Amazon Web Services ブログ

Amazon AppStream 2.0 – AWSからデスクトップアプリをストリーミング

私の同僚であるGene FarrellがオリジナルバージョンのAmazon AppStreamがお客様のフィードバックをもとにしていかに進化したかについてゲスト投稿を書きました。

Jeff;


AWSでは、お客様の問題を解決することを手助けしテクノロジーによってお客様にサービスを提供するのが私たちのミッションです。それが私たちに考えることをうながし、私たちがイノベーションを実現する方法の中心となっています。私たちのお客様はAWSのサービスを使用して次世代のモバイルアプリを構築し、快適なWebエクスペリエンスを作成し、そしてコアのITワークロードをグローバルスケールで実行しています。

モバイル、Web、そしてコアITにおけるイノベーションとトランスフォーメーションにはめざましいものがありますが、デスクトップとデスクトップアプリケーションについてはほとんど変化がありませんでした。エンドユーザーはどこでどのように仕事をするのかの自由をまだ享受できていません。ITは、デスクトップ、アプリケーション、そして無数のデバイスを管理するための堅牢で高価なシステムに悩まされています。そして企業情報をセキュアにすることはますますむずかしくなっています。おおくのやり方でクラウドはITのこの側面を迂回しているようです。

私たちのお客様はそれを変えたいと思っています。 モバイル、Web、およびコアITで見られるように、デスクトップとアプリケーションの柔軟性、スケール、セキュリティ、パフォーマンス、そしてコストのメリットが求められます。 たった2年以上前に、私たちはフルマネージドのセキュアなクラウドデスクトップサービスであるAmazon WorkSpacesを発表し、AWS上で永続的なデスクトップを提供しています。 本日、私はデスクトップアプリケーションをWebブラウザに配信するためのフルマネージドでセキュアなアプリケーションストリーミングサービスであるAmazon AppStream 2.0を紹介することにワクワクしています。

お客様は、さまざまなプラットフォームで動作することを必要としている従来のデスクトップアプリケーションがたくさんあると言っていました。 これらのアプリケーションの保守は複雑で高価であり、お客様はよりよいソリューションを求めています。 AppStream 2.0によって、任意のデバイス上のWebブラウザを使用することで、AWSからのストリーミングによってデスクトップアプリケーションへのインスタンスアクセスを提供することができます。 クラウドのためにアプリケーションを書き直す必要はなく、ひとつのバージョンをメンテナンスするだけですみます。 アプリケーションとデータはAWS上でセキュアにたもたれ、アプリケーションストリームはエンドツーエンドで暗号化されます。

オリジナルのAppStreamをふりかえって
AppStream 2.0の詳細について説明する前に、オリジナルのAmazon AppStreamサービスの歴史についてみる価値があります。 2013年に私たちはAppStreamをSDKベースのサービスとしてローンチし、お客様はデスクトップアプリケーションのストリーミング体験を構築してこれらのアプリケーションをクラウドに移行することができるようになりました。 私たちはSDKによるアプローチがお客様がアプリケーションストリーミングを自分たちの製品に統合できるようにすると考えていました。 私たちは、ゲーム開発者やグラフィックスISVがこの開発モデルを採用するだろうと考えていましたが、予想していたより多くの作業が必要であり、つかいはじめるためには重要なエンジニアリングへの投資が要求されることがわかりました。それを試した人たちはその機能セットが自分たちのニーズを満たしていないことに気づきました。 たとえば、AppStreamはg2.2xlarge EC2インスタンスをベースとしたひとつインスタンスタイプだけを提供していました。 これによって、パフォーマンスがコストを正当化できるハイエンドなアプリケーションへのサービスのみに限定されました。 しかし、経済性は多くのアプリケーションにとって割に合わないものでした。

AppStreamで、お客様の重要な問題を解決するために取り組んでいましたが、解決策を正しく得ることに失敗しました。 これは、アマゾンではあえて受け入れるリスクです。 われわれは迅速に動き、お客様を手助けすることができる分野を探求していますが、失敗の準備をします。 私たちは失敗するときに学習し、すばやく反復します。 この場合、お客様からデスクトップアプリケーションのためのよりよいソリューションが必要であることを継続的にヒアリングし、そしてふりだしに戻りました。 その結果がAppStream 2.0です。

