Amazon Web Services ブログ

週刊AWS – 2025/8/4週

みなさん、こんにちは。ソリューションアーキテクトの根本です。
今週も週刊AWSをお届けします。

アップデートの前に一つ宣伝させてください。
AWS Innovate の次回開催が決まり、登録ページが公開されています。今回は、マイグレーション&モダナイゼーションがテーマで、実践手法とそれを支えるAWSテクノロジーを学ぶことができる内容となっています。ご調整の上、ぜひご参加ください!

AWS Innovate: Migrate and Modernize
2025 年 9 月 18 日 | 13:00 – 17:20
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それでは、先週の主なアップデートについて振り返っていきましょう。

2025年8月4日週の主要なアップデート

  • 8/4(月)
    • Amazon ECR now supports 100,000 images per repository
      Amazon ECR で、1つのリポジトリあたりに保存できるイメージの上限が、従来の 20,000 個から 100,000 個に拡張されました。コンテナアプリケーションの開発が進むにつれて大量のイメージを管理する必要がある場合に、これまでのような上限緩和申請の手間が不要になります。この上限は既存のレジストリにすでに適用されており、すべての AWS 商用リージョンおよび AWS GovCloud (US) リージョンで利用可能です。ECR サービスのデフォルト上限の詳細については、ドキュメントをご確認ください。
    • Mountpoint for Amazon S3 CSI driver accelerates performance and supports SELinux
      Mountpoint for Amazon S3 CSI ドライバー v2 がリリースされました。今回大きく4つの機能追加がされました。複数の Pod 間でのデータキャッシュにより繰り返しアクセスされるデータのパフォーマンス向上、SELinux サポート、Amazon EKS Pod Identity を使用したAmazon EKS クラスター全体でのアクセスポリシーの管理方法を簡素化。最後にkubectl を使用してログにアクセスしマウント情報を取得する方法を簡素化するものです。アップグレード方法はインストールガイダンス、操作の詳細はドキュメントを各々ご確認ください。
    • Amazon SQS increases maximum message payload size to 1 MiB
      Amazon SQS で送信できるメッセージの最大サイズが従来の 256 KiB から 1 MiB に拡大されました。これまでは256 KiB以上のデータを扱う際に複数メッセージに分割したり外部ストレージに保存する必要がありましたが、今回のアップデートで この手間をかけずに直接やりとりできるデータが増えることで利用シーンが広がります。この機能リリースと併せて、SQS 向けの AWS Lambda のイベントソースマッピングも 1 MiB ペイロードをサポートされています。この機能はすべての AWS 商用リージョンおよび AWS GovCloud (US) で利用可能です。詳細はドキュメントをご確認ください。
    • Amazon CloudWatch introduces organization-wide VPC flow logs enablement
      Amazon CloudWatch で、組織全体の VPC フローログを自動的に有効化できるようになりました。これまではVPC ごとに手動で設定する必要がありましたが、CloudWatch テレメトリ設定で有効化ルールとAWS Config Service-Linked Recorderにより、ルールに合致する既存および新規のVPCで自動的に有効化できます。この機能は東京、大阪を含む17のリージョンで利用可能です。詳細はドキュメントをご確認ください。
  • 8/5(火)
    • Amazon OpenSearch Serverless now supports backup and restore
      Amazon OpenSearch Serverless がバックアップとリストア機能をサポートしました。この機能は自動的に有効化され、全てのコレクションとインデックスは自動的にバックアップおよび14日間保持されるため運用負荷を軽減できます。また、利用したい際はAPIを使用して復元できます。OpenSearch Serverless の詳細はドキュメントをご確認ください。
    • AWS announces general availability of Amazon Elastic VMware Service (Amazon EVS)
      Amazon Elastic VMware Service (Amazon EVS) が一般提供が開始されました。これにより、従来の VMware 環境をそのまま Amazon VPC 内で実行できるようになります。既存の VMware スキルを活かしながら AWS の拡張性や性能を利用でき、アプリケーションの再構築が不要になります。オンデマンド利用のほか、1年、 3 年間の利用オプションも提供されるため、利用期間と状況に応じて柔軟な選択が可能です。Amazon EVSは東京を含む 6 つのリージョンで利用可能です。詳細はドキュメントをご確認ください。
