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AWS で利用できる Anthropic ソリューションのご紹介

皆さんこんにちは、ソリューションアーキテクトの金杉と石見です。

AWS では、生成 AI を活用したお客様のビジネス変革を支援するため、多くのAWSパートナーとの連携を行っています。先日 2025 年 10 月 29 日には、AWS ソフトウェアパスのパートナーであるAnthropic が Tokyo Office を開設され、日本のお客様をより密に支援する体制が強化されました。今後日本国内でも AWS で利用できる Anthropic ソリューションのニーズが増すことが予想されるため、この記事では AWS で利用できる Anthropic ソリューションについてご紹介します。

AWS が提供する Anthropic のソリューション

AWS で利用できる Anthropic のソリューションとして、Amazon Bedrock 経由での Claude モデルの提供と Claude for Enterprise の AWS Marketplace 上での販売についてご紹介します。

Amazon Bedrock 経由での Claude モデルの提供

Amazon Bedrock は、生成 AI アプリケーションやエージェントの構築に適した包括的でセキュアかつ柔軟なプラットフォームです。Amazon Bedrock の一機能として、Anthropic の Claude を含む基盤モデルをセキュアで簡単に利用できる API を提供しており、国内でも多数の本番利用における公開事例があります。

Anthropic 社の Claude API で利用する際と同じ料金で提供しており(2025年11月19日時点)、お客様の要件に応じてAmazon BedrockでもClaude モデルをご利用いただけます。Amazon Bedrock 経由で Claude モデルを利用するメリットとしては主に以下のようなお声をいただいています。

  • データコントロールの観点で、全てのデータが AWS に留まる上、必要に応じて日本国内や閉域に閉じた利用が可能
  • 利用や支払いを AWS の他サービスとまとめられるため、モデルプロバイダーと追加の契約手続きや、それに付随するセキュリティ申請、予算獲得等の社内プロセスが省略できる
  • AWS の包括契約のコミットメントに合算できる
  • AWS のエンタープライズグレードの可用性と SLA (Service Level Agreement) が適用される
  • AWS サポート、ML スペシャリスト、生成 AI イノベーションセンターなど様々なメンバーからの密なサポートを受けられる

特に、最新モデル Claude Sonnet 4.5 / Claude Haiku 4.5日本国内クロスリージョン推論 (Japan Cross Region Inference) に対応しました。このマネージドな機能により、多くのお客様のデータレジデンシー要件を満たしながら、推論リクエストを日本国内の 2 リージョンに自動的にルーティングできるようになり、トラフィックバーストをシームレスに処理できるようになります。

詳しくは、AWS ブログ「Amazon Bedrock で日本国内に閉じた Anthropic Claude 4.5 の推論が可能に!日本国内クロスリージョン推論のご紹介」も参照してください。

AWS Marketplace 上での Claude for Enterprise の提供 


AWS Marketplace は、サードパーティのソフトウェア、データ、サービスを売り買いできる厳選されたデジタルカタログであり、購入者としてはソフトウェア調達やライセンス管理を簡素化することができます。例えば、サードパーティが提供する SaaS を AWS Marketplace からサブスクライブし、AWS インフラの支払いと SaaS 製品の支払いを集約できる機能も提供しています。現在では、Anthropic の Enterprise プランである “Claude for Enterprise“ を AWS Marketplace 上で購入することができるようになっており、Claude のウェブやデスクトップ版が利用できる Standard seat だけでなく、Claude Code を合わせて利用できる Premium seat も取り扱っています。

Anthropic がネイティブに提供する Enterprise プランとは一部機能差異はありますが、AWS Marketplace 経由で Claude for Enterprise を契約する際のメリットとして、主に以下のような声をいただいています。

  • 購入プロセスや支払いを AWS にまとめることができる
  • AWS の包括契約のコミットメントに合算できる

特に Anthropic が提供するエージェンティックコーディングツールである Claude Code の社内展開を目的とした Claude for Enterprise への注目は日本でも大きく、Team プラン以上で提供されているチーム管理機能、一元請求管理や SSO (Single Sign On)/JITP に加え、監査ログ、ロールベースの権限管理などのエンタープライズグレードなセキュリティ機能や業務に十分なクオータなどを理由に導入が進んでいます。

 

 

AWS と組み合わせて Claude Code を利用する場合について


昨今は、特に Claude Code に関するお問い合わせが増えているため、Claude Code に絞って AWS と組み合わせて利用できる方法を整理すると、上記で説明した Amazon Bedrock と Claude for Enterprise に対応する形で二種類の方法があります。一つ目は Claude Code と Amazon Bedrock API 経由の Claude モデルを組み合わせる方法であり、従量課金でデータをAWSに留めて利用できる方法になります。もう一方は AWS Marketplace 上で Claude for Enterprise の Premium seat を購入する方法であり、これは予測可能な予算管理が好ましい場合や、ウェブ・デスクトップ版の Claude も合わせて活用したい場合、必要な機能をビルトインですぐ使い始めたい場合に適しています。

Claude Code を AWS 上で利用する方法に関してより詳しく知りたい方は、ブログ「Claude Code on AWS パターン解説 – Amazon Bedrock / AWS Marketplace」を参照してください。

 

AWS と Anthropic で生成 AI による変革をサポート


ここまで、Amazon Bedrock 経由での Claude モデルの提供や、Claude for Enterprise の AWS Marketplace 上での販売といった具体的なソリューションについてご説明してきました。AWS からの支援体制については、ソリューションの提供を超えて、コスト面では各種クレジットプログラム、技術支援リソースの面では生成 AI イノベーションセンターや プロトタイピングチーム、そして定期的な生成 AI 関連イベントを介した知見共有に至るまで、幅広い観点でのご支援を続けています。また、Anthropic ソリューションについてのスペシャリスト組織も社内で拡大しているため、AWS からも深く Anthropic ソリューションについての技術支援ができる体制が強化されてきています。

今後も AWS は生成 AI テクノロジーを活用してビジネスの変革を進めるお客様を包括的に支援してまいりますので、ぜひお気軽にご相談ください。

 


Anthropic Tokyo Office Launch Event

なお、10 月 29 日に開催されたAnthropic Tokyo Office Launch Eventでは、Anthropic Japan 代表執行役社長 東條英俊氏によるオープニング、共同創業者 ベン・マン氏 による最新情報の発表、CEO ダリオ・アモデイ氏のインタビューに加えて、アマゾン ウェブ サービス ジャパン 代表執行役員社長 白幡も登壇しました。白幡のスピーチでは、お客様に代わってイノベーションを継続するAWSのマインドセットと、Anthropic が信条とする AI Safety へのコミットメントの親和性について紹介しました。Anthropic の持つモデルやソリューションを、AWS の安全でスケールするインフラストラクチャが支えることで、スタートアップからエンタープライズ企業までが安心してご利用いただけるようなサービスをお届けしています。