重要: このガイダンスでは Amazon Forecast を利用する必要がありますが、同サービスは新規のお客様にはご利用いただけなくなりました。Amazon Forecast の既存のお客様は、これまでどおり、このガイダンスを引き続き利用およびデプロイできます。
このガイダンスは、電力会社がメーターデータ管理システム (MDMS) またはヘッドエンドシステム (HES) から直接データを取り込み、それらを気象や地理情報システム (GIS) データなどの他のデータソースと組み合わせるのに役立ちます。電力会社は、プロアクティブな分析と人工知能と機械学習 (AI/ML) ベースの予測により、メーターや配電回路の異常の検知、回路のバランシング、電力盗難の防止、需要の予測を行い、顧客エンゲージメントの強化が可能になります。
注: このガイダンスは更新されました。アーキテクチャ図は、データレイク、データインジェスト/ML パイプライン、ビジュアライゼーションコンポーネント、MDMS/HES シミュレーター、拡張負荷テストといった新機能を自動的にデプロイする拡張バージョンです。サンプルコードも更新され、新しい機能が追加されました。
アーキテクチャ図
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ステップ 1
カスタムアダプタ用の AWS Lambda、バッチ処理用の AWS SFTP と AWS Storage Gateway、ストリーミングデータ用の Amazon Kinesis、Amazon Simple Notification Service (Amazon SNS)、Amazon Simple Queue Service (Amazon SQS) など、複数の AWS ツールから顧客データやメーターデータを取り込むことができます。
ステップ 2
時系列データの保存には Amazon Timestream、データの処理には AWS Glue および Amazon EMR、生データおよびアーカイブストレージには Amazon Simple Storage Service (Amazon S3) を使用します。時系列データは Amazon EMR や Amazon Athena などの分析サービスに直接送信して、さらに処理することができます。
ステップ 3
S3 バケットから生データを取得して AWS Glue や Amazon EMR に送信すると、抽出、変換、ロード (ETL) プロセスを自動化したり、付加価値処理を行ったりできます。アーカイブコピーとリテンションコンプライアンスには Amazon S3 Glacier を使用してください。
ステップ 4
最終的な整理、分類されたデータセットは、データレイク内の S3 バケットに保存されます。AWS Glue データカタログを使用してメタデータカタログを作成すると、すべてのデータを表示および検索できるようになります。AWS のセキュリティ、アイデンティティ、コンプライアンスサービスでデータを安全に保ちましょう。
ステップ 5
Amazon EMR を使用して複雑な分析を行います。Athena では、データレイクとウェアハウスにおいて 1 回限りのデータ検出とクエリを実行できます。
ステップ 6
Amazon Redshift の標準 SQL を使用して、ペタバイトの構造化データ、時系列データ、半構造化データをクエリできます。
ステップ 7
Amazon QuickSight または Amazon Managed Grafana を使用して、AI/ML のインサイトを含むインタラクティブなダッシュボードを作成して公開できます。
ステップ 8
Amazon SageMaker、Amazon Forecast、Amazon Personalize を使用して、グリッドの異常を検出し、エネルギー使用量を予測し、機器障害を予測できます。
Amazon Pinpoint を使用すると、顧客とコミュニケーションを取り、顧客エンゲージメントを測定できます。Amazon Pinpoint で分析と ML のアウトプットを組み合わせて、パーソナライズされた顧客ターゲット分類やキャンペーンを作成できます。
Well-Architected Pillars
AWS Well-Architected フレームワークは、クラウドでシステムを構築する際に行う決定の長所と短所を理解するのに役立ちます。フレームワークの 6 つの柱により、信頼性が高く、安全かつ効率的で、費用対効果が高く、持続可能なシステムを設計および運用するためのアーキテクチャのベストプラクティスを学ぶことができます。AWS マネジメントコンソールで無料で提供されている AWS Well-Architected Tool を使用し、各柱の一連の質問に回答することで、これらのベストプラクティスに照らしてワークロードを確認できます。
上記のアーキテクチャ図は、Well-Architected のベストプラクティスを念頭に置いて作成されたソリューションの例です。完全に Well-Architected であるためには、可能な限り多くの Well-Architected ベストプラクティスに従う必要があります。
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運用上の優秀性
AWS Glue と Athena はデータを整理し、データアクセスを監視します。QuickSight と Amazon Managed Grafana のダッシュボード、レポート、通知を使用してデータをさらに分析できます。どのデバイスからでもこれらのダッシュボードにアクセスして、アプリやウェブサイトに埋め込むことができます。AWS CloudFormation はインフラストラクチャとアプリケーションスタックを管理し、ユーザーはさまざまなユースケースに合わせてガイダンスを変更したりテストすることが可能です。
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セキュリティ
AWS Glue データカタログは暗号化が有効になっています。AWS Glue が Amazon S3 に書き込むすべてのメタデータは暗号化されます。AWS Identity and Access Management (IAM) ロールは、最小特権の原則を使用して設計することをお勧めします。これは、ロールが特定の条件下で特定のアクションを完了するために必要な最小限のアクセス権を付与するという意味です。これにより、必要なユーザーとリソースのみがデータにアクセスできるようになります。
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信頼性
AWS Glue、Amazon S3、Athena はすべてサーバーレスであり、データ量の増加に応じてデータアクセスのパフォーマンスをスケーリングします。AWS Glue は、データ統合ジョブの実行に必要なリソースをプロビジョニング、設定、スケーリングします。Athena は、サーバーやデータウェアハウスを設定、管理することなく、データをクエリします。Amazon SNS と Amazon SQS により、中断することなくデータインジェストを増やすことができます。
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パフォーマンス効率
このガイダンスをお手持ちのメーターの読み取り値と組み合わせて使用し、要件に合わせて調整できます。データが内部データフォーマット (関連する実装ガイドに詳述) に変換されると、デモ機能とダッシュボードは透過的に機能します。
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コストの最適化
このガイダンスでは、Lambda、Athena、Kinesis などのサーバーレスサービスを可能な限り使用しているため、初期費用を避け、実際に使用したリソースに対してのみ支払うことが可能です。Amazon EMR をサーバーレス以外の方法で使用してノードを制御および最適化しているため、お客様のユースケースに応じて費用対効果が高まります。
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持続可能性
S3 Glacier は、ソリッドステートメモリではなくマグネティックストレージを使用してデータをアーカイブするため、ストレージ容量の最適化に役立ちます。Amazon SNS と Amazon SQS はアプリケーションを切り離して、実行中のリソースがロードを待たないようにします。
実装リソース
AWS アカウント内で実験および使用するための詳細なガイドが提供されています。ガイダンス構築の各段階 (デプロイ、使用、およびクリーンアップを含む) は、デプロイに向けて準備するために詳細に検討されています。
サンプルコードは出発点です。これは業界で検証済みであり、規範的ではありますが決定的なものではなく、内部を知ることができ、開始に役立ちます。
関連コンテンツ
免責事項
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本ガイダンスにおける第三者のサービスまたは組織への言及は、Amazon または AWS と第三者との間の承認、後援、または提携を意味するものではありません。AWS からのガイダンスは技術的な出発点であり、アーキテクチャをデプロイするときにサードパーティのサービスとの統合をカスタマイズできます。