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Miki さんはエンタープライズ SA でいらっしゃるとのことですが、担当されているお客様やチームの特徴について教えていただけますか。

エンタープライズ技術統括本部 通信ソリューション第一部のソリューションアーキテクトとして活動しています。モバイルキャリアをはじめとした通信事業のお客様を担当するチームです。数千のアカウントを持つお客様を担当しているため、メンバーと協力・分担してお客様をご支援しています。モバイルキャリアのお客様は通信事業だけでなく、XR(クロスリアリティ)や機械学習などの先進的な研究開発や、スマートライフ事業と呼ばれる動画配信・金融決済・ショッピングサービス等の事業を通信事業の会員基盤を活かしてエンドユーザー様に提供されており、主要キャリア以外にもグループ会社も含めると、バイクシェアサービス、広告、位置情報サービス等事業の幅が広いのも特徴です。
その中でも私は、モバイルキャリア様の会員基盤を生かした各種サービスを担当する部署・グループ全般を幅広く担当し、日々アーキテクチャ相談や、勉強会、ハンズオン-、新サービスアップデート等でお客様の AWS の活用を支援しています。

A woman smiling indoors with a modern background featuring plants and a wall design.

AWS に入社する前はどういったお仕事をされていたのでしょうか。

前職では、外資系 SIer で約 10 年ほどインフラエンジニアとして働いていました。文系新卒入社で最初の約 4 年間、金融業・学術機関等の複数のお客様に対し、主にインターネット関連サービスを提供するプロジェクトチームリーダーを担当しました。クラウドが今のように当たり前の選択肢ではない時代だったため、ホームページ等のサービスでも、物理サーバーに Web  システムをホスティングしていて、どこのラックのどこにどの機器を搭載して物理的な冗長性を担保するか、などの設計から行っていました。サーバーも多くても数十台しかないホスティングサービスのプロジェクトだったため、構築だけでなく、どのくらいの頻度でパッチやセキュリティスキャンを実施するか等の運用設計も担当し、お客様への定期的なレポートなど、報告業務も担当していました。その後 4 年間は流通業のお客様に対し、プライベートクラウド環境を提供するプロジェクトにアーキテクトとして参画しました。物理ホスト上に構築した仮想環境を OS やセキュリティ設定まで導入してお客様に引き渡し、既存環境の OS も UNIX 系 100 インスタンス、商用 Linux 20 インスタンス程度をこの環境に移行したのですが、ある程度規模の大きいお客様だったため、物理的に大きなディスク装置やテープ装置などもありました。AWS に入社してからは物理機器を触ることが減ってしまいましたが、テープロボットなどが動くのを見ているのも自分は好きなので、楽しく取り組んでいました。物理機器は当たり前に壊れますし、スケジュールの厳しいプロジェクトだったので大変でしたが、仮想環境構築はこのプロジェクトでストレージ・ネットワーク・サーバー等広い範囲で設計を経験しました。次の 2 年は、製造業のお客様に対し、AWS ではないクラウド上にプライベートクラウドとして数千インスタンスの OS・MW 等ある程度設定した上でお客様に提供可能にするプロジェクトのデリバリーのアーキテクトを担当していました。ここで初めてクラウドを活用することになるのですが、自社クラウドだったこともあり、物理を意識しなければならない部分が多く、AWS のようにデータセンター間を跨いだ冗長性が簡単に準備できるようなものではありませんでした。AWS を触ったときはこれが本物のクラウドかと感動した覚えがあります。そういうわけで、職務として AWS を触ったことがないまま、私は AWS に入社しております。

