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Amazon Connect エージェントワークスペース用ステップバイステップガイドの一般提供のお知らせ

AWS re: Invent 2022 で、AWS は Amazon Connect エージェントワークスペースのステップバイステップガイドのプレビュー版が公開されたことを発表しました。この発表記事を共同執筆した私の同僚たちは、新しいエージェントにエージェントデスクトップを十分に理解してもらうためのトレーニングでコンタクトセンターが直面する課題について書きました。また、エージェントが熟達するまでは、お客様のニーズに効果的に対応するための時間が長くかかり、その結果として顧客の不満が生じることにも言及しました。

2021 年に発表された Amazon Connect エージェントワークスペースは、エージェントをすばやくオンボーディングし、問題を効率的に解決して、カスタマーエクスペリエンスを向上させるために必要なツールをコンタクトセンターエージェントに提供する、単一の直感的なアプリケーションです。Amazon Connect エージェントワークスペースは、1 つの画面ですべてのツールをエージェントに提供します。エージェントワークスペースについて考えるときは、エージェントがアプリケーションを切り替える必要なく、1 か所で電話、チャット、またはタスクを引き受け、お客様とケースに関する必要な情報、そしてリアルタイムの推奨事項を取得することを想像してください。

ステップバイステップガイドは、組織がワークスペース内でそのエージェントにカスタマイズ可能なエクスペリエンスを提供することを可能にするため、エージェントは、お客様の問題をより迅速に解決するために必要な関連情報とアクションを明らかにすることで、勤務初日から優れたサービスを提供できるようになります。これは、このステップバイステップエクスペリエンスがお客様の問題を特定し、後続のアクションを推奨してエージェントをガイドすることによって、エージェントが次に行う事柄を推測したり、過去の経験に頼ったりする必要がないようにするためです。これは、新しいエージェントと経験豊富なエージェントの両方に役立ちます。新しいエージェントは、システムを学び、その仕事に慣れることができ、経験豊富なエージェントは、同じタイプのお客様要求への対応方法で相違を生じさせることなく、組織の標準作業手順に従うことができます。

この直感的なエクスペリエンスにより、エージェントのオンボーディング時間を最大 50% 短縮し、エージェントが熟達するまでの時間を最大 40% 短縮して、コンタクト処理の時間を最大 35% 削減できるため、最終的にはより優れた一貫的なカスタマーエクスペリエンスにつながります。

ステップバイステップガイドの大まかな説明
ステップバイステップガイドのプレビュー版が発表されたとき、そのエクスペリエンスが Amazon カスタマーサービスを背景として研究開発されたことを知り、非常に興味を持ちました。しかし、ステップバイステップガイドは、以下のような他のタイプの組織とユースケースに適用するために汎用化することもできます。

  • 小売り – 購入者による購入商品の返品向けのガイドなど、小売り組織に合わせてガイドをカスタマイズできます。
  • 金融サービス – 承認されたユーザーのクレジットカードへの追加などが例として挙げられます。ガイドを使用することで、エージェントはガイド内に統合された単一のワークフローを通じて、お客様が新しいユーザー情報を取得し、承認を処理できるように支援することができます。
  • ホスピタリティ – この場合の好例として、関連するすべてのプロセスを単一のワークフローに統合することによる、ホテルでの新規予約の作成があります。
  • ウィジェットとしての埋め込み – ガイドをウィジェットとして既存のCRMに埋め込む、または API を使用して、組織で既に使用しているカスタムワークスペースにガイドを表示することができます。

プレビューの発表記事には、ステップバイステップガイドの使用開始方法が詳しく説明されています。また、ガイド付きエクスペリエンスのサンプルをデプロイする方法と、ビジネスニーズに合わせてガイドをカスタマイズする方法のデモも記載されています。この記事では、エージェントとマネージャーがステップバイステップガイドに期待できる事柄の大まかな概要を見ていきます。

エージェントエクスペリエンス
ステップバイステップガイドは、エージェントが必要とするコンテキストに沿った情報とアクションを明らかにすることで、新しいエージェントがオンボーディングし、能力を向上させ、より迅速に熟達できるようにします。ステップバイステップガイドの直感的なエクスペリエンスは、特定のカスタマーケースを処理するときのあらゆる時点で何をすべきかに関する明確な指示をエージェントに提供し、問題を自動的に特定することでエージェントが複雑なケースをより的確に管理できるようにサポートします。

例えば、お客様から電話がかかってきたときは、エージェントワークスペースが、お客様の履歴や現在のコンテキスト (航空券の予約など) に基づいて考えられる問題を、エージェントに自動的に提示します。その後、ステップバイステップエクスペリエンスが、問題をすばやく解決するために必要なアクションについてエージェントをガイドします (航空券の予約完了後にホテルを予約するなど)。

