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Amazon CloudSearch から Amazon OpenSearch Service への移行

慎重に検討を重ねた結果、2024 年 7 月 25 日をもちまして、Amazon CloudSearch について、新規のお客様向けのアクセスを閉じることを決定いたしました。Amazon CloudSearch を既にお使いのお客様は、これまで通りサービスをご利用いただくことが可能です。AWS は Amazon CloudSearch のセキュリティ、可用性、パフォーマンスの改善に引き続き投資を行ってまいりますが、新機能の導入は予定しておりません。

AWS では、常に顧客の変化するニーズに応えるためにサービスを革新し進化させています。この記事では、Amazon CloudSearchAmazon OpenSearch Service の違いを理解し、OpenSearch Service への移行方法を説明します。

Amazon CloudSearch と Amazon OpenSearch Service の比較

CloudSearch は、ウェブサイトやアプリケーション向けの検索ソリューションを簡単に設定、管理、スケーリングできるクラウドの完全マネージドサービスです。CloudSearch を使用すると、ウェブページ、ドキュメントファイル、フォーラム投稿、製品情報などの大規模なデータコレクションを検索できます。検索の専門家になったり、ハードウェアのプロビジョニング、セットアップ、メンテナンスを心配したりすることなく、検索機能を迅速に追加できます。データ量やトラフィックが変動しても、CloudSearch はニーズに応じてスケーリングします。CloudSearch は内部的にカスタマイズされた Apache Solr バージョンを使用しており、全文検索、ブーリアン検索、プレフィックス検索、タームブースティング、ファセット、ヒットハイライト、オートコンプリート候補などの機能をサポートしています。

OpenSearch Service は、ポピュラーなオープンソース検索・分析エンジンである OpenSearch のデプロイ、運用、スケーリングをシームレスに行えるマネージドサービスです。OpenSearch はベストな検索機能を提供し、CloudSearch のすべての検索機能に加えて、ベクトル埋め込みのセマンティック検索をサポートするベクトルエンジン、密ベクトルと疎ベクトルの両方のサポートを提供します。さらに、OpenSearch Service では、きめ細かなアクセス制御による高度なセキュリティ、オブザーバビリティとセキュリティのためのログデータの保存と分析、ダッシュボードとアラート機能が利用できます。CloudSearch のすべての機能とそれ以上のものが得られます。

OpenSearch Serverless では、改良された、すぐに使える、ハンズフリーの運用が可能です。CloudSearch と同様に、OpenSearch Serverless では REST エンドポイントを通じて OpenSearch をデプロイして使用できます。ドキュメントを OpenSearch Serverless に送信すると、OpenSearch REST API を使用して検索用にインデックスが作成されます。コストと遅延の最適化のためにインフラストラクチャをより深く制御したい場合は、OpenSearch Service のマネージドクラスターデプロイメントオプションを選択できます。マネージドクラスターでは、使用したいインスタンス、インデックス作成とデータシャーディング戦略などをきめ細かく制御できます。OpenSearch Service は、オープンソースの柔軟性と拡張性をもたらし、強力なクエリと分析機能を提供し、成長するワークロードに対してコスト効率の良いスケーラビリティを実現し、高可用性と耐久性を備えています。OpenSearch Service の機能と利点の詳細については、Amazon OpenSearch Service をご覧ください。

OpenSearch Service への移行

CloudSearch から OpenSearch Service に移行する際は、データを OpenSearch Service に再取り込みしてインデックスを作成する必要があります。OpenSearch Service は REST API を使用するため、ドキュメントのインデックス作成には多数の方法があります。curl のような標準クライアントや、HTTP リクエストを送信できるプログラミング言語を使用できます。さらに、プロセスを簡素化するために、OpenSearch Service には多くのプログラミング言語用のクライアントがあります。データの取り込みには Amazon OpenSearch Ingestion の使用をお勧めします。OpenSearch Ingestion は、OpenSearch Service ドメインまたは OpenSearch Serverless コレクションにデータをルーティングできる、OpenSearch Service 向けに構築された完全マネージドのデータコレクターです。OpenSearch Ingestion は、Amazon Simple Storage Service (Amazon S3) バケットや HTTP エンドポイントなど、さまざまなソースからデータを取り込むことができ、最も複雑なデータ変換ニーズに対応する豊富な組み込みプロセッサーのエコシステムを持っています。OpenSearch Ingestion はサーバーレスな性質を持ち、最も要求の厳しいワークロードの要件を満たすために自動的にスケールし、複雑なデータパイプラインの管理の複雑さを抽象化しながら、ビジネスロジックに集中できるようサポートします。OpenSearch Ingestion を使用して OpenSearch Serverless コレクションまたはマネージドクラスターにドキュメントを取り込む方法の詳細については、Amazon OpenSearch Ingestion の使用開始 をご覧ください。OpenSearch Ingestion を使用して OpenSearch Service にデータを取り込む詳細情報については、Amazon OpenSearch Ingestion を参照してください。

まとめ

AWS は引き続き CloudSearch をサポートしており、セキュリティと可用性の改善に投資しています。しかしながら、OpenSearch の進歩による最新の検索機能を利用し、機械学習時代にユーザーが期待する急速な検索体験の進化に対応するためには、OpenSearch Service の検討をお勧めします。


About the Authors

Arvind Mahesh は、Amazon Web Services の Amazon OpenSearch Service の Senior Manager-Product です。Analytics、Search、Cloud、Network Security、Telecom など、さまざまな分野で約 20 年の技術経験を持っています。

Jon Handler は、カリフォルニア州パロアルトを拠点とする Amazon Web Services の Senior Principal Solutions Architect です。Jon は OpenSearch と Amazon OpenSearch Service と密接に連携し、AWS クラウドに検索およびログ分析ワークロードを移行したいと考えている幅広い顧客にヘルプとガイダンスを提供しています。AWS に入社する前は、ソフトウェア開発者としてのキャリアで 4 年間、大規模な e コマース検索エンジンのコーディングに携わりました。Jon はペンシルベニア大学で文学士号を、ノースウェスタン大学でコンピューターサイエンスと人工知能の理学修士号と博士号を取得しています。


本投稿はソリューションアーキテクトの榎本が翻訳いたしました。原文はこちらです。