Amazon Web Services ブログ

週刊AWS – 2025/10/6週

みなさん、こんにちは。ソリューションアーキテクトの杉山です。今週も 週刊AWS をお届けします。

2025 年 11 月 21 日に、株式会社LangGenius、株式会社リコー、アマゾンウェブサービスジャパン合同会社が登壇する「企業の生成 AI 活用を加速する Dify Enterprise on AWS 〜セキュアなデータの活用とパートナー導入事例〜」のイベントが開催されます。Dify Enterprise の新機能紹介、機密性の高いデータを保有する企業システムと Dify の安全な連携手法、Dify 導入パートナーによる事例紹介を通じて、エンタープライズでの安全かつ効果的な生成 AI 活用の知見を提供します。物理開催のため、事前にお申し込みの上、ご参加ください。

それでは、先週の主なアップデートについて振り返っていきましょう。

2025年10月6日週の主要なアップデート

  • 10/6(月)
    • 新しいコンピュート最適化 Amazon EC2 C8i および C8i-flex インスタンス
      AWS が新しいコンピュート最適化インスタンス C8i と C8i-flex の一般提供を開始しました。カスタム Intel Xeon 6 プロセッサを搭載し、従来の Intel ベースインスタンスと比較して最大 15% のコスト削減と 2.5 倍のメモリ帯域幅を実現します。Web アプリケーションでは最大 60%、AI 推論では最大 40% の性能向上を達成します。C8i-flex は Web サーバーやデータベース向けで、料金が少し安価で採用しやすいタイプです。C8i は、CPU 負荷の高いシステム向けのインスタンスタイプです。バージニア北部、オハイオ、オレゴン、スペインリージョンで利用可能です。詳細はこちらの Blog 記事をご参照ください。
    • Amazon EKS と Amazon EKS Distro が Kubernetes バージョン 1.34 をサポート開始
      Amazon EKS と Amazon EKS Distro で Kubernetes version 1.34 のサポートが開始されました。Kubernetes 1.34 のアップデートの内容を一部取り上げると、コンテナイメージを取得する時のセキュリティが強化され、従来よりも安全にイメージの認証を行えるようになりました。また Pod 内の複数コンテナのリソース管理が簡素化され、より効率的なリソース配分が可能になります。既存クラスターは EKS コンソールや eksctl を使って簡単にアップグレード可能で、全ての AWS リージョンで利用できます。詳細はこちらのドキュメントをご参照ください。
  • 10/7(火)
    • AWS Service Quotas の自動 Quota 管理が一般提供開始
      AWS Service Quotas で自動クォータ管理機能が一般提供開始となりました。AWS Service Quotas は各サービスの利用上限 (Quota) を一元管理するサービスです。新しいアップデートで、Quota 使用量を監視し、上限に近づくと事前に自動通知を受け取れるようになります。これまでは Quota 超過でサービスが停止するリスクがありましたが、事前通知により計画的な対応が可能です。通知は email や SMS、Slack などで受け取れます。
    • AWS Marketplace が Channel Partner Private Offers の日本消費税サポートを拡張
      AWS Marketplace で日本の消費税サポートが拡張され、Channel Partner Private Offers (CPPO) にも対応しました。これまで、日本に住所を持つ ISV 会社 (SaaS 系) や Channel Partner が、日本のお客様に販売する場合、AWS Japan が 10% の消費税を徴収して、日本の税務当局に送金をしています。今回のアップデートで、Channel Partner Private Offers (CPPO) の取引においても、日本の消費税のサポートが拡大されました。CPPO とは、AWS パートナーが、AWS Marketplace に出品されている ISV製品・SaaS製品を、各ベンダーに代わって販売することができるプログラムです。詳細はこちらの FAQをご参照ください。
    • AWS Marketplace が使用量ベースのプライベートオファーで新しい通貨をサポート
      AWS Marketplace で Usage ベース (従量課金制) のプライベートオファーが EUR、GBP、AUD、JPY の 4 つの新通貨に対応しました。これまで、通貨が USD のみ利用可能でしたが、利用しやすい通貨で取引できるようになりました。外国為替リスクを回避でき、売り手は現地通貨での受取が可能となり、利用者は調達プロセスが簡素化されます。詳細はこちらのドキュメントをご参照ください。
