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AWSが加盟する欧州のクラウド推進団体CISPEが、クラウド調達時の仕様書作成に役立つホワイトペーパーを公開しました

2019年5月28日に、ヨーロッパの業界団体であるCISPE (Cloud Infrastructure Services Providers in Europe) から『“Buying Cloud Services in the Public Sector”(パブリック・セクターにおけるクラウドサービスの買い方)』と題したハンドブックが公開されました(こちらのCISPEのウェブサイトからダウンロードいただけます https://cispe.cloud/1983-2/)。

今回のハンドブックの狙い

CISPEは、ヨーロッパの数百万の顧客にサービスを提供するクラウドコンピューティング業界のリーダーの集まりです。AWSもCISPEのメンバーであり、今回のハンドブックの作成にあたっては、公共政策・法務・公共調達渉外等の各メンバーが全面的に協力することにより、コンテンツ構成や最終段階のピアレビュー等の各段階をリードしました。

“『パブリック・セクターにおけるクラウドサービスの買い方』ハンドブックの目的は、競争的な調達プロセス(Cloud Services Request for Proposal- RFP)を通じてクラウドサービスを調達したいと望んでいるものの、これまではそうしたCloud Framework Agreementに関する知見をお持ちでなかった機関向けに、ガイダンスを提供することです。(CISPEのウェブサイト)”。すなわち、パブリック・セクターのお客様がクラウドサービスの調達仕様書・要件定義書を作成するための考え方と合わせ、コピー&ペーストでそのまま調達仕様書・要件定義書に盛り込んでいただくことを想定してCISPEメンバーが書き下ろした具体的な表現例に関する提案がふんだんに盛り込まれています(ハンドブック中では青色でハイライト)。今回のこのハンドブックのこうした記載の多くは、AWSのこれまでの数多くのお客様との意見交換やベストプラクティスを反映したものとなっています。

 

「クラウド・バイ・デフォルト原則」と調達担当者にとっての意義

クラウドサービスに適合的な新しい調達仕様書を作り込むことは、調達担当者にとって容易ならざるチャレンジですが、今回のハンドブックは、日本政府が推進する「クラウド・バイ・デフォルト原則」(概要、及び政府CIO補佐官登壇資料)の下で具体的な調達プロジェクトに取り組む日本の調達担当者の皆様に、グローバルな議論の積み上げを豊富な具体的な表現例付きで知っていただく「教科書」としてご活用いただけるものと考えています。今後、AWSとしては、このハンドブックの日本語への翻訳を進め、日本のパブリック・セクターの皆様に更にご活用いただきやすくすると同時に、具体的な調達プロジェクトへの当てはめを含め、各機関からのご相談にも対応させていただきたいと考えています。【2020年7月追記:和訳版がその後、公開に至りました 具体的なご相談は、ぜひ、AWSパブリック・セクター公共調達渉外担当までお問い合わせください。

本ブログは、CISPEのウェブサイト上の投稿をもとに、アマゾンウェブサービスジャパン株