技術用語を比喩から学ぼう ! - 第 1 回「疎結合」

2020-03-09
How to be a Developer

Author : 吉田 慶章 

builders.flash 読者の皆さん ! こんにちは ! テクニカルトレーナーの吉田慶章です。

builders.flash には様々なカテゴリがありますが、本記事は「How to be a Developer」というカテゴリーに所属しています。エンジニアを目指している方やインフラエンジニアからアプリケーションエンジニアにロールチェンジを目指している方などを読者層とし「どうやってエンジニアになれば良いのだろう ? 」をテーマにしています。

そして、本記事は「初学者が理解しにくい技術用語を現実世界の比喩で紹介する」シリーズです。トレーニングの場でも比喩を使って説明することが重要になり、私自身とても意識しています。

第 1 回「疎結合」

比喩シリーズ 第 1 回の技術用語は「疎結合」です。

  • アプリケーションを「疎結合」にする
  • マイクロサービスは「疎結合」な特性を持っている

といった例文などを目にすることもあるのではないでしょうか ?

比喩

「疎結合」とは「結合度を緩める」という意味で、言い換えると「独立性を高める」と表現することもできます。反対語は「密結合」となります。

現実世界の例を出してみましょう。例えば「年賀状など、手紙を送る場面」を想像してみるのはいかがでしょうか ? 手紙を郵便ポストに投函することを「疎結合」だとすると、郵便局で配達員に直接手渡しすることを「密結合」と考えることができます。

レトロなポスト

メリット

では、現実世界の例をさらに深堀り、メリットを考えましょう。

1. 郵便局の営業時間を気にせずに手紙を送れる

郵便ポストに投函することにより,郵便局の営業時間を気にせずに手紙を送れるというメリットがあります (24 時間営業ではないという前提とします)。郵便ポストさえあれば、好きなときに投函できますよね ! これは「手紙を送ること」「配達をすること」「結合度を緩めている」と考えることもできます。

2. たくさんの手紙を投函できる

年賀状の時期など、たくさんの手紙を送る場面もあるでしょう。もし郵便局で配達員に直接手渡しをしてしまうと、もしかしたら配達員の手が回らなくなってしまう可能性もあります。さらに受付に順番待ちができてしまうかもしれません。郵便ポストさえあれば、たくさんの手紙も投函しておくことができます。これも「結合度を緩めている」からこそ得られるメリットと考えることができます。

3. 定期的に回収できる

配達員の視点で考えると、手紙を直接手渡しで受け取るよりも、好きなタイミングに郵便ポストから回収できた方が柔軟です。「結合度を緩めている」からこそ、配達員の「独立性を高められている」と考えることができます。

まとめ

本記事では、手紙を送る場面を比喩に「疎結合」を紹介しました。実際のワークロードでは「レポート生成処理」や「画像変換処理」において「疎結合」を意識すると良いでしょう。AWS では、例えば Amazon SQS を活用した「疎結合アーキテクチャ」を構築することができます。アプリケーション A と アプリケーション B の「結合度を緩める」というイメージです。AWS では,例えば Amazon SQS を活用した「疎結合アーキテクチャ」を構築することができます。

皆さんも比喩を考えてみてください ! ではまた次回 !

この連載記事のその他の記事はこちら

選択
  • 選択
  • 第 1 回「疎結合」»
  • 第 2 回「パブサブ」»
  • 第 3 回「イミュータブル」»
  • 第 4 回「ロードバランサー」»
  • 第 5 回「キャッシュ」»
  • 第 6 回「テンプレート」»
  • 第 7 回「命令型と宣言型」»
  • 第 8 回「DNS の名前解決」 »

builders.flash メールメンバーへ登録することで
AWS のベストプラクティスを毎月無料でお試しいただけます

筆者プロフィール

吉田 慶章
アマゾン ウェブ サービス ジャパン合同会社
トレーニングサービス本部 テクニカルトレーナー

ウェブエンジニア/プログラミング講師などの経験から AWS テクニカルトレーナーに。教えることを本職とし、効果的な学習メソッドを考え続けている。教えることは最高の学習である。Keep on Learning 👍

AWS を無料でお試しいただけます

AWS 無料利用枠の詳細はこちら ≫
5 ステップでアカウント作成できます
無料サインアップ ≫
ご不明な点がおありですか?
日本担当チームへ相談する