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Eclipse IDE 上の Java 開発で利用できるパワフルな生成 AI 機能のパブリックプレビュー提供開始
本記事は 2024 年 11 月 27 日に公開された “Leverage powerful generative-AI capabilities for Java development in the Eclipse IDE public preview” を翻訳したものです。
本日、世界中の Eclipse 開発者にとって画期的な一歩となるお知らせをいたします。Eclipse IDE における Amazon Q Developer のパブリックプレビューの提供を開始します。この統合により、最も人気のある開発環境の 1 つに、AI 駆動の開発機能が直接組み込まれることになります。この記事では、この革新的な機能の詳細と、従来の IDE と最先端の AI の融合がソフトウェア開発ライフサイクル全体でどのように開発タスクを強化するかについてご紹介します。
背景
この発表を書きながら、懐かしさと興奮が入り混じった感情を覚えます。Amazon Q Developer において Eclipse は最も要望の多い IDE の 1 つであり、その理由が私にはわかります。私と同世代の多くの開発者にとって、Eclipse は Java プログラミングの入り口でした。あの大容量の IDE をダウンロードし、インストールが終わるまで永遠とも思える時間を待ち、そしてワークスペースを見つめながら、その可能性に怖気付きながらも胸を躍らせていたことを覚えています。
Eclipse は 20 年以上にわたり、ソフトウェア開発の世界で多くの開発者に支持されてきました。J2SE の初期から現代の Java プラットフォームまで、その進化に寄り添ってきました。数多くの開発者にとって、Eclipse は単なる IDE を超えた、開発の旅路における信頼できる仲間でした。
しかし、時代は変化しています。ソフトウェア開発の状況は急速に進化しており、その革新の中心にあるのが生成 AI です。コーディング、テスト、アプリケーションのデプロイメントへのアプローチは、パラダイムシフトを迎えています。そして本日、慣れ親しんだ Eclipse と最先端の Amazon Q Developer の機能を組み合わせた、画期的な統合をお知らせできることを嬉しく思います。
Eclipse IDE 向け Amazon Q Developer プラグインの紹介
Amazon Q Developer は、ソフトウェア開発ライフサイクル全体を再考する、最も高機能な AI 搭載の開発支援アシスタントです。AWS を活用して、アプリケーションの構築、セキュリティ確保、管理、最適化をより容易かつ迅速に行うことができます。こうした原動力のあるツールを Eclipse に直接統合することで、我々は単に機能を追加するだけではなく、Java 開発者にとっての新たな可能性の世界を開きます。Java 開発の熟練者であれ、開発の旅を始めたばかりの方であれ、Eclipse IDE 向けの Amazon Q Developer は、コーディングを含むソフトウェア開発ライフサイクル全体のタスクを加速する、不可欠な生成 AI アシスタントとなるでしょう。
パブリックプレビューでは、Eclipse を利用する開発者はプロジェクトについて Amazon Q Developer とチャットを行い、インラインコード提案機能でコーディングを加速することができます。Amazon Q Developer のカスタマイズ機能を活用することで、チーム内部のツールやサービスに合わせた回答を得ることができ、ソフトウェア開発ライフサイクル全体での生産性を向上させながら、より迅速な開発が可能になります。パブリックプレビューで利用可能な機能について見ていきましょう。
インライン提案機能
インラインコード提案機能は、Amazon Q Developer の AI 機能を体験する優れた入り口です。文字をタイプすると、Amazon Q Developer はあなたのコード、コメント、命名規則を分析して、文脈を考慮した提案を提供します。なお、コードドキュメントが包括的で整理されているほど、Amazon Q Developer の提案はより正確で有用なものとなります。
チャット機能
Amazon Q Developer のチャットインターフェースは、様々な開発ニーズに対応する多目的ツールです。コードスニペットの提案を求めたり、プロジェクトについて質問したり、特定の機能の実装についてガイダンスを求めたりすることができます。例えば、Java で高速フーリエ変換を計算するサンプルコードを依頼したり、データベースクラスに UUID を使用する追加フィールドを実装する方法について助言を求めたりできます。
また、Amazon Q Developer とのチャットのやり取りにコードスニペットをシームレスに統合することもできます。コードの一部を選択し、エディタ上で右クリックして Amazon Q > Send To Prompt を選択することで、コードをチャットウィンドウに送り、コードについて具体的な質問をしたり修正を依頼したりでき、よりインタラクティブでコンテキストを考慮したコーディング体験が可能になります。
また、右クリックメニューを使用して、選択したコードスニペットの説明、リファクタリング、修正、最適化を Amazon Q Developer に依頼することもできます。
カスタマイズ機能
カスタマイズ機能により、Amazon Q Developer はチーム内部のライブラリ、プロプライエタリなアルゴリズム技術、企業のコーディングスタイルに準拠しながらソフトウェア開発を支援することができます。カスタマイズ機能は最初に管理者による設定が必要です。その後、IDE 内の Amazon Q Developer パネルのメニューから選択して使用できます。詳細については、ユーザーガイドをご参照ください。
まとめ
Eclipse IDE 向け Amazon Q Developer プラグインのプレビューは、この信頼性の高いプラットフォームにおいて開発体験を大きく向上させるための重要な一歩を象徴しています。インラインコード提案やチャットなどの AI 駆動ツールを統合することで、Amazon Q Developer は開発者がより効率的に様々なプログラミングタスクに取り組むことを可能にします。レガシーコードの保守、新機能の開発、複雑な問題のトラブルシューティングなど、どのような作業においても Amazon Q Developer はワークフローを効率化し、最も重要な『優れたコードの作成』に集中することを可能にします。
利用を開始するには、Eclipse IDE に Amazon Q Developer プラグインをインストールしてください。
このブログの翻訳はソリューションアーキテクトの三尾が担当しました。