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学生たちが8週間で築いた確かな成長──大学生プログラミングコミュニティ 「POSSE」2026年チーム開発決勝レポート

大学生向けのプログラミング学習コミュニティ「POSSE」では、実践的な開発スキルやチームワークの向上を目指して、独自のカリキュラムを提供しています。
その中でもチーム開発は、個人の学習では得られない「チームでものをつくる力」を試される実践プログラムとなっており、約2 カ月間、企業から提示されたリアルな課題のもとで、プロダクト開発に取り組み、その成果を発表します。
2年生・3年生にとって学びの集大成となる取り組みで、要件定義から設計・開発・発表までを一貫して経験します。上級生となる4年生は後輩たちの取り組みに対して相談に乗り、サポートしています。
この記事では、2026年4月12日に開催された決勝戦の模様をお届けします。
POSSEとは
「POSSE」は、株式会社アンチパターンが運営する大学生向けプログラミング学習コミュニティです。関東圏の大学生約 180 名が所属し、学生同士が教え合うコミュニティ形式で学んでいます。
独自カリキュラムによる学習に加え、ハッカソンやチーム開発といった実践的な開発機会を通じて、技術力とチームワークの両方を磨いています。AWS もこの活動を支援しています。
【参考記事】
大学の 4 年間で、即戦力レベルのデジタル人材に。AWS も支援する”人が育つ”コミュニティ「POSSE」
要件定義・開発・チームワーク──学生たちの挑戦が実を結ぶ! 大学生向けプログラミング学習コミュニティ「POSSE」決勝レポート
開会式

今年もPOSSEチーム開発決勝戦の日がやってきました。2026年4月12日、目黒セントラルスクエアにはPOSSE関係者、新入生候補者、企業審査員など約100名を超える来場者が集まり、昨年を上回る規模での開催となりました。
運営メンバーによる開会の挨拶で幕を開けると、会場は一気に熱を帯びました。今年はPOSSE入会予定の新入生も発表を見に来ており、コミュニティとしての成長を感じさせるイベントとなりました。
会場には、POSSEを卒業された社会人メンバーの姿もあり、後輩たちの発表を見届けようという温かいまなざしが印象的でした。かつて同じ舞台に立った先輩たちが、今度は見守る側として後輩を支えている。そんな光景に、POSSEが大切にしてきたつながりを感じました。
チーム開発発表
運営メンバーによる概要紹介が始まりました。チーム開発概要の説明に先立ち、POSSEというコミュニティが何を目指し、チーム開発がその中でどのような役割を果たしているのかが語られました。POSSEが見据える未来と、そこに向かうためにチーム開発が果たす役割について語られる場面があり、これから始まる発表の意義を改めて感じさせる導入となりました。
チーム開発は、2年生が挑む「初級プログラム」と3年生が挑む「中級プログラム」の 2 部門で構成されています。今年のチーム開発には初級 16 チーム、中級 6 チーム、合わせて 22 チームがエントリーしました。約 8 週間にわたり、テーマ提供企業へのヒアリングを起点に要件定義や設計、開発、そして発表までをチームで走り抜けるプログラムとなっていました。前日(2026年4月11日)の予選で全チームが成果を披露し、審査を経て初級 4 チーム・中級 4 チームが決勝へ駒を進めました。
チーム開発の序盤は、要件定義期間からスタートします。テーマ提供企業へのヒアリングをもとに、誰のどんな課題を解決するのか、本当に必要な機能は何かをチーム内で徹底的に議論します。方向性が固まってから設計・実装に入り、途中のヒアリングで得たフィードバックをもとに軌道修正を重ねながら、動くプロダクトとして仕上げていきます。
今回の初級プログラムのテーマは、主催の株式会社アンチパターン代表・小笹氏が独自に設計した「企業向けオフィス利用可視化ソフトウェア」。ハイブリッドワークが当たり前になった今、自社のオフィスは適正な広さなのかという経営課題に対して、データで意思決定を支援するプロダクトの開発に学生たちは挑みました。開発期間中には計 2 回の要件ヒアリングが設けられ、単に動くものをつくるだけでなく、なぜそれが必要なのかを問い続ける姿勢が求められました。
中級プログラムのテーマは、株式会社リンクアンドモチベーションが提供した「チームの生産性とモチベーションを高めるプロダクト」。
プロジェクトの停滞やメンバーのコンディション低下といった、組織マネジメントの現場で実際に起きている課題に正面から向き合いました。開発期間を通じて計 4 回の要件ヒアリングが行われ、プロダクトの実現可能性や提供価値について踏み込んだ対話を重ねました。