    • Anthropic’s Claude Opus 4.1 now in Amazon Bedrock
      Amazon Bedrock が Anthropic の最高知能モデル Claude Opus 4.1 を提供開始しました。従来の Opus 4 から置き換え可能で、コーディングや AI エージェント機能が大幅に向上しています。複雑な開発タスクを独立して計画・実行でき、フロントエンドコード生成やマルチステップタスクの処理精度も従来のOpus 4 から向上しています。この機能はオレゴン、バージニア北部、オハイオ リージョンでご利用可能です。
  • 8/6(水)
    • OpenAI open weight models now in Amazon Bedrock and Amazon SageMaker JumpStart
      Amazon Bedrock と Amazon SageMaker JumpStart で OpenAI のオープンウェイトモデル gpt-oss-120b と gpt-oss-20b が利用可能になりました。OpenAI オープンウェイトモデルは、コーディング、科学的分析、数学的推論タスクに優れており、両モデルとも 128K コンテキストウィンドウを備え、特定の要件に合わせて推論レベル (低/中/高) を調整することができます。Amazon Bedrock の統一された API を通じてこれらのモデルにアクセスでき、コードを書き直すことなく他のモデルとシームレスに実験や切り替えが可能です。これらのモデルはAmazon Bedrock では オレゴン リージョンで、Amazon SageMaker JumpStart では東京、ムンバイ、オハイオ、バージニア北部の各リージョンで利用可能です。詳細についてはブログも公開されているのでご確認ください。
    • Amazon OpenSearch Serverless introduces automatic semantic enrichment
      Amazon OpenSearch Serverless にセマンティック検索の実装を簡単にする、自動セマンティック強化機能が追加されました。例えば「頭痛治療」で検索すると「偏頭痛対処法」も結果に含まれるようなセマンティック検索の実装には、従来はMLの専門知識、モデルホスティング、OpenSearch 統合が必要でした。この機能はそれを簡素化し、対象フィールド指定のみでデータ取り込み中に自動処理されます。英語のみと多言語を選択でき、多言語は日本語を含む 15 言語に対応しています。東京を含む11のリージョンで利用可能です。詳細はドキュメントブログをご確認ください。
    • Amazon EC2 M7i and M7i-flex instances are now available in Asia Pacific (Osaka) Region
      Amazon EC2 の M7i と M7i-Flex インスタンスが、新たに大阪リージョンで利用可能となりました。このインスタンスはカスタムされた第4世代の Intel Xeon プロセッサー (Sapphire Rapids) が搭載されており、M7i はM6i と比較して最大 15 % 優れたコストパフォーマンスを実現します。また、M7i-Flex は、 M7i をより安価に利用出来る汎用的なインスタンスタイプです。通常 CPU 利用率は、低い時期と高い時期があるのが一般的ですが、Flex インスタンスは常時 100 % の力を発揮しなくても良いような利用方法に適したタイプです。CPU 性能の 40 % をベースラインとして常時提供し、ベースラインの 40 % を超える場合、95 % の確率で 100 % までスケールアップする仕組みを提供するものです。
  • 8/7(木)
    • Amazon Aurora Serverless v2 now offers up to 30% performance improvement
      Amazon Aurora Serverless v2 のプラットフォームバージョン 3 が公開され、最大 30 % パフォーマンスが向上しました。このプラットフォームバージョンは0から256ACU (Aurora Capacity Units) までのスケーリングに対応しています。ACU は約 2 GiB のメモリと CPU、ネットワークの組み合わせで、アプリケーションの需要に応じて自動スケールします。今回のパフォーマンス向上により、従来よりも高負荷なワークロードでも Aurora Serverless が活用できるようになりました。AWS GovCloud (US) リージョンを含むすべての AWS リージョンで利用可能で、既存のクラスターもクラスターの再起動もしくはBlue/Green Deployments を使用したアップグレードが可能です。できます。詳細はドキュメントをご確認ください。
    • Amazon OpenSearch Serverless adds support for Hybrid Search, AI connectors, and automations
      Amazon OpenSearch Serverless が Neural Search、Hybrid Search、AIコネクター などの新機能をサポートしました。Neural Search では画像やテキストを使ったセマンティック検索、Hybrid Search は複数の検索手法を組み合わせての検索精度を向上を実現する機能です。また、Workflow API はモデル、コネクタ、パイプラインなどの OpenSearch AI リソースをテンプレートにパッケージ化して、Neural Search などの AI 機能を有効にするために必要な設定を自動化します。これらによりRAG (検索拡張生成) のような AI アプリケーションの構築がより手軽になります。この機能は東京を含む11のリージョンで利用可能です。詳細はドキュメントをご確認ください。
    • Amazon EKS adds safety control to prevent accidental cluster deletion
      Amazon EKS で削除保護をする機能が追加されました。これまで EKS クラスターの誤削除を防ぐ仕組みはありませんでしたが、今回のアップデートにより 2 段階の確認プロセスでクラスターを削除保護が可能です。具体的には、AWS コンソールや CLI から削除操作をした際、一時的に削除がブロックされ、明示的に保護を無効化してからでないと削除できないようになります。これにより複数メンバーでクラスターを管理する開発チームや、自動化スクリプトによる誤操作が心配な本番環境での運用がより安全になります。この機能は、すべての商用 AWS リージョンおよび AWS GovCloud (US) リージョンで利用できます。詳細はドキュメントをご確認ください。
    • AWS Lambda now supports GitHub Actions to simplify function deployment
      AWS Lambda が GitHub Actions との統合をサポートし、サーバーレスアプリケーションのデプロイが大幅に簡単になりました。従来は Lambda 関数をデプロイするためには AWS CLI コマンドやカスタムスクリプトを書く必要があり、コードのパッケージング、IAM 権限設定、エラーハンドリングを手動で行う必要がありました。今回のアップデートにより GitHub Action を介して、GitHub リポジトリにコードをプッシュするだけで Lambda 関数が自動デプロイされ、CI/CD パイプラインを大幅に簡素化することができます。この機能は zip ファイルとコンテナイメージ両方のデプロイに対応し、OIDC 認証を使用して IAM とシームレスに統合されます。詳細はLambda デベロッパーガイドと「Deploy Lambda Function」GitHub アクションのREADMEをご確認ください。
  • 8/8(金)
    • Amazon SageMaker レイクハウスアーキテクチャが Apache Iceberg テーブルの最適化設定を自動化
      Amazon SageMaker lakehouse アーキテクチャで Apache Iceberg テーブルの最適化設定が自動化されました。従来は各テーブルごとに個別設定が必要でしたが、今回のアップデートによりカタログレベルの設定により Amazon S3 に保存された Apache Iceberg テーブルの最適化を自動化し、メタデータのオーバーヘッドを削減してクエリパフォーマンスを向上させます。この機能を有効にすると、新しいテーブルまたは更新されたテーブルに対して、小さなファイルの圧縮、スナップショットの削除、不要になった参照されていないファイルの削除等が継続的に最適化され、ストレージコストの制御とクエリの高速化を実現します。東京を含む15のリージョンで利用可能です。詳細はブログドキュメントをご確認ください。
    • Amazon ECS コンソールが Amazon CloudWatch Logs Live Tail による リアルタイム ログ解析をサポート
      Amazon ECS コンソールで Amazon CloudWatch Logs Live Tail が利用可能になりました。これまでコンテナのログをリアルタイムで確認するには CloudWatch コンソールに移動する必要がありました。今回のアップデートにより ECS コンソール内で直接ログ監視が可能になります。これによりアプリケーションのトラブルシューティングやデプロイメント失敗の調査時に、コンソールを切り替えることなく効率的に作業できるようになります。詳細はドキュメントをご確認ください。
    • Amazon Connect がリアルタイムキュー内位置取得 API を開始
      Amazon Connect で、リアルタイムキュー内位置を返す新しい API が使えるようになりました。従来は顧客がどの位置で待っているかを正確に把握できませんでしたが、この API により待ち時間をより正確に推定し、プライマリキューと代替キュー間で情報に基づいたルーティング決定できるほか、長い待ち時間が予想される場合にコールバックなどの代替案を積極的に提案できるようになります。また、これにより顧客満足度向上と離脱率削減を同時に実現できます。

それでは、また来週!

ソリューションアーキテクト 根本 裕規

著者について

Yuki Nemoto

根本 裕規(Yuki Nemoto)

AWS Japan のソリューションアーキテクトとして、金融機関のお客様の AWS 活用や個別案件の技術支援を担当しています。過去には公共部門やモダナイゼーションのスペシャリストもしていました。好きなサービスは AWS CodeBuild です。週末はオフロードバイクのレースをしています!