    • Amazon DocumentDB (MongoDB 互換) が、アジア太平洋地域とメキシコの 4 つの新しいリージョンで利用可能になりました
      Amazon DocumentDB (MongoDB 互換) が大阪リージョン、タイリージョン、マレーシアリージョン、メキシコ中央リージョンで新たに利用可能になりました。Amazon DocumentDB は、MongoDB 互換のフルマネージドデータベースとなり、今回のアップデートでリージョンが拡張し、システムを構成しやすくなりました。
  • 10/8(水)
    • Amazon Q Developer がサービス料金の理解とワークロードコストの見積もりを支援
      Amazon Q Developer に新しく「価格・コスト見積もり」を行うための機能が追加されました。自然言語で AWS サービスの料金情報を取得できるため、人間が複数の価格ページを確認する手間を削減しやすくなりました。「RDS 拡張サポートの料金は?」「SNS で月 100 万通知の見積もりは?」といった質問を投げかけられます。AWS Management Console のチャットパネルから利用可能です。詳細はこちらのドキュメントをご参照ください。
    • 新しい汎用 Amazon EC2 M8a インスタンス
      AWS で新しい汎用 EC2 インスタンス M8a の提供が開始されました。5世代目 AMD EPYC プロセッサを搭載し、従来の M7a インスタンスと比較して最大 30% の性能向上と 19% のコストパフォーマンス改善を実現しています。メモリ帯域幅も 45% 向上し、レイテンシに敏感なワークロードにも対応できるようになりました。金融アプリケーション、ゲーム、レンダリング、アプリケーションサーバーなどの高性能が求められる用途に最適で、オハイオ、オレゴン、スペインリージョンで利用可能です。詳細はこちらの Blog 記事をご参照ください。
  • 10/9(木)
    • Amazon DynamoDB が Internet Protocol version 6 (IPv6) をサポート開始
      Amazon DynamoDB に VPC からアクセスする際に IPv6 がサポートしました。AWS PrivateLink Gateway および Interface エンドポイントを利用して VPC 内からアクセスする際に、IPv6 を利用した接続が可能となります。現在は米国リージョンで利用可能で、他のリージョンにも順次展開予定です。詳細はこちらのドキュメントをご参照ください。
    • Amazon Quick Suite の提供開始
      従来あった Amazon QuickSight が Amazon Quick Suite に名前がリブランドされました。組織内の全従業員がデータに触れながら新しいインサイトを得やすくする方向性へのリブランドとなります。AI を活用した新機能を 3 つピックアップすると、Quick Research : インターネット上の情報と社内のデータをかけ合わせて質の高いレポートを作成、Quick Automate : 複雑な多段階のビジネスプロセスを自然処理で定義しながら自動的に処理、Quick Index : 組織内のデータを MCP、S3、Gmail、Sharepoint などと連携してナレッジべースとして提供、といった機能が含まれています。社内データと AI を連携する仕組みを、より統合された形で提供することで、社内でのインサイト発見に活用しやすくなります。最大 25 ユーザーまで 30 日間の無料トライアルが利用でき、バージニア北部、オレゴン、シドニー、アイルランドリージョンで提供中です。東京リージョンについては、Qucik Suite の UI に変更されていますが、新たな機能は現時点では利用できません。詳細はこちらの Blog 記事をご参照ください。
  • 10/10(金)
    • AWS Client VPN が macOS Tahoe をサポート開始
      AWS Client VPN が MacOS Tahoe (バージョン 26.0) に対応しました。これまでも Mac 用の Client を提供していましたが、より最新の MacOS のバージョンに対応した形です。Client VPN ソフトウェアのバージョン 5.3.1 以降でサポートをしています。Client VPN は、リモートワークで自宅から会社のネットワークや AWS 環境に安全に接続したい場合に利用いただけるネットワーク系のサービスです。詳細はこちらのドキュメントをご参照ください。

それでは、また来週お会いしましょう!

著者について

Suguru Sugiyama

杉山 卓(Suguru Sugiyama) / @sugimount

AWS Japan のソリューションアーキテクトとして、幅広い業種のお客様を担当しています。最近は生成 AI をお客様のビジネスに活かすためにアイデア出しやデモンストレーションなどを多く行っています。好きなサービスは仮想サーバーを意識しないもの全般です。趣味はゲームや楽器演奏です