閉会式(結果発表)
全チームの発表が終わり、会場に緊張感が漂うなか、結果発表の時間を迎えました。
「OOPARTS」チーム
初級最優秀賞に輝いたのは「OOPARTS」チームでした。ハイブリッドワーク時代のオフィス最適化をテーマに、オフィス利用データの可視化と分析で経営判断をサポートするプロダクトを提案しました。受賞を受けてメンバーは、家族や友人をはじめ多くの人の支えに感謝を伝えた上で、「最後まで走り切れたのは自分たちだけの力ではない。この経験を通じて大きく成長できたと実感しています」と笑顔で振り返りました。
「marni」チーム
中級最優秀賞に選ばれたのは「marni」チームでした。チームの生産性やメンバーのモチベーションを見える化し、マネージャーが役割の再設計やメンバー間の相互理解を促しながらチーム力を底上げできるプロダクトを提案しました。
受賞を受けてメンバーは「チームのメンバーや周囲の方々に感謝したい」と穏やかに語りました。しかし、その言葉の裏には、昨年の予選で敗退し、悔しさを日記に書き殴った経験を持つメンバーもいました。「あの日があったから、今ここに立てている。諦めなければ来年は決勝に立てる」と、最後に後輩たちへ向けて力強いメッセージを送りました。
講評では、審査員・ゲストそれぞれの立場から温かいメッセージが贈られました。審査基準については「お客様に自信を持って提案できるかどうかで選んだ」と明かされ、ビジネスの現場に直結する視点で評価が行われたことが窺えます。また、「学びが大きいのは、むしろ負けたチームではないか。この経験を記録し、振り返ることで必ず次に活きる」と、結果に関わらず全チームの挑戦に敬意を表する言葉が印象的でした。加えて、「プレゼンテーションの水準が高く、実務の場でも通用するレベルにある」といった評価も寄せられ、学生たちの取り組みに対する期待の大きさが伝わる講評となりました。
AWS 相澤恵奏氏
POSSEの活動を支援する AWS からは、相澤恵奏氏が総評を行いました。「努力は熱中に勝てない」という言葉とともに、悔しさを感じられること自体が熱中の証であると述べ、その情熱を今後も大切にしてほしいとメッセージを贈りました。
基調講演
衆議院議員 平井卓也氏
イベント終盤には、初代デジタル大臣を務めた衆議院議員 平井卓也氏が基調講演に登壇しました。
講演では、インターネットの普及からクラウドコンピューティングの台頭、そして AI の急速な進展に至るまでの技術変遷を概観した上で、AI 時代に求められる姿勢について語られました。平井氏は、AI が既存の業務を担う時代において人間に求められるのは、責任ある意思決定と感性に基づく価値創造であると述べました。
学生たちに対しては、テクノロジーの主導権を自らの手に持ち続けること、すなわち道具としての AI を主体的に活用しながら、自分自身の価値を磨いていく姿勢が重要であると語りかけました。また、変化の激しい時代だからこそ、その変化を楽しんでほしいと前向きなメッセージを贈りました。
さらに、当日の学生たちの発表についても言及し、技術力だけでなく課題解決のアプローチやプレゼンテーションの質を高く評価されました。POSSE の活動については、ともに学び合う中で生まれる深いつながりに価値があると述べ、温かい言葉で講演を締めくくりました。
最後に
今年の決勝戦を振り返ると、印象に残るのは結果そのものよりも、各チームの発表から伝わってくる 8 週間の密度でした。プレゼンテーションの完成度や質疑応答での受け答え、そしてチームワークを語る時の実感のこもった言葉、どれも 8 週間を全力で走り抜けてきたチームにしか出せないものだと感じました。
POSSEで過ごした時間は、社会に出てからもふとした瞬間に立ち返る原点になると思います。あの時チームで悩み抜いた経験、本音でぶつかり合った記憶、そして最後にやり切った達成感、それらは年月が経つほど、自分を支える土台になっていくはずです。
今回の決勝に立った学生たちも、惜しくも届かなかった学生たちも、この 8 週間で得たものをぜひ大切にしてほしいと思います。学生たちのこれからに、大いに期待しています!
【関連リンク】
大学生向けプログラミング学習コミュニティ「POSSE」 公式サイト
株式会社アンチパターン コーポレートサイト
著者情報

影嶋亮太朗(Kageshima Ryotaro)
AWS Cloud Support Engineerとして、AWSサービスを活用したアーキテクチャ設計のお問い合わせや障害対応などに日々取り組んでおり、お客様の技術的課題解決に努めております。スタートアップの支援や次世代デジタル人材の育成とAI領域に興味があり、活動しております。

森 瞭輔(Mori Ryosuke)
ソリューションアーキテクトとして幅広いお客様の AWS 導入支援を担当しています。好きな AWS サービスは Amazon Connect で、業界問わずコンタクトセンター関連の技術支援も行っています。先日念願だったフルマラソン完走を達成することができました。