以下のスクリーンショットは、これが表示される方法の視覚的なイメージです。

ステップバイステップガイド

UI では、一連のシンプルな UI ページがエージェントに提供され、それが入力フィールドであるか、お客様にたずねる質問であるかを問わず、エージェントが一度に 1 つの事に集中できるようにします。エージェントはステップバイステップ方式で進み、お客様の問題を解決するために必要となる適切な情報を取得します。その間、エージェントは、プロセスが正常に完了したときにお客様に読み上げることができるスクリプトを受け取ります。

ワークスペースが間違ったワークフローを表示したことが判明した場合、エージェントはいつでもそのワークフローから離脱して、正しいワークフローを検索することで他のワークフローを見つけることができます。これは、ステップバイステップガイドがコンタクトのコンテキストに基づいて予測したワークフローが、エージェントが必要とする事柄に完全に一致しない場合に、エージェントが独自に適切なソリューションを見つけることを可能にします。

マネージャーエクスペリエンス
Amazon Connect には、Amazon Connect Flows と呼ばれるローコード、ノーコードビルダーが既に搭載されています。Flows は、お客様向けの IVR、チャットボット、およびルーティングロジックを構築するためのドラッグアンドドロップエクスペリエンスを提供します。ステップバイステップガイドの同一のローコード、ノーコード設定を有効にするため、Show View ブロックと呼ばれる Flows 内の新しいブロックがマネージャーに提供されるようになりました。ステップバイステップガイドを設定するドラッグアンドドロップエクスペリエンスは、マネージャーがエージェント用のカスタムワークフローを構築するために、コードの記述を開発者に依頼する必要がなくなることを確実にします。マネージャーは、後ほどエージェントをトレーニングするために、静的でわかりにくい手順に頼る必要もなくなります。

Contact Flow エディタ内の Show View ブロックの例

Contact Flow エディタ内の Show View ブロックの例

ステップバイステップガイドは、5 つの事前設定されたビューを活用して、Show View ブロック内ですばやく作成されます。ビューは、エージェントのワークスペースをカスタマイズするために使用できる UI テンプレートで、ビューのそれぞれが設定可能です。例えば、エージェントにコンタクト属性を表示する、処分コードを入力するためのフォームを提供する、通話メモを提供する、およびステップバイステップガイドでエージェントを誘導するための UI ページを表示するために、ビューを使用することができます。

以下の例は、お客様のために飛行機の往復チケットを予約する必要があるエージェント向けのガイドを作成するために使用できるビューです。この旅行の予約では、目的地への飛行機と帰りの飛行機をスケジュールし、旅行者の情報を収集して、追加のオプションについてたずねる必要があります。フォームビューを使用することで、エージェントはこれらの特定の手順のすべてを思い出す必要がなくなり、エージェントワークスペースのウィザードに従うことができます。各ステップでは、お客様の航空券をすばやく予約するために入力するフォームフィールド、または選択可能なオプションがエージェントに提供されます。

サンプル UI (ビュー)

サンプル UI (ビュー)

ステップバイステップガイドは、エージェントがスムーズに業務を行っており、新しいユースケースに適応していることを確実にするための新たな方法を事業運営チームが見出すためにも役立ちます。ステップバイステップガイドは、エージェントがコンタクト中に何をしているかに関する洞察をマネージャーに提供します。エージェントに表示される事柄、エージェントが行った決定、エージェントが異なるステップに費やした時間、およびエージェントが実行したアクションに関するデータがワークフロー中にキャプチャされ、ログ記録として保存されます。マネージャーはこのデータを使用して、ワークフロー、エージェント、およびカスタマーエクスペリエンスを改善できます。

まとめ
この記事では、ステップバイステップがコンタクトセンターのエージェントとマネージャーに提供する事柄について説明しました。AWS のお客様は、ガイド付きエクスペリエンスがアクションをワークフローに統合し、エージェントに表示される画面数を時には 5 画面から 1 画面に減らす方法について、高い関心を持っています。この記事で説明したすべてのメリットに加えて、ガイドはメンテナンスコストを 15〜20 パーセント節約する機会も提供します。

今すぐご利用いただけます
ステップバイステップガイドは、Amazon Connect を利用できるすべてのリージョン (AWS GovCloud (米国西部) とアフリカ (ケープタウン) を除く) で一般提供されています。

詳細については、「Getting started with step-by-step guides for the Amazon Connect agent workspace」(Amazon Connect エージェントワークスペースのステップバイステップガイドの使用開始) 記事を参照してください。フィードバックについては、AWS re:Post for Amazon Connect に送信するか、AWS サポート担当者までご連絡ください。

Veliswa x。

原文はこちらです。