AWS Startup ブログ

primeNumber CEO 田邊雄樹が語る、経営とエンジニアリングファーストの10年。

株式会社primeNumber 代表取締役 CEO 田邊 雄樹 氏

株式会社primeNumber 代表取締役 CEO 田邊 雄樹 氏

「あらゆるデータを、ビジネスの力に変える。」をビジョンに掲げ、クラウドETL「TROCCO」や AIデータプラットフォーム「COMETA」といったプロダクトサービスと、データとAIの専門家集団によるプロフェッショナルサービスをハイブリッドで提供する株式会社primeNumber。2015 年の創業以来、エンジニアの集まりから出発し、データテクノロジー領域で着実に成長を続けてきました。

AWS Startup ブログでは、スタートアップ CEO のリアルな声をお届けする新シリーズをスタートします。記念すべき第 1 回は、primeNumber 社 CEO の田邊雄樹氏にご登場いただきました。アマゾン ウェブ サービス ジャパン合同会社 スタートアップ事業本部 シニアアカウントマネージャーの坂井と桑原がインタビューしました。

インタビューの様子

エンジニアの「得意」を紡ぎ合わせて生まれた会社

坂井:田邊さん、本日はよろしくお願いします。早速ですが、御社はそもそもどういう経緯で立ち上がったのですか?

田邊:弊社はエンジニアが少しずつ集まって成長してきた会社です。ソフトウェアに関係する仕事は受けようと思えば何でも受けられる気持ちでしたが、それではバリューを出しづらい。自分たちが得意なことの集合を強みにしていこうと、集まってきたエンジニアたちの得意なことを紡ぎ合わせる形で、ビッグデータ、データテクノロジー、データエンジニアリングと事業テーマが収斂していきました。

設立の経緯から、バリューの根底には「エンジニアリングファースト」という考え方があります。エンジニアファーストではなく、エンジニアリングファースト。価値創出できる人たちが適切に評価されて、社内外からリスペクトされて、輝ける組織でありたいと考えています。

ガレージオフィスから目黒へ ── 成長の軌跡

桑原:「エンジニアリングファースト」、良い言葉ですね。ちなみに、創業当初はどんな環境からスタートされたのですか?最初のオフィスなど気になります。

田邊:最初はほぼ客先常駐だったのでオフィスにいる必要はなかったのですが、会社に所属して15年くらいやってきた人間ですから、帰る場所は欲しいなと考えたんです。それで、たまたま見つけた中目黒の本当に絵に描いたようなガレージオフィスを相場の3分の1か4分の1で借りて。そこが始まりですね。

坂井:ガレージオフィス!まさにスタートアップの原点という感じですね。そこから今の目黒に移られたのはいつ頃だったのですか?

田邊:2020年4月、コロナ禍の真っ只中のタイミングです。中目黒のオーナーが替わって「こんな安い賃料で借りているの?」と言われまして(笑)。人も増えていたので別のオフィスを探すことになり、目黒に移りました。ですが、直後にコロナが本格化して、ほぼみんなフルリモート勤務に。家庭の事情等から「家で仕事ができません」という人もいたので、そうしたメンバーのためにオフィスを開けていました。そこから事業が伸びて、従業員は今120名くらいです。

「データの会社」が AI 時代のメインストリームに

桑原:120名、すごい成長ですね。primeNumber様とは長くお付き合いさせていただいていますが、特にここ数年、御社を取り巻く環境はかなり変わったのではないでしょうか?肌感覚としていかがですか?

田邊:まさにそのとおりです。以前は「大事だけれど、ニッチな領域をやっています」という話をしていたのですが、この2年で様変わりしました。AIですよね。データとAIは同時利用が前提の不可分な存在だと思っています。AIのアウトカムはモデルの優劣だけではなくデータの精度によって決まるという認識が広く共有されるようになっていますし、内閣府の成長戦略会議のテーマでも我々の領域がフォーカスされている。今やメインストリームになったとも言えます。

坂井:これは追い風であると同時に、プレッシャーも相当大きいのではないでしょうか?

