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AWS Innovate: Migrate and Modernize 開催のお知らせ

こんにちは!AWS のソリューションアーキテクトの志村です。9 月 18 日 (木) に開催される「AWS Innovate: Migrate and Modernize」の見どころをご紹介します。

今回の AWS Innovate は、AI ネイティブな未来を見据えたクラウドへのマイグレーションとモダナイゼーションがテーマです。多くの企業では、オンプレミス環境で稼働する基幹システムやレガシーアプリケーションへの対応に、頭を悩ませているのではないでしょうか。また一方で、生成 AI をはじめとする最新テクノロジーを積極的に活用することで、どのように生産性を高めていけるか検討もしているかと思います。本イベントでは、AWS のエキスパートが実践的な移行手法とベストプラクティスを解説します。さらに、クラウド活用でビジネス価値の創出に成功したお客様の事例も紹介します。クラウドへの第一歩を踏み出そうとしている方から、すでに移行を進めている方まで、次のステップに向けた具体的なヒントが得られる内容となっています。今回は特に、AWS が実際のプロジェクトで得た知見に基づいて、生成 AI を活用した移行手法や将来の AI 活用を見据えた基盤作りについて深く掘り下げます。AWS が提供する豊富な移行支援ツールやパートナーエコシステムの活用方法、さらには効率的なマイグレーションとモダナイゼーションの実現方法まで、実践的な内容をお届けします。

2025 AWS Innovate Migrate & Modernize cover illustration

なぜ今、クラウド移行に取り組むべきなのか

企業の IT 部門では、日々の運用保守に忙殺され、新しい取り組みになかなか着手できない状況が続いています。特に、レガシーワークロードの維持管理が、イノベーションの足かせとなっているケースが多く見られます。一方で、生成 AI の急速な発展により、企業の戦略において AI 技術の活用が必須となってきました。特に注目すべきは、エージェンティック AI の台頭です。今後多くの企業において、アプリケーションに AI エージェントが組み込まれ、日常業務の意思決定が AI で行えるようになると期待されています。実際、Amazon でもシステム開発において AI エージェントを活用することで、年間 260 億 US ドルにおよぶ移行コスト削減を達成しています。

Agents AI evolution

このような変化に対応し、AI の恩恵を最大限に受けるためには、既存システムのクラウドへのマイグレーションとモダナイゼーションが不可欠です。マイグレーションとモダナイゼーションには、様々なアプローチが存在します。システムをそのままクラウドに移行する「リホスト」から、プラットフォームの最適化を行う「リプラットフォーム」、アプリケーションを刷新する「リファクタリング」まで、ビジネスニーズと技術ニーズの双方を考慮して戦略を選択します。一般的に、まずは現状のアセスメントを行い、システムの依存関係や制約を把握します。その上で、段階的な移行計画を立て、リスクを最小限に抑えながら実行していきます。特に重要なのは、単なるマイグレーションではなく、クラウドのメリットを活かした最適化を同時に検討することです。これにより、将来の変化に柔軟に対応できる基盤を整えることができます。

今回の AWS Innovate では、これらの背景や課題を噛み砕いて説明し、AWS が提供するソリューションやベストプラクティスをオープニングセッションと 6 つのトラックで紹介していきます。

セッションと見どころの紹介

オープニングセッション: AI 時代の移行戦略

オープニングセッションでは 2 つのパートに分かれています。前半では AI エージェントがもたらすマイグレーションとモダナイゼーションの革新について解説するとともに、AWS における実績も併せてご紹介します。また後半では、AWS クラウドの活用を「AI 技術を活用し、大きなビジネス価値を生み出すための布石」と位置づけ、AWS が長年の経験から得た知見と、なぜ今がクラウド移行のタイミングなのか、その背景と具体的なアプローチを示します。特に、AWS を活用することで得られる多くのベネフィット、移行のためのベストプラクティスおよび、それを支援するためさまざまな支援プログラムについても詳しく解説します。

実践知が詰まった 6 つのトラック

今回のイベントでは、以下の 6 つのトラックをご用意しています:

  • Microsoft トラック: Windows Server、SQL Server、.NET アプリケーションなどの運用最適化について、セキュリティ強化やコスト最適化を含む包括的な方法論を解説します。AWS Transform for .NET による生成 AI を活用した革新的なアプローチも紹介し、デジタルトランスフォーメーションを成功に導くための知見をお届けします。
  • VMware トラック: 先日一般提供を開始した Amazon EVS による迅速なマイグレーション手法から、AWS Transform for VMware を活用した革新的アプローチ、コンテナ化によるモダナイゼーションまで、包括的なソリューションを提供します。特化したツールや移行プログラムを活用し、コストとリスクを最小限に抑えた確実な移行方法を学べます。
  • SAP トラック: 数千を超えるお客様が AWS で SAP ワークロードを実行している理由と、ミッションクリティカルなワークロードの運用方法を解説します。SAP のマイグレーションにおける実績のあるアプローチ方法、SAP データ分析のためのモダンアーキテクチャや生成 AI 活用のアプローチなど、SAP システムの価値を最大化する方法を学べます。
  • Oracle トラック: ミッションクリティカルな Oracle 環境のマイグレーションについて、Amazon RDS、Amazon Aurora、Amazon EC2、Oracle Database@AWS など、多様な選択肢から最適な移行戦略を学べます。AWS の強力なインフラを活用し、セキュリティとスケーラビリティを確保しながらコスト効率を実現する具体的な方法を紹介します。
  • AWS テクノロジートラック: マルチアカウント環境でのガバナンスや、オブザーバビリティ(監視)、生成 AI による開発プロセスの改善など、実際の開発・運用現場で使える実践的な技術を紹介します。人の活動を支えるサービスにフォーカスを当て、Amazon Q Developer を活用した効率的な開発・運用方法を提供します。
  • お客様事例トラック: Microsoft や VMware、SAP、Oracle など、AWS への大規模なマイグレーションを成功させた実例から、推進体制の構築やセキュアな移行の実現方法を学べます。将来を見据えたモダナイゼーション戦略まで、実際の経験に基づく実践的な知見を得られます。

Innovate session agenda

明日のイノベーションは、今日の一歩から

テクノロジーの変化が加速する中、「変化への対応」と「イノベーションの実現」は避けて通れない課題となっています。AWS Innovate は、その解決の糸口を見つけられる絶好の機会です。一般的に組織の変化はテクノロジーの変化に比べてゆっくりとしか進みません。だからこそ、今から準備を始めることが重要です。より有意義な時間となるよう、自身や自社のマイグレーションおよびモダナイゼーションの状況を棚おろししていただくと同時に、実際に AWS のコンソールからサービスを立ち上げて触ってみていただけると、当日の理解がより深まると思います。

本ブログを通じて、AWS Innovate: Migrate and Modernize に少しでも興味を持っていただけた方は、ぜひイベントページから登録いただけると幸いです。当日はチャット形式のライブ Q&A も実施しますので、具体的なクラウド移行やモダナイゼーションの戦略、AWS サービス等についての疑問点、お悩みなどもお気軽にお寄せください。みなさまと会話できることを楽しみにしております!

ソリューションアーキテクト 志村