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Analytics Lens を使った AWS Well-Architected 環境の構築

AWS でのモダンデータプラットフォームの構築は、あらゆるタイプのデータを収集し、セキュアな中央リポジトリに保存して、専用ツールを使って分析することを可能にします。しかし、開始方法や特定の設計判断の影響に不安が残っているかもしれません。特定のテクノロジーおよびアプリケーション分野に適した助言を提供するニーズに対応するため、AWS は Well-Architected Lenses 2017 という概念を追加しました。AWS は本日、AWS Well-Architected フレームワークのための Analytics Lens を発表します。この記事は、Analytics Lens の目的を紹介し、対象となるトピック、一般的なシナリオ、および含まれるサービスについて説明します。

新しい Analytics Lens は、お客様の分析アプリケーションが AWS のベストプラクティスに従って設計されていることを確実にするための包括的なガイドラインを提供します。その目的は、以下の 5 つの柱に基づいてクラウドアーキテクチャを設計し、評価するための一貫的な方法を提供することです。

  • 運用上の優秀性
  • セキュリティ
  • 信頼性
  • パフォーマンス効率
  • コスト最適化

このツールは、潜在的なリスクを特定し、改善のための提案を行うことによって、AWS でデプロイされた分析ワークロードを評価する上で役立ちます。

一般的な要件に対応するための Analytics Lens の使用

Analytics Lens は、分析アプリケーションの中核を成すデータアーキテクチャと、アプリケーション動作そのものの両方をモデル化します。これらのモデルは、AWS にデプロイされた分析ワークロードの大部分が含まれる以下の 6 つの領域に分類されます。

  1. データの取り込み
  2. セキュリティとガバナンス
  3. カタログ化と検索
  4. 中央ストレージ
  5. 処理と分析
  6. ユーザーアクセス

以下の図は、これらの領域と、それらに関連する AWS のサービスを示したものです。

Analytics Lens が適用される一般的なシナリオは多数存在し、以下のようなものがあります。

  • データおよび分析イニシアティブの基盤としてのデータレイクの構築
  • 効率的な大規模バッチデータ処理
  • ストリーミングインジェストとリアルタイムのイベント処理のためのプラットフォームの構築
  • ビッグデータの処理とストリーミングへの対応
  • データの準備オペレーション

どのシナリオがお客様のニーズに適合するかを問わず、AWS Well-Architected フレームワークでの Analytics Lens の原則に従った構築は、成功を収めるためのベストプラクティスの実装に役立ちます。

Analytics Lens は、AWS 分析ポートフォリオのコアサービスをいつ、どのように使用するのかを説明します。これには、Amazon KinesisAmazon RedshiftAmazon EMRAmazon AthenaAWS Glue、および AWS Lake Formation が含まれます。また、Amazon Simple Storage Service (Amazon S3) をデータレイクのストレージとして機能させる方法、および関連する AWS のセキュリティサービスと統合する方法も説明します。リファレンスアーキテクチャ、ベストプラクティスの助言、および一般的な質問に対する回答により、Analytics Lens は適切な設計判断を行う支援を提供できます。

まとめ

既存のアーキテクチャに「レンズ」を適用することにより、設計の安定性と効率性を検証する (または識別されたギャップに対処するための推奨事項を提供する) ことができます。AWS は、生きたツールとしての Analytics Lens に全力を傾けており、分析ランドスケープが進化し、新たな AWS のサービスが生まれると同時に、Analytics Lens も適切に更新して行きます。私たちの使命はこれからも常に、お客様が優れた設計のアプリケーションを設計し、デプロイできるように支援することです。

Analytics Lens を使った独自の Well-Architected 環境の構築に関する詳細については、Analytics Lens ホワイトペーパーを参照してください。

このリソースの構築に貢献してくださった Radhika Ravirala、Laith Al-Saadoon、Wallace Printz、Ujjwal Ratan、および Neil Mukerje、ならびにレビューと実装に力を貸して下さった大勢の方々に心から感謝します。

このツールについて、答えが知りたいご質問がおありですか? コメント欄から、皆さんのご意見とご質問をお寄せください。

 


著者について

Nikki Rouda は、アマゾン ウェブ サービスでデータレイクとビッグデータのプリンシパルプロダクトマーケティングマネージャーを務めています。40 か国を超える国々の企業が分析および IT インフラストラクチャの課題に対するソリューションを開発して実装するための支援に 20 年以上の年月を費やしてきた Nikki は、ケンブリッジ大学から MBA を取得し、ブラウン大学から地球物理学と数学の理学士号を取得しています。

 

 

Radhika Ravirala はアマゾン ウェブ サービスのスペシャリストソリューションアーキテクトで、お客様が AWS プラットフォームで分散型ビッグデータアプリケーションを作成するお手伝いをしています。クラウドジャーニーを始めるまでは、シリコンバレーのテクノロジー企業でソフトウェアエンジニア兼デザイナーとして働いていました。