AWS に移行したことにより、イベントやプロモーション時のスケールアウトが容易にでき、プロ野球シーズン中の盛り上がりを受けユーザー数が急激に増加した場合も、柔軟に対応できるようになりました"
株式会社コナミデジタルエンタテインメント 制作部
リアルな表現・データが人気の野球ゲーム
急激なユーザー増加が課題に
入念な調査とテストを重ね
AWS 環境に移設
データベース障害に対応するための柔軟なインフラ伸長は、従来のインフラ環境では困難なことが課題となっていました。そこで 2018 年の後半ごろから AWS への移行を検討し始めます。制作部の担当者は「すでに社内の他のタイトルで導入実績があり、リソース増加の柔軟性や耐障害性の高さからAWS を選びました。特に、自動的にスケールアウトできるデータベースの Amazon Aurora に魅力を感じました」と AWS を選択した理由について説明します。
『プロスピA』のシステムは、仮想サーバーの Amazon Elastic Compute Cloud (Amazon EC2)や Amazon Aurora、マネージド型のキャッシュシステム Amazon ElastiCache などを活用し、柔軟にスケーリングできるアーキテクチャとなりました。インフラの移行までに 1 年ほど時間をかけ、準備や試験を重ねました。「Amazon Aurora など、新しく利用するサービスの特徴についてドキュメントをくまなく見て、複数の移行パターンを検証しました。AWS のソリューションアーキテクト(SA)とのミーティングも積極的に開催して、課題を解決していきました」(制作部)
AWS への移設が行われたのは2020 年 1 月です。制作支援部の担当者は「従来環境と Amazon Aurora の同期をとっておくことで、日中での移行作業を完遂しました。AWS 環境 への移行に関する研修を受けていましたが、私たちだけでは調整の難しかったいくつかのパラメータ設定については AWS のアカウントチームに支援いただきました」と振り返ります。
最適なプレイ環境と運用負担の軽減を両立
さらなる最適化を推進
AWS 環境への移行によって、『プロスピA』のメンテナンス工数は大幅に削減できました。制作部の担当者は「柔軟性を持った運用が可能となり、イベントやプロモーション時のスケールアウトも容易にできますし、費用も年間契約などによって最適化できています」と評価します。これまで、ユーザーへの影響の少ない深夜帯に行っていたデータベースのメンテナンスもなくなりました。「Amazon Aurora は増設や縮小も短時間で完了します。昼間の時間帯の更新メンテナンスと並行してデータベースのメンテナンスをできるようになったのは、運用負荷の面でも大きなメリットです」(制作支援部)
ユーザーに快適なプレイ環境を提供できるようになった『プロスピA』の今後の課題は、運用負荷やコストのさらなる最適化です。需要に応じたインフラの自動スケーリングや、コストパフォーマンスの最適化に向けてAWS Graviton プロセッサ の活用も視野に入れています。
また、『プロスピA』のような人気タイトルは、エンジニア採用にも好影響を与えているといいます。制作部・制作支援部ともに、メンバー教育にも力を入れています。「会社全体として新しい技術を学び、ゲーム開発に役立てることを重視しています。仕事をしながら学ぶだけでなく、外部の専門家を招いたセミナーなども行っています。お客様に楽しんでいただけるタイトルを作っていくためにエンジニアの採用も強化しています。インフラの効率的な利用については 引き続きAWS の協力に期待しています」(制作部)