投稿日: Feb 3, 2022
Amazon RDS for MariaDB が MariaDB バージョン 10.6 のサポートを開始しました。このリリースでは、ワークロードのパフォーマンス、スケーラビリティ、信頼性、および管理性を強化するために、次のような複数の MariaDB 機能が導入されています。
- MyRocks ストレージエンジン: RDS for MariaDB で MyRocks ストレージエンジンを使用して、書き込みが集中する高性能ウェブアプリケーションのストレージ消費量を最適化できます。
- IAM 統合: Amazon RDS for MariaDB インスタンスで AWS の Identity and Access Management (IAM) を設定し、AWS リソースのアクセス管理を簡素化できるようになりました。IAM を使用すると、すべての AWS リソースへのユーザーアクセスを一元管理することができ、別の AWS リソースと同期していないアクセス許可に起因する問題を避けられます。
- 柔軟なアップグレード: 以前の MariaDB メジャーリリース (10.2、10.3、10.4、10.5) から RDS for MariaDB 10.6 にワンステップでアップグレードすることが可能です。また、既存の MySQL 5.6 または 5.7 インスタンスのスナップショットを取得し、RDS のスナップショット復元機能を使用して、それを MariaDB 10.6 インスタンスに変換することもできます。
- 遅延レプリケーション: 災害対策戦略として、リードレプリカをソースデータベースから遅らせる設定可能な期間を設定できるようになりました。MariaDB レプリケーションの標準設定では、ソースとレプリカの間のレプリケーション遅延が最小限に抑えられます。
- Oracle PL/SQL 互換機能: 一連の PL/SQL 互換関数 (ROWNUM()、TO_CHAR()、ADD_MONTHS() など) を増やすことで、従来の Oracle ストアドプロシージャをそのまま RDS for MariaDB 10.6 に移行できます。
- アトミック DDL: DDL ステートメントは、RDS for MariaDB 10.6 ではクラッシュセーフになります。CREATE TABLE、ALTER TABLE、RENAME TABLE、DROP TABLE、DROP DATABASE、および関連する DDL ステートメントがアトミックになりました。以前は、DDL 操作中にクラッシュすると、結果が確定せず、レプリケーション中にエラーが発生する場合がありました。アトミック DDL では、DDL 操作が完全に実行されるか、まったく実行されないかのいずれかです。したがって、DDL 操作中のクラッシュからの復旧は決定論的であり、どのようなサーバークラッシュでも binlog の一貫性が保たれます。
- その他の機能強化: JSON_TABLE 関数による SQL 内の JSON データのリレーショナル形式への変換、Innodb による空のテーブルデータの読み込みの高速化、新しい sys_schema による分析とトラブルシューティング、オプティマイザーの機能強化による未使用のインデックスの無視、およびパフォーマンスの向上。
Amazon RDS for MariaDB の詳細や、お使いのデータベースインスタンスのアップグレード方法については、Amazon RDS ユーザーガイドを参照してください。新しい Amazon RDS for MariaDB 10.6 データベースインスタンスの開始と、現在お使いのインスタンスのアップグレードは、AWS マネジメントコンソールで数回クリックするだけで可能です。