Greenway Health が AWS HealthLake を利用して EHR イノベーションを推進

1977 年に Medical Manager として設立された Greenway は、EHR、診療管理、収益サイクル管理における革新的なソリューションを通じて、42,500 超の医療提供者にサービスを提供しています。Greenwayのクライアントは、遠隔医療サービスやスケジューリングモジュールなどのアプリケーションの市場とのシームレスな統合だけでなく、EHR内での大量の構造化および非構造化患者データの効率的な処理と分析を求めています。さらに、Greenway は 21st Century Cures Act の厳格な規定や新たな規制を遵守する必要があり、2 つの EHR システム (Intergy と Prime Suite) からの臨床データを一元化および管理するために FHIR サーバーを実装する必要があります。 

Greenway は当初、認定 FHIR ソリューションを構築するために、サードパーティーベンダーと連携していました。しかし、データ量の増加に伴ってシステムのスケールが困難になり、トランザクション時間が長くなっていました。Greenway のエンジニアがこれらのスケーラビリティの課題に取り組む中、Greenway の製品チームは AWS re: Invent 2022 で、トランザクションと分析のユースケースに最適化されたフルマネージド型の FHIR サービスである HealthLake を発見しました。Greenway の規制要件と他の EHR デベロッパーの規制要件を認識している AWS は、Greenway と緊密に連携して HealthLake の既存の機能を強化し、FHIR サーバーのニーズに対応しました。「数百のクライアントと大量のデータが関係する複雑なプロジェクトではよくあることですが、さまざまな困難や課題がありました」と Greenway の Vice President and Distinguished Engineer である Philip Nick 氏は述べています。「AWS チームは、私たちがグループとして連携してこのソリューションを構築する間、ずっと私たちを支えてくれました。当社の成功は、この緊密な連携によるところが大きいです」。

HealthLake データストアを構築した後、Greenway は、すべてのデータをロードするのに 10 日間かかると想定していました。しかし、HealthLake の低レイテンシートランザクション FHIR API を使用することで、4 日未満でデータロードを完了し、API エラーなしで 1 秒あたり 8,000 件のトランザクションを達成できました。初期データロードで 95 億の FHIR リソースを取り込んだ後、ソリューションは稼働を開始して、Greenway のクライアントの EHR システムからのデータを統合し、サードパーティーアプリケーションとのシームレスな統合をサポートしました。例えば、医師は FHIR API を通じて統合されたサードパーティーアプリケーションを使用して、患者の成長曲線グラフを安全かつシームレスに表示できるようになりました。「ヘルスケアの観点から見ると、AWS HealthLake の利用は相互運用性と標準化における大きな前進です」と Nick 氏は述べています。

 HealthLake はフルマネージド FHIR サービスとして、Greenway のデベロッパーを、労力とコストがかかるインフラストラクチャ管理タスクから解放しました。 実際、Greenway は、単一の本番アカウントに 638 の HealthLake データストアを 1 日未満で作成することができました。「FHIR ストアの所有、管理、サポートは当社のコアビジネスではありません」と Nick 氏は述べています。「FHIR ストアの管理とサポートのためにデベロッパーを指名しなければならなくなるたびに、当社のコアとなるヘルスケアミッションの達成が妨げられていました」。 

FHIR API は、数週間かからずに数分間でロードされる最新のデータを使用するため、Greenway ではサードパーティーアプリケーションの開発が増加しています。その結果、Greenway は、医療提供者が必要に応じてシームレスに統合できるヘルスケアアプリケーションのマーケットプレイスを提供できます。「AWS HealthLake を利用することで、以前のアプリケーション統合方法と比べて高度なセキュリティを実現できています」と Nick 氏は述べています。「FHIR システム全体により、当社のレガシーシステムと比較して、医療提供者によるデータへのアクセス方法に対するコントロールが大幅に強化されています。医療提供者は、アクセスするデータの種類を、よりきめ細かいレベルで制御できます」。 

Greenway は、複数年にわたる高コストの FHIR サーバーライセンス契約に投資するのではなく、HealthLake の従量制料金を利用できます。運用上のオーバーヘッドコストの削減に加えて、Greenway は 2025 年末までにソフトウェアとインフラストラクチャにおける支出を約 190 万 USD 削減できると見込んでいます。

Greenway は、同社の EHR FHIR ソリューションを HealthLake に移行したほか、同社初の FHIR アプリケーションもリリースしました。これは、EHR からレポートを自動的に生成し、確認および対応のために公衆衛生機関に送信する電子症例報告アプリケーションです。最終的に、Greenwayは、HealthLakeデータを価値に基づくケア分析の基盤として使用して、匿名化されたデータと個々の患者レベルのデータの両方で地域の人口健康の傾向を確認できるようにしたいと考えています。

Greenway は、臨床データ分析ツールとしての HealthLake の当初の実装を拡張し、AWS 生成 AI サービスを組み込むことで、医療提供者のために EHR エクスペリエンス全体を改善し、最終的には患者エクスペリエンスを革新することを計画しています。例えば、Greenway は HealthLake データを利用して患者情報の検索と要約を自動化し、医療提供者が情報を見つけるために複数のページをくまなく調べる必要性を軽減することを構想しています。

一方、Greenway の高性能 FHIR ストアは、アプリケーションを選択、統合、操作することでケアの提供を改善する機会を認識している顧客をますます多く引き付けています。2024 年 11 月現在、ストアで 47 のサードパーティーアプリケーションが利用可能となっており、さらに多くのアプリケーションが開発中です。「AWS HealthLake はサードパーティーアプリケーションの統合を容易にしてくれるだけでなく、当社はそれを基盤として構築することでイノベーションをさらに推進できます」と Nick 氏は述べています。「他にどのような種類のデータを取り込めるのか、他にどのようなソリューションを実現できるのかを考えています。 当社は、このデータから得られる可能性をまだ十分には理解できていませんので、次にそれに取り組むことに高揚感を覚えています」。