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AWS, SAP, APNパートナーによるイノベーション: It’s still Day One
SAPのお客様から「AWSは他のクラウドプロバイダーとどこが違うのか?」とよく聞かれますが、答えられることは多くあります。長年に渡って私たちを信頼してくれている5,000を超えるSAPのお客様を挙げられます。2012年から、SAP on AWSのお客様は、SAP向けの比類のないイノベーションのペースと幅広いクラウドネイティブなサービスを利用しています。しかし、これらの差別化要因は、堅実な基盤、つまり私たちとSAPやAWS Partner Network (APN) SAPコンピテンシーパートナーとの強力なパートナーシップの成果にすぎません。AWSは、SAPと提携しているだけでなく、クラウドプロバイダーの中でも最も成熟したSAPパートナーエコシステムを構築しています。
SAPがAWSのお客様になった2008年にすべてが始まりました。これは、イノベーションを加速し、それを自社のお客様に伝えたいというSAPの要望を示す動きです。AWSの利点を目にし、SAP環境にもこれらの利点を広げたいと要求するお客様が増えるにつれて、AWSとSAPはパートナーシップを形成し、お客様がSAPシステムをクラウド上で稼働できるようソリューションを認定および設計するために協力してきました。
13年が経った今でも、SAPはAWSのお客様です。実際にSAPは、AWS上で提供される10のSAP Cloud Platformリージョンを始め、AWS上でPaaSのオファリングの大部分を稼働することにより、お客様独自の差異化システムの構築を支援できるよう、AWSを頼りにしています。SAPは、過去12か月間で、AWS上で稼働するSAP Analytics Cloud、SAP Data Warehouse Cloud、SAP HANA Cloudを提供開始しています。SAP ConcurやNS2のような他のソリューションも長年AWS上で稼働しています。
徹底的なお客様へのこだわりによって加速した13年間の共同イノベーション
2012年のSAP on AWSの最初のお客様導入に繋がった連携は、お客様のビジネスニーズへの直接の回答でした。今日でも、この同様のお客様志向が私たちの共同イノベーションを加速させています。AWSとSAPはどちらも、SAP固有のお客様の要望を理解して来たるべきプロジェクトに情報を共有できるよう、責任をもった専任チームを維持しています。この結果として、お客様のビジネスに則したあらゆるSAP戦略を支援するために必要なリソースを提供できます。
この連携のおかげで、お客様は、大規模かつ最も要求の厳しいSAPワークロードをAWS上で稼働できます。AWSでは、クラウドネイティブなインスタンスを使ったスケールアウト構成で最大48TBメモリーまでのSAP S/4HANA (OLAP)および最大100TBメモリーまでのSAP BW/4HANA (OLAP)をサポートしています。
私たちがこれらの機能を実装した速度は、お客様のフィードバックにお応えするためにパートナーシップがどれだけ早く進み、今後も進み続けるかを示しています。これだけの年月が経とうとも、AWSとSAPにとって、まだ「Day One」です。
SAP on AWSのお客様を支援し続けるため、最近2つの新しいオファリングを提供開始しました。1つ目、AWS Launch Wizard for SAPは、SAP環境のプロビジョニングと構成を簡素化します。2つ目、AWS Backint Agent for SAP HANAは、サードパーティーのバックアップツールを不要にすることで、SAP HANAデータベースのバックアップコストを削減します。
SAP戦略を実行するためのパートナーエコシステム
お客様がより早くかつ確実に望ましい成果を達成できるようにする上では、テクノロジーパートナーとコンサルティングパートナーの支援が重要な役割を果たすと認識しました。そこで、パートナーがAWS上でのSAPの実装と革新に熟練していることを確認したいと考えました。その結果、2013年にAPN SAPコンピテンシープログラムを提供開始しました。SAPコンピテンシーを取得するために、APNパートナーは、ビジネス、技術、専門的なトレーニングに合格し、AWS Well-Architectedフレームワークに関する知識を証明し、これまでのSAP on AWSのお客様の成功を実証する必要があります。お客様がSAPプロジェクトでパートナーの支援を必要とする場合、AWSは既にSAPコンピテンシーを取得しているAPNコンサルティングパートナーを紹介します。そして、お客様が基準を引き上げられるパートナー体験を確実に受けられるよう、AWSは定期的に確認しています。
5,000を超えるアクティブなお客様がSAP on AWSを稼働しており、その半数以上がSAP HANAベースのソリューションをAWS上で導入しています。AWSはまた、何千ものAPNパートナーと連携しています。これらの組織の大半は、SAPワークロードのための信頼性の高いインフラストラクチャーとしてAWSを活用していますが、お客様とパートナーがイノベーションのプラットフォームとしてもAWSを利用していることを知っています。今日、私たちにはお客様を支援する豊富なパートナーがいます。これらのパートナーは、業種業界やラインオブビジネスに特化したオファリング、デジタル変革 (SAP S/4HANAへの移行を含む)、マネージドサービス、データと分析、機械学習、その他のツールやオファリングを通じて、お客様のSAPへの投資をさらに活用していただくために、インフラストラクチャーを超えた支援をします。
パートナーが新しいお客様価値を提供するもう一つの分野が、SAP向けのAWS Migration Acceleration Program (MAP)です。今年前半に提供開始したAWS MAP for SAPでは、要件を満たしたSAPワークロードのAWS上での稼働を約束することで、お客様はコンサルティング支援、トレーニング、サービスクレジットを利用できるようになります。これらの利点により、クラウドにおけるSAPのための強力な運用基盤の実現と適用を加速できるだけでなく、移行コストに関する大部分の負担を取り除けます。
多くのパートナーがMAP for SAPプログラムに投資しており、SAPを対象としたAWSマイグレーションファクトリーを確立して、お客様の抱える移行のリスクと不確実性を軽減できる標準化されたサービスを提供しています。SAPを対象としたAWSマイグレーションファクトリーを最近設立し、MAP for SAPに参加したパートナーには、Capgemini、Cloud Comrade、Deloitte、InfraBeat、Lemongrass、Linke、LTI、Protera、Secure-24、Velocity、Wipro、Woongjin、YASH Technologiesなどがいます。
共同イノベーションはいつもお客様から開始
上記で説明してきた全ての例を通して、どれだけSAPのお客様のニーズが進化しても、価値を提供できるのはパートナーシップであることは明らかです。今後も、AWS、SAP、APN SAPコンピテンシーパートナーは、お客様のニーズに耳を傾け、それに応じてオファリングを強化していきます。
お客様が先に進むためにAWSとSAPからの支援が必要な特定のニーズやユースケースがある場合は、sap-on-aws@amazon.comまでお問い合わせください。
翻訳はPartner SA 河原が担当しました。原文はこちらです。