田邊:市場や潜在的な顧客からの期待値が上がっている実感はあります。顧客とダイレクトに会話することの多い営業やカスタマーサクセス、プロフェッショナルサービスのメンバーはより切実に感じているのではないでしょうか。今、社員の前で話しているのは「一段、成熟度を引き上げなければいけない」ということ。顧客や市場からの期待は更に大きくなり、自分たちがこれまでやってきたスピードより早くもなっている。じゃあ置いていかれるのか、いや違うでしょうと。一緒に乗り越えていきたいと思っています。

AWS とのパートナーシップ ── GTM の伴走から、想像を超えた「機会」の提供まで

坂井:「一緒に乗り越える」という意味では、まさにAWSとのパートナーシップもその一つかと思うのですが、実際にお付き合いが始まる前と後で、AWSに対するイメージは変わりましたか?

田邊:もともとはAWS ユーザーとしての立場からスタートしまして、特別な先入観も無かったです。パートナーシップのきっかけは、AWSの基盤にデータを統合したいというお客様をご紹介いただくという話だったと思います。そうしてパートナーとして活動していく中で、私がAWSの価値として認識したのは大きく3つあります。

まず1つ目は、一緒にGTM(Go To Market)を伴走していただけるパートナーだということ。どういうメッセージングをしていけばいいか、どういうセグメントに向き合っていくのか、一緒に考え、BizDevをしてくださるという印象を持つようになりました。

2つ目は、エグゼクティブ向けのクローズドなイベントやコミュニティの提供です。情報交換の機会や、AWSがグローバルで見てきたエッセンスを提供いただける。一般的にこうした機能はVCが担う印象がありますが、AWSはテクノロジーパートナーとして、VCとは異なる立場や視点から知見を提供してくださるので、私自身の成長にもつながっています。

3つ目は、大手企業との接点を機会として提供いただけること。これはまったく想像していませんでした。エグゼクティブ向けのゴルフイベントなどに参加させていただいて、普段お会いできないような大手企業の方とコミュニケーションを取らせていただき、個別に訪問させていただいた方もいます。

桑原:GTM、コミュニティ、大手企業との接点と、技術面だけではない広がりがあるのですね。これから起業を考えている方や、まさに成長フェーズ真っ只中のスタートアップ経営者の方もこちらのブログを読んでくださると思うのですが、そういった方々に向けてメッセージはありますか?

田邊:クラウドベンダーとの付き合いというと、エンジニアリングチームのための深い技術的な関係を想像される方が多いと思います。そこにとどまらない方がいいですよ、というのが同じCEOの方々へのメッセージですね。GTMの文脈でも連携いただける可能性がありますし、マーケティングも一緒に知恵を絞っていただける。その気があれば、エグゼクティブレイヤーへの入り口もある。問いかければ返ってくるものがあるかもしれません、と。

実はAWSのCEOであるアンディ・ジャシーさんが日本にいらした時にお話しする機会があったのですが、AWS自身がスタートアップだったという話から、スタートアップとの関係性がAWSのすべてなのだと。それを体現されているなと感じました。

データ × AI の未来 ── Generative Data Management

坂井:田邊さんのお話を聞いていると、この10年の積み重ねがまさに今花開いている感じがしますね。ここからの3〜5年、primeNumber様はどこに向かっていくのでしょうか?

田邊:会社のミッションである「あらゆるデータを、ビジネスの力に変える」に尽きます。データとAIを駆使した新たな経営手法として発表したGenerative Data Management(GDM / 自律的なデータ収集・運用・改善を通して、データ基盤を企業の成長エンジンへと進化させる経営手法)に、すべての事業が繋がっていきます。データとAIの同時利用が前提になった世界でお客様のニーズに応えていくため、事例作りやGDMという経営手法の啓蒙を、ぜひAWSと一緒に進めさせていただきたいです。物売りではなく、顧客に価値を返していく中での理想的な構造やメソドロジーを一緒に届けていけたらと思っています。

「データ × AI のど真ん中に立ちたい」エンジニアへ

桑原:Generative Data Management、壮大なビジョンですね。それを実現していくには仲間も大事だと思うのですが、一緒に働きたいのはどんな方ですか?

田邊:データ×AIのダイナミズムを楽しみたいと思っている方、日本発のプレイヤーとしてこのダイナミズムのど真ん中で事業を造り上げたいと思う方、いまや国策の一つになろうとしているこのテーマに挑みたいと思う方。こういった方々です。半導体やヘルスケアなど他にもテーマはたくさんありますが、そのうちの一つであるデータ×AIに触れたい方にぜひ来ていただきたいです。

CEO の素顔 ── 食とお酒、そしてゴルフ

坂井:ありがとうございます。さて、ここからは少し雰囲気を変えて、田邊さんご自身のことを聞かせてください。お休みの日は何をされているのですか?

田邊:ゴルフも好きですけど、一番好きなのは食事とお酒ですね。外で美味しいところを探すのも好きですが、自分で作るのも好きで。美味しい食材を扱っている店をいくつも控えてあるんです。肉ならこっち、魚ならここ、と。「あれ食べたいな」と思ったら、じゃあ今日はあそこに行って買ってこようかと。

坂井:ご自分で作られるのですね!ちなみにお酒は何がお好きですか?

田邊:ご飯とお酒はデータとAIのように不可分なので(笑)。和食であれば日本酒が大好きです。昔はワインが好きだったのですが、年を重ねるにつれてどんどん和食に傾倒していく中で、日本酒一辺倒になっています。行きつけの酒屋がいくつかあって、契約酒屋でしか手に入らない銘柄もあるので、今では酒蔵のブログを見てリリース情報が出たら1〜2週間以内に買いに行くほどになりました。

坂井:リリース情報をチェックして買いに行くのは、もはやプロですね!今一番好きな銘柄はありますか?

田邊:青森の「田酒(でんしゅ)」ですね。メジャーですけど、田酒一つとっても酒米ごとにさまざまな商品があるんです。是非お試しください。

桑原:田邊さんのお酒愛が伝わってきます(笑)。社員の方と飲む機会も多いのですか?

田邊:月一で行われる全社の飲み会には毎度顔を出しています。オフィスにあるバーカウンターの下には大きなストッカーが2つあってビールやら酎ハイやらがぎっしり入っています。日本酒好きな人も多くて、お酒が好きな人って自分が好きな酒を飲んでほしいから持ってくるんですよね。

桑原:それ、すごくいい文化ですね。実は私、primeNumber様を5〜6年担当させていただいていますけど、社員の方が辞めないなという印象があるんです。歴代のAWS担当の方もみなさん在籍されていて、むしろ出世されている。その秘訣は何なのでしょう?

田邊:必ずしもそうとは言えないでしょうが、社員同士のコミュニケーションが活発なところはいい循環を生んでいると思います。お酒を飲まない人もいますが、カードゲームやボードゲームをしたり、スキーやスノボーに行ったり、従業員同士でよく遊んでいます。このオフィスのスペースでAWSさんとキックボクシングのイベントをやったこともありますよね。

桑原:あれは衝撃でした(笑)。私と所属が全然違う弊社チームが御社の方と仲良くなって企画されていて、会社の垣根を超えたコミュニティが自然にできているのがすごいなと。

坂井:最後にもう一つだけ。ゴルフもお好きとのことでしたが、目標スコアはあるのですか?

田邊:アベレージ80台が目標ですね。最近ずっと90〜95くらいをうろうろしているので、まずはそこを安定させたい。ベストはタイミングが合えば出るのですが、どこに行っても85前後で回れるようになりたいです。得意クラブは54度のウェッジで、ショートゲームが得意ですね。ペースは2か月で3回くらいです。もっとやりたいですけどね。

坂井:90台前半はすごいですよ!ぜひ今度、ゴルフコンペで対抗戦やりましょう。

田邊:うちも年一でコンペをやっているくらいですから、声をかけたら8人くらいすぐ集まると思いますよ。ぜひご一緒しましょう。

坂井:楽しみにしています!本日はお忙しい中、たくさんの貴重なお話をありがとうございました。

今回訪問させていただいたメンバーとの記念写真

今回訪問させていただいたメンバーとの記念写真