Amazon Web Services ブログ
AWS上での非常に大規模なSAP S/4HANA展開のサポートを発表
Steven Jonesは、AWSパートナー部門のテクニカルディレクターかつグローバルテクニカルリードです。
先日、大学に通い、まだ進路に悩んでいる私の息子が、なぜアマゾンで働くのが好きなのか尋ねてきました。私は、Amazon Web Services (AWS)が、現在のコンピューターで実行される世界で最も要求の厳しいお客様のワークロードのためにどのようにサービスオファリングを構築しているか、またお客様のご要望に応えるために限界を超え、テクノロジーシフトを促進し続けている会社の一員であることが如何に幸せか、最善を尽くして説明しました。
一例として、昨年2018年秋に、大容量メモリが必要なSAP HANAワークロードのための、6、9、12TBメモリおよび最新世代のインテル® Xeon® スケーラブル (Skylake) プロセッサーを搭載したAmazon Elastic Compute Cloud (Amazon EC2) High Memory インスタンスの提供開始を発表しました。あれから、このAmazon EC2 High Memory インスタンスをビジネスクリティカルなワークロードの運用で利用されているお客様は、これらの生来のクラウドインスタンスがアプリケーションサーバや他のAWSサービスと同じ環境でシームレスに展開かつ統合できる容易さが大好きだと語ってくれています。このユニークなテクノロジーは、2019年のSAP Innovation Awardsに立候補しています。そして現在、High Memory インスタンスは、SAP認定クラウドインスタンスの中で最も大きなメモリを提供しています。
SAP認定済みの大規模スケールアウト展開
私たちは、12TBで留まることなく、今年後半にはもっと大きなサイズを提供する予定です。お客様の意見に基づいて、さらに大きいデータベースサイズをサポートするために、Amazon EC2 High Memory インスタンスの追加の展開オプションを提供しようとSAP社と協力して取り組んでいます。
これについて、SAP S/4HANAワークロードのための、12TBのAmazon EC2 High Memory インスタンスを利用したSAP認定済みのスケールアウト展開を発表できて嬉しく思います。
クラウド内のS/4HANAワークロードにおいて、初めてスケールアウト設定を活用することができるようになりました。そして、Amazon EC2インスタンスが持っているインフラストラクチャの性能、セキュリティ、分離、弾力性、および効率性を提供する専用ハードウェアとソフトウェアコンポーネントの組み合わせであるAWS Nitroシステムのイノベーションを活用することができます。現在、非常に大規模なS/4HANAの展開のために、最大4ノード、合計48TBメモリまでスケールアウトできます。以下は、12TB x 4ノードで構成される大規模なS/4HANAスケールアウトクラスターを示すスクリーンショットです。
長年に渡り、SAP社と密に連携して、SAP HANAのすべてのタイプのワークロードに対応できるようなきめ細かいメモリ展開オプションを提供しようと、60GBから12TBまでの幅広い範囲のAmazon EC2インスタンスタイプを開発し、認定を取得してきました。お客様は、現在必要としているメモリサイズから始めて、個々のニーズに応じてインフラストラクチャを拡張することができると私たちに語ってくれます。
最も優れている点は、Amazon EC2インスタンスが、長時間の移行やコストのかかる停止を必要とせずに、簡単な停止/開始プロセスを通じて、より大きなインスタンスタイプにシームレスにスケールアップする機能を提供していることです。
12TBのしきい値に達しても、S/4HANAのスケールアウトサポートにより、需要の変化に応じて段階的にスケールアウトすることもできます。
オンプレミスまたはコロケーション設置における、大規模クラスターのプロビジョニングには、数週間から数か月間の計画と作業期間が必要になることがよくあります。AWSでは、自動化されたSAP HANA向けAWSクイックスタートを使用することで、1時間掛からずに、単一ノードの仮想システムまたはベアメタルシステム、さらには大規模なSAP HANAスケールアウトクラスターをプロビジョニングできます。
これらのミッションクリティカルなワークロードでは、事業継続性が不可欠です。オンプレミスまたはコロケーションでの高可用性設定では、ほとんどの場合、単一データセンターでの展開モデルになります。AWSでは、復元力を高め、データセンターの障害からも保護できるよう、AWSリージョン内のアベイラビリティーゾーン (複数のデータセンター群)をまたがって、SAP HANAシステムレプリケーションを使用したSAP HANAの高可用性クラスターを設定できます。さらに、災害復旧のために、AWSリージョンをまたがって、非同期レプリケーションモードでのHANAシステムレプリケーションも設定できます。
これらのインスタンスは、米国東部 (バージニア北部)、米国西部 (オレゴン)、欧州 (アイルランド)、アジアパシフィック (東京)、そしてAWS GovCloud (米国) リージョンで利用可能です。利用開始にあたっては、AWSアカウントチームあるいはお問い合わせにご連絡ください。
今年後半に予定されている18TBと24TBを搭載したより大きなインスタンスサイズの詳細はもう少々お待ちください。
翻訳はPartner SA 河原が担当しました。原文はこちらです。