AWS 未経験でご入社されたということですが、入社後どのようにスキルを身に着けられたのでしょうか。

前職でクラウドを担当するようになったときに AWS 認定ソリューションアーキテクト – アソシエイトの資格を取りはしたものの、実務での経験はなかったので、まずは基本を抑える必要があると考えました。AWS には、アソシエイトソリューションアーキテクトとして入社しており、約 1 年はOJT をしながら学習など自由度高く自分で何をしたいか、マネージャーと相談して選んで行うことができました。
入社して 3 ヶ月くらいの間に、基本的な AWS 知識を身につけるため、AWS のアソシエイトの 3 つの資格を取得し、その後半年くらいで Professional の 2 つの資格を取得しました。資格の勉強と並行して、OJT を行う中で、実際のお客様の個別相談会の QA を支援したり、各種勉強会のハンズオンサポートや実際に講師も担当させてもらいました。アソシエイトの研修プログラムの中で、T&C (AWS トレーニングと認定 )チームで Architecting on AWS の講座の講師の資格も取得し、何度か 3 日間のトレーニングプログラムをデリバリーさせていただきました。講師としての活動は、これまでプロジェクトチームリードの経験が中心で、サービスやアーキテクチャについて多くの人の前で話す経験が多くなかった自分にとって、大変貴重な経験で、実際の SA としての活動の中でも、各種 AWS のイベントなどの講演をする機会が多くあるため、人前で話す際にノウハウが活かされています。OJT 先も、現在担当している通信業界の他に自動車の業界に3ヶ月ほど参画させていただき、お客様先で一緒に AWS でのアーキテクティングを行うなど先輩の SA の方と一緒に取り組ませていただきました。現在担当している通信業界も未経験の業界でしたが、基本的に必要とされる IT 知識は広く持っていたのと、業界自体の理解は経験の長いアカウントマネージャーや他の SA に教えていただいたり、調べればわかることも多かったので、自分でも気になった単語や業界事例は積極的に学びました。
アソシエイトの研修終了後は、SA として活動しながら、AWS の運用管理サービスについて社内の技術コミュニティ(Cloud Operations TFC)でObservability(可観測性)についての Focus Area リーダーも担当しています。Amazon CloudWatch ・AWS X-Ray をはじめとした AWS のフルマネージドのモニタリングサービスや Amazon Managed Grafana・Amazon Managed Service for Prometheus 等 OSS を活用する場合にご利用いただけるサービスなどが Observability の AWS サービスですが、そもそも Observability
とは?という観点や Amazon のモニタリングの事例なども踏まえてMonitoring や Observability をどう活用するのがよいか、なども社内外で共有しています。
有志のコミュニティでブログや動画、ハンズオンを用意したり、イベントで登壇するなどが普段の主なコミュニティ活動ですが、そうした活動の中で、昨年はシアトル現地で Cloud Operations TFC Offsite にも参加させてもらいました。
この Cloud Operations TFC Offsite は、普段 Cloud Operations TFC で活動している各国のメンバーが一同に会して、情報共有をし合うイベントとなります。

シアトルの Cloud Operations TFC Offsite に参加されたということですが、SA は海外出張の機会もあるのでしょうか。もちろん英語での業務ですよね。Miki さんはもともと英語がお得意でいらっしゃったんですか?

実は英語はとても苦手です。ほとんど、パッションだけで伝えています(笑)。シアトルでの Cloud Operations TFC Offsite では AWS の最新動向について、Focus Area の情報を他のチームと共有しあったりするのですが、相手が話しているのを聞いて理解することはできても、なかなか自分の質問などを英語で伝えるのが難しい場合が多く、結局伝えきれないことも多くあります。しかし、話している技術のことはわかるので、途中まで伝われば、「You mean...」 というような形で相手がフォローしてくれて、どうにか伝わることも多くあります。英語がすぐにできるようにならないのは仕方がないですし、それで使わなくなってしまうとできるようにならないので、一度で伝わらなくても伝わるまでチャレンジするようにしています。

社内のプログラムで数年前まで英会話の先生と週に 1 度英語での Discussionの仕方を学んだりするトレーニングもあったので、そうした場にも参画していました。また、日常の業務でも、最新の AWS の情報を入手しようとすると英語の Document を読んだり動画を見たりすることにはなるので、その中でも英語は使っています。
とはいえ、語学は一朝一夕にはうまくならないので、早いうちに業務で英語を使うようにしておけばよかったというところはあります。できないからやらないのではなく、できなくてもやってみることを英語についてももっと行っておけばよかったとは思います。

働き方についてお伺いします。出社の頻度や、リモートワークの現状についても教えてください。

2020 年の約半年間の間は福岡に拠点を移して、東京所属のまま関東圏のお客様の支援をしていました。私はもともと実家が福岡にあるため、実家の子供部屋にモニターなど作業環境を用意して、テレワークをしていました。その期間は、パンデミックの影響で、担当しているお客様も不要不急の外出を避ける状況だったため、オンラインの会議しかなく、チームメンバーも全員在宅となっていました。当時、多くの単身者は誰とも1日直接話すことがない日々に孤独を感じていたと思いますが、自分も当時は人との繋がりが薄くなったように感じていて、マネージャーやチームメンバーと相談して、家族のいる福岡で勤務することにしました。どこで勤務しても通信状況さえ確保できていれば仕事の環境として差がない状態になったため、チームメンバーになにかリモート勤務であるために何かお願いすることはほとんどありませんでした。むしろ福岡のほうが東京より通信回線の環境がよく、仕事がしやすかったくらいです。福岡にいた期間は実家で過ごしたのですが、その間に妹の子供が生まれたため、入院期間中は妹の下の子供を両親と面倒をみたり、家族のイベントを同じ場所で過ごすことができました。他のチームメンバーも子供がいたり、育休をとっている男性の方がいますし、柔軟に在宅ワークを活用して子育てされています。
今は東京に戻って勤務していますが、フレキシブルな働き方が可能なので、趣味や新しい技術の勉強などに使う時間は増えているように感じていて、読書や手芸などプライベートの時間も充実しているように思います。

A woman working on a laptop with an AWS sticker in an office environment.