラを構築できる仕組みを整えた事例を紹介されました。
チーム組織・文化では、3社ともEmbedded SRE(プロダクトチームにSREメンバーが常駐するモデル)を実践しており、SREチームが撤退した後にナレッジが失われる課題を共通して認識していました。ガードレールによる安全確保や、テンプレートの配布など、各社それぞれのアプローチで対策を講じています。
パネルディスカッション Part 2: Amazon EKS

登壇企業: 株式会社マネーフォワード様、ウォンテッドリー株式会社様、株式会社サイバーエージェント様
Facilitator: Goto Kenta(アマゾン ウェブ サービス ジャパン 合同会社 Solutions Architect)
EKSを活用する3社に、EKSの選択理由と移行事例、プラットフォームの抽象化レベル設計、チーム組織とフィードバックサイクルについて議論いただきました。
EKSの選択理由と移行事例では、ウォンテッドリー様が2016年からEKS登場以前よりKubernetesを本番運用してきた歴史を紹介しました。Herokuの開発者体験をAWS上で再現するために内製CLIツールを構築し、20回以上のクラスターアップグレードで蓄積された知見が大きな資産になっていると語りました。
プラットフォームの抽象化レベル設計では、サイバーエージェント様がKubeVelaによる抽象化の取り組みを紹介しました。開発者がKubernetesを意識せずにアプリケーションをデプロイできる環境を実現した一方、プラットフォームが提供するテンプレートへの社内コントリビューションをどう促進するかが次の課題として挙げられました。
チーム組織とフィードバックサイクルでは、マネーフォワード様がプラットフォームチームへのリクエスト集中という課題を共有。定型作業の自動化やAI活用の検討、SRE出身者が開発側の業務も担当する柔軟な体制づくりなど、実践的なアプローチが議論されました。
事前招待制 RoundTable Session
メインセッション終了後、事前招待した企業によるクローズドなラウンドテーブルを実施しました。EKS/Platform EngineeringグループとECS/Containerグループの2つに分かれ、より踏み込んだ議論が行われました。
EKSグループでは、以下のトピックが議論されました:
- プラットフォーム提供における失敗と改善のアプローチ
- プラットフォームの抽象化レベルの設計
- プラットフォーム運用におけるAIの活用戦略
- マルチテナント環境でのセキュリティ分離
ECSグループでは、以下のトピックが議論されました:
- ECSにおけるジョブオーケストレーションの課題と各社の工夫
- キュー設計と運用のベストプラクティス
- 組織拡大に伴うアーキテクチャの分離戦略
- グローバル展開時のアーキテクチャ設計
フェーズやアーキテクチャの特性が近い企業同士で、具体的かつ実践的な議論が実現しました。
参加者の声
- 「業界のフロントランナーたちのECS, EKSの選択理由と開発者へ提供するインターフェースについて聞くことができ、非常に参考になりました。」
- 「現在進行系でPlatform化の議論が行われている状態でちゃんとした形としてプロダクトチームに提供できているわけではないので、ほかの事例ややり方などを聞くことができ助かりました」
- 「現在ECSを運用していて、規模が大きくなってきたのでそろそろプラットフォームがないと難しいのではないか?という課題感が出てきたので、今回のイベントに参加した。実際にプラットフォームを運用している人たちの、ベストプラクティス以外の生の話を聞くことができて、とても参考になった。次回もあれば参加したい」
- 「小さい範囲に閉じたミートアップだったことで、より濃い内容の話を聞けたのが良かったです。別のテーマでも実施いただけるとよいかなと思いました」
- 「セッション → ラウンドテーブル → 懇親会という会の構成が良くて、広い考え方から徐々に具体の話の議論ができて良かったです」
- 「ラウンドテーブルでは組織規模の近い企業と話すことで、課題感を共有しディスカッションすることができた。」
おわりに
第1回の開催を通じて、コンテナとプラットフォームエンジニアリングに取り組む企業同士が実践知を共有し合う場の価値を実感しました。今後も同様のイベントを企画していく予定です。事前招待制のクローズドセッションにご興味のある方は、ぜひAWSのアカウントチームにお問い合わせください。
著者情報
岸田 晃季(Kishida Kouki)
スタートアップソリューションアーキテクト。スタートアップにて機械学習エンジニア、プロダクトマネージャーを経験後、より多くのスタートアップと関わりたいと思い現職にジョイン。スタートアップのために何ができるか日々模索中。