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AWS GameDay DOJO YABURI 金融プラットフォーマー対抗戦 2024年10月開催レポート

本記事では、2024 年 10月 25 日に金融機関向けにサービスやプラットフォームを提供されている金融プラットフォーム事業に関わるエンジニアの方々を対象に、企業の枠を超えたAWSスキルの研鑽と交流をテーマとして開催した 「AWS GameDay DOJO YABURI for 金融プラットフォーマー」の開催概要、および熱い戦いの模様と結果をご報告いたします。

AWS GameDay とは?

AWS GameDay は、ある課題に対して AWS サービスで解決するための対応力や実装スキルを試すことができる実践形式のワークショップです。3~4 名でチームを結成し、待ち受けるさまざまなトラブル(クエスト)の技術課題の解決に取り組みます。各クエストをクリアするごとにポイントが付与され、最も多くのポイントを獲得したチームが勝者となります。AWS GameDay は従来のワークショップとは異なり、参加者は決まりきった手順の無い自由な形式で、固定概念にとらわれずに探索し、楽しみながらAWS を学ぶことができます。詳細はこちらを参照ください。

イベント開催概要

今回の AWS GameDay は AWS Japan 金融事業統括本部が主催し、日本の金融サービスを支える金融プラットフォーマー企業 総勢 10チーム 40名にご参加頂きました。このイベントは DOJO YABURI と題した他流試合として企画され、AWS を活用した実務経験者(95%が中級者以上)や様々な AWS 資格保有者、Japan AWS Top Engineer や Japan AWS Jr. Champions といった AWS Award 受賞経験者など、豊富な経験と高い AWS スキルを持ったエンジニアの皆さんにお集まりいただき、ハイレベルなコンペティションとなりました。オープニングの各チームリーダーからの決意表明では、「絶対、負けません!必ず優勝してトロフィーを持ち帰ります!」などの熱い意気込みが語られ、各チームとも日頃鍛えたAWSスキルとチームワークを活かして一致団結し、白熱した戦いを繰り広げられていました。

参加企業一覧

図1: 参加企業一覧

今回のゲームシナリオは、「 Microservice Magic 」を採用し、マイクロサービスを運用する中での様々なトラブル (クエスト) をクリアしながら、パフォーマンスの良いサービスを安定運用させるというミッションの達成を目指します。各クエストを迅速にクリアすることでより多くのポイントが得られる一方、発生した問題を放置してしまうと見るみるポイントが減ってしまいます。また、各チームは他チームの品質の良いマイクロサービスをバックエンドに利用して、自らのサービスの品質を高めることもできます。品質の良い魅力的なマイクロサービスを提供することでより多くのユーザーを獲得することも、得点を獲得するための重要な戦略の一つとなります。

AWS GameDay オープニング

ワークショップは、架空のテクノロジースタートアップであるユニコーンレンタル社のユニコーンによるモビリティレンタルサービスが、人々の注目と支持を得てビジネスとして大成功したという紹介から始まりました。ところが、これまでシステム運用を担っていたメンバーが一斉退職してしまいます。参加者の皆様は、ユニコーンレンタル社の優秀な新入社員として入社したという設定で、限られたドキュメントを元に開発済みのマイクロサービスをデプロイするとともに、さまざまな障害に対応しながらサービスのパフォーマンスを改善し安定稼働させるというミッションに取り組んでいただくことが説明されました。
参加者の皆様は、わずかな文書しか引き継がれていないアプリケーションの稼働という困難な状況設定に戸惑いながらも、説明に真剣に耳を傾けていました。

AWS GameDay スタート!

ゲームに取り組む時間は4時間。その間に、サービスが壊れたり、パフォーマンスが悪化したり、さまざまなカオスが発生します。チームのポイントが減少し始めると、各種サービスの設定状況を確認したり、 AWS CloudTrail や Amazon CloudWatch Logs でエラーを確認したりと、日頃鍛えたスキルとチームワークを活かして障害の根本原因を探る様子がみられました。

各チームがGameDayに取り組む様子

図2: 各チームがGameDayに取り組む様子

発生する障害 (クエスト) だけでなく、各チームのポイントも刻々と変化します。最初のクエストに時間がかかったチームが後から追い上げたり、パフォーマンスの良いサービスを他チームに利用してもらうことで高得点をあげたり、最後まで接戦が繰り広げられました。参加者の皆様には、熱い眼差しと高い集中力で最後まであきらめることなく戦い抜いていただきました。

AWS GameDay 結果発表

本イベントの結果、上位3チームは以下の通りとなりました。上位入賞者の皆様、本当におめでとうございます!

第 1 位 株式会社 Finatext / スコア : 563,104 points

(田島 悟史 氏、松﨑 稔矢 氏、呉 智瀚 氏、和田 哲郎 氏)

株式会社 Finatext のみなさま

図3: 株式会社 Finatext のみなさま

第 2 位 株式会社NTT データ / スコア : 477,144 points

(松岡 雄地 氏、高田 大輔 氏、南條 綾乃 氏、須藤 敬仁 氏)

株式会社NTT データのみなさま

図4: 株式会社NTT データのみなさま

第 3 位 株式会社キャピタル・アセット・プランニング / スコア : 431,310 points

(佐々木 勝則 氏、秋山 純希 氏、趙 文来 氏、林 健太郎 氏)

株式会社キャピタル・アセット・プランニングのみなさま

図5: 株式会社キャピタル・アセット・プランニングのみなさま

白熱した戦いを終えて

今回の GameDay は次々と不可解な障害が発生するクエストだったため、問題を特定しクリアするスピードだけでなく、継続して安定稼働を続けられるかが高得点の鍵となりました。本番環境でこのような状況が起きると大変ですが、ゲーミフィケーションされた安全な環境で「事前に知らされていないイベント(障害発生等)に対して、冷静に筋道立てて事象の確認、原因分析・調査を行うための基本動作が身についているかどうかを確認できる」点が良かったという感想をいただきました。また、「入賞したことで、自信につながった!」「チームメイトの新しい一面を知ることができた」「相次ぐトラブルを解決しながら他企業と競い合うという、普段の業務では味わえない刺激があり、とても楽しかった」「優勝を逃した悔しさをばねに、更にAWSスキルを磨きたい!」など、他社対抗戦でのGameDayが刺激になり、各社更なるAWSスキルの向上に向けたコメントも多くあり、このような交流ができることも GameDay の醍醐味だと思います。

イベント後のネットワーキングでは、各企業のAWSエンジニア同士が交流し、お互いの健闘を笑顔で讃えあわれました。
改めて、AWS GameDay DOJO YABURI for 金融プラットフォーマーにご参加いただいた皆様、ありがとうございました。

イベント終了後の集合写真

図6: イベント終了後の集合写真

最後に

金融プラットフォーマーの皆様のAWSスキルの向上や交流によって、金融業界におけるデジタル変革の加速や新たな体験価値創造につながっていくと我々は信じています。今回、入賞したチーム、惜しくも入賞を逃したチームの皆様、もしくは次回参加してみたい!と思ったエンジニアの皆様、今後も GameDay の開催を予定していますので、機会を見かけましたら奮って挑戦ください。また、次回のGameDay でお会いできることを楽しみにしています!