Amazon Web Services ブログ

AWSのコストを削減する9の方法 第三回

みなさん、こんにちは。アマゾン ウェブ サービス ジャパン
シニアエバンジェリストの亀田です。

コスト削減を主題としたオンデマンドウェビナー皆さんご覧になられましたでしょうか。興味のある方は覗いてみてください。
https://pages.awscloud.com/costdown-tips_2020_LandingPage_reg-event_CP.html

前回前々回とこちらのブログ記事でAWSのコストを削減する方法をお届けしました。今回は最終回としてその7からその9までをお届けします。

#1 未使用状態のAmazon EC2やAmazon RDS インスタンスへの支払いを止める
#2 未使用状態の Amazon Redshift クラスターへの支払いを止める
#3 Amazon S3 Intelligent-Tieringを有効にする
#4 Amazon DynamoDB にはオンデマンドのキャパシティーモードを利用する
#5 十分に活用されていないEC2 インスタンスへの支払いを止める
#6 十分に活用されていないネットワークリソースを削除する
#7 EC2 スポットインスタンス を利用する
#8 Compute Savings Plans を利用する
#9 リザーブドインスタンスを利用する

#7 Amazon EC2 スポットインスタンスを利用する

スポットに適したワークロードを実行していて、現在オンデマンドの料金を支払っている場合は、これらのワークロードにEC2 スポットの利用を検討してください。EC2 スポットインスタンスを使用すると、AWS クラウドにおいて利用されていないEC2インスタンスを低コストで利用できます。 現時点においても、将来のアプリケーションを構築する場合においても、適用可能なすべてのワークロードにスポットを使用することを検討してください。スタンドアロンの EC2 インスタンスにスポットを使用することもできます。

ステートレス、フォールトトレラント、疎結合のワークロードに対してスポットインスタンスを選択することをお勧めします。また、新しいワークロードを開発する際には、スポット適用をまず考慮して検討することをお勧めします。すでにスポットが適しているワークロードの場合においては、数時間または数日程度で実装が可能となります。また、環境の複雑さによっては、数週間かかる場合もあります。スポットインスタンスは、オンデマンド価格と比較して最大で90% の割引でご利用いただけます。今すぐ導入すれば、コスト削減を開始できます。

ビッグデータ、コンテナ(ECS/EKS/Fargate)、CI/CD、ウェブサーバー、ハイパフォーマンスコンピューティング、その他のテストおよび開発ワークロードなどのスポットに適したワークロードをすでに実行している場合は、スポットの導入を加速するのに役立つワークショップや各リンク先の資料をご覧ください。

#8 Compute Savings Plansを利用する

EC2インスタンス、Fargate、Lambdaといったコンピュートリソースの使用量が一貫して継続的に利用されており、オンデマンド料金を支払っている場合、Compute Savings Plansによりコストを削減することが可能となります。Compute Savings Plans は時間単位の支出をコミットメントすることで、そのコミットメントに対して低価格で利用することができます。

Compute Savings Plansは、最大限の柔軟性を提供し、AWSの利用コストを削減します。これは、インスタンスファミリー、サイズ、アベイラビリティーゾーン、リージョン、オペレーティングシステム、テナンシー、およびコンピューティングオプション間に関係なく、EC2 インスタンスの使用に対して自動的に適用されます。Compute Savings Plansを適用すると、EC2インスタンス から Fargate、 Lambda に対して自動的に割引を受けることができます。そのため、コンピューティング使用率が一貫している場合は、1 年間の前払い無しのSavings Plansを推奨します。設定には数時間かかります。オンデマンド価格と比較して、1年間の前払い無しのCompute Savings Plansは最大で54% の割引を提供し、購入後数時間以内にコスト削減を実現できます。このコスト削減アプローチはAWSとの1年間のコミットメントが必要ですが、損益分岐点は通常7~9か月です。

開始方法は次のとおりです。Cost Explorerのコンソールで、SavingsPlansの推奨事項を確認します。次に、期間や支払いオプションなど、お客様のニーズに基づいてこれらの推奨事項をカスタマイズします。最後に、お好みのSavings Plansのコミットメントする単位時間あたりの金額をカートに追加して購入します。

#9リザーブドインスタンスを利用する

常に利用されているワークロードがAWSリソース上に存在しておりオンデマンド料金を支払っている場合、リザーブドインスタンスは、これらのリソースのコストを削減するのに役立ちます。リザーブドインスタンスは料金モデルで、特定の RDS、Redshift、ElastiCache、および Elasticsearchのリソースに対してAWSとのコミットメントをすることで使用量が大幅に割引されます。

AWSリソースの使用量の増減の振れ幅が大きく、通常とは異なるビジネス状況においては、1 年間の前払い不要のリザーブドインスタンスを推奨します。この設定には数時間かかります。1 年間の前払い無しのリザーブドインスタンスの場合、オンデマンド価格と比較して最大 42% の割引を提供します。この割引は購入から数時間以内に実現されます。このコスト削減アプローチは、AWSとの1年間のコミットメントが必要ですが、損益分岐点は通常7~9か月です。

開始方法は次のとおりです。Cost Explorerコンソールで、リザーブドインスタンスの推奨事項を確認します。次に、期間や支払いオプションなど、お客様のニーズに基づいてこれらの推奨事項をカスタマイズします。最後に、AWS コンソールからリザーブドインスタンスを購入します。

まとめ

コスト削減のアプローチとして9 つの実用的な方法をご紹介いたしました。9 つのコスト削減アプローチを、コミットメントの程度と導入の所要時間に基づいて、マッピングした図を示します。コストを迅速に削減するために、最も速く実現できるものから始めてみるのが推奨となります。

いかがでしたでしょうか。
5月12日には、システムのクラウド移行及びAWSでのコスト最適化を主題としたオンラインライブセミナーも予定しています。合わせてご参加ください。
https://aws-seminar.smktg.jp/public/seminar/view/2113

– シニアエバンジェリスト 亀田