AppStream 2.0の特長
AppStream 2.0では、オリジナルのAppStreamサービスを試していだいたお客様から聞いた課題の多くに対応しています。 こちらがにいくつかの特長です:

  • デスクトップアプリケーションをセキュアにWindowsおよびLinux PC、Mac、Chromebook上のHTML5ウェブブラウザでどのデバイスでも実行できます。
  • ユーザーがどこからでもデスクトップアプリケーションに即座にアクセスできます。遅延はなく、大きなファイルをダウンロードすることもなく、時間のかかるインストールもありません。ユーザーは、ネイティブにインストールされたアプリを実行するのと同じように、敏感で流動的なエクスペリエンスを得ることができます。
  • シンプルなエンドユーザーインターフェイスで、ユーザーはフルスクリーンモードで実行し、ブラウザタブ内で複数のアプリケーションを開き、簡単にスイッチして操作することができます。ファイルをセッションにアップロードし、アクセスして編集し、完了したらダウンロードすることができます。また、印刷や、音声の再生、そしてネットワークの状態に最適化するために帯域幅を調整することもできます。
  • アプリケーションとデータをセキュアにAWS上に保持 – 暗号化されたピクセルのみがエンドユーザーにストリーミングされます。アプリケーションストリームとユーザー入力は、HTTPS経由でAWS上のセキュアなストリーミングゲートウェイを通過するため、ファイアウォールと親和性が高いものになります。自身のVirual Private Cloud(VPC)内でアプリケーションを実行でき、Amazon VPCのセキュリティ機能を使用してアクセスを制御できます。 AppStream 2.0は、ユーザーが自社の認証情報を使用してアプリケーションにアクセスできるようにするIDフェデレーションをサポートしています。
  • フルマネージドなサービスのため、アプリケーションストリーミングインフラストラクチャを計画、デプロイ、管理、およびアップグレードする必要はありません。 AppStream 2.0は、アプリケーションのホストおよび実行に必要なAWSリソースを管理し、自動的にスケールし、必要に応じてエンドユーザへのアクセスを提供します。
  • 一貫したスケーラブルなパフォーマンスをAWSで、一般的にローカルデバイスでは利用できないコンピューティング能力にアクセスすることができます。ローカルおよびグローバルに即座にスケールし、ユーザーが低レイテンシーのエクスペリエンスをつねに得られることを保証します。
  • さまざまなストリーミングインスタンスタイプでアプリケーションを実行します。 General Purpose、Compute Optimized、およびMemory Optimizedインスタンスファミリーのインスタンスタイプを使用して、アプリケーションのパフォーマンスを最適化し、全体のコストを削減することができます。
  • ハイパフォーマンスなストリーミングのためのNICE DCVは、アプリケーションにセキュアでハイパフォーマンスなアクセスを提供します。 NICE DCVは流動的でインタラクティブな体験を提供し、ネットワークの状態に自動的に適応します。

価格と利用可能なリージョン
AppStream 2.0では、使用するストリーミングインスタンスに対してのみ料金を支払います。 ストリーミングインスタンスの料金は、選択したインスタンスの種類、およびアプリケーションにアクセスする同時ユーザーの最大数によります。

特定の月にリージョン内のアプリケーションにアクセスするユニークな認可されたユーザーごとにユーザーフィーが課金されます。 ユーザーフィーはMicrosoft RDS SALライセンスをカバーしており、MicrosoftのライセンスモビリティプログラムによってRDS CALライセンスを持ち込むする場合は免除されます。 AppStream 2.0には、つかいはじめるための管理者体験を提供する無料利用枠があります。 無料利用枠には、最長2ヶ月間、月40時間が含まれます。 詳細については、こちらのページを参照してください。

AppStream 2.0は、米国東部(北バージニア)、米国西部(オレゴン)、ヨーロッパ(アイルランド)、および東京リージョンで利用可能です。 AppStream 2.0に既にインストールされているサンプルアプリケーションにアクセスすることで、今すぐに無料でAppStream 2.0のエンドユーザエクスペリエンスを試すことができます。Try It Nowにアクセスするには、AWSアカウントでログインし、Get Startedを選択してください。

AppStream 2.0,についてもっとよく知るには、AppStream pageにアクセスしてください。

Gene Farrell, Vice President, AWS Enterprise Applications & EC2 Windows

(日本語訳はSA渡邉が担当しました。原文はAmazon AppStream 2.0 – Stream Desktop Apps from AWS