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AWS が Catena-X に加入し、世界の自動車・製造業界における透明性・協調性向上への取り組みをいっそう強化しました

Catena-X のメンバーシップに加わることで、業界のイノベーションの加速に貢献すると同時に、サプライチェーンやワランティ、サステナビリティなどの様々な課題の解決にも取り組んでいきます

サステナビリティ、コネクテッドカー、電動化は、自動車と製造業界全体の変革を推進している技術的課題のほんの一部にすぎません。 パンデミックや国際情勢を原因とした最近のサプライチェーンの混乱も、業界に新たな課題をもたらしています。 これらの要因を個々の企業で対処することは不可能なため、より緊密でデータドリブンなコラボレーションが必要とされています。

上記のような理由から、自動車業界は Catena-X Automotive Network e.V.  (以下、 Catena-X )を設立しました。 Catena-X は、自動車業界向けに信頼でき、協調的で、オープンでセキュアなデータエコシステムを構築することにより、透明性を高めることを目指しています。 このデータエコシステムは世界的に受け入れられ、グローバルに定着していくことが期待されます。 地域毎のハブを結ぶネットワークを介して、徐々にエコシステムとの接点が作られ、国際的に積極的で影響力の大きなプレイヤーのネットワークが構築されて行くことでしょう。 AWS は、Catena-X に参加し、このデータドリブンなコラボレーションを支援することで、世界の自動車および製造業界へのコミットメントを強化しています。

スタートアップからグローバル OEM に至るまで、多くの自動車関連のお客様が、人工知能 (AI)、機械学習、IoT、データ分析に関する AWS 独自の機能を活用して、サプライチェーンや製造業務の改善から、ソフトウェアで定義された車両や製品( Sofware-defined Vehicle/Product )、高度に自動化された自動運転システムまで、企業全体で価値を高めるための様々なソリューションを構築しています。

イノベーションはサステナビリティゴールを達成するための重要な要素です。また、データの活用は事業の脱炭素化や水資源の保護などの課題を解決する上で中心的な役割を果たします。 多くのお客様が AWS のサービスを利用してサステナビリティに関わるデータの収集、分析、管理を行い、カーボンフットプリントのトラッキングから省エネ、廃棄物削減に至るまで、様々なサステナビリティに関するソリューションを構築しています。 お客様とともに持続可能なビジネスを構築するために、AWS はグローバルインフラストラクチャにおける効率化と継続的なイノベーションに注力し、2025 年までに 100% 再生可能エネルギーを利用した事業運営を行うという目標に向けて歩み続けています。

AWS は世界で最も総合的で幅広く採用されているクラウドプラットフォームであり、コンピューティング、ストレージ、データベースなどの IT インフラストラクチャの提供から、機械学習や人工知能、データレイクや分析、IoT (モノのインターネット) などの新しいテクノロジーまで、200 を超える様々な機能のサービスを提供しています。 クラウドサービスや AI の利用は、データに関わるエコシステムの成長に欠かせない重要な要素です。 多くの組織や団体が AWS に信頼を寄せデジタルトランスフォーメーションに取り組んでいます。 私達は業界において、最も重要で機密性の高い資産はデータであることを理解しています。 AWS はお客様が描くデジタル化された未来の実現をサポートし、お客様やパートナーがクラウドを使いこなすことでイノベーションを加速し、国内外での競争に打ち勝つよう支援します。

自動車・製造業界におけるサプライチェーンのレジリエンス(回復力)と柔軟性の向上を支援する

AWS は Catena-X の一員として、自動車 OEM やサプライヤーの皆様が予知保全、ワランティ、サプライチェーンの変革、サステナビリティなどの分野で課題に取り組まれるのを支援することを楽しみにしています。 re:Invent 2022 で、私たちは AWS Supply Chain を発表しました。これにより、Amazon のサプライチェーンに関する知見を AWS のサービスを通して利用できるようになりました。 このサービスにより、データの統合や、機械学習を活用した実用的なインサイトの取得、需要計画の提供、同じデータを参照し、文脈を共有しながらの共同作業などが容易になり、様々な業界のお客様でご活用いただけます。 AWS はこれまでにも、お客様と協力して同じような課題に取り組んできました。2020 年、Bosch Mobility Solutions は、業界全体に適用可能なデータドリブン品質管理のためのサービスフレームワーク「 COVANTO 」をAWS 上に構築し、Catena-X のソリューションとして機能させることを提案しました。また同年、BMW グループと AWS は、BMW グループによる「 Cloud Data Hub 」を発表しました。 部品サプライヤーから整備工場までの幅広いステークホルダーがより優れた見える化とインサイトを得られるよう、BMW グループの業界知識と AWS のクラウド機能を組み合わせることで、両社の自動車業界全体への影響力を広げています。 AWS は、Catena-X に加わることで、この重要な取り組みを直接推進するために、自動車業界とのコラボレーションとサポートにおいて次のステップを踏み出します。

AWS は Catena-X のメンバーとして、アーキテクチャに関するガイダンスを提供し、Catena-X のコンセプトとソフトウェアコンポーネントを当社のクラウドサービスと緊密に連携させることを計画しています。 たとえば、AWS は Catena-X 技術アーキテクチャのコアコンポーネントである Eclipse Dataspace Components に対して、 オープンソースへの貢献 を始めています。 当社との Catena-X ユースケースにおけるコラボレーションに興味がある場合や、AWS 上のデータを Catena-X Dataspace に接続する方法についてのガイダンスが必要な場合は、こちらにお問い合わせください。

翻訳は Solutions Architect の黒田が担当しました。

原文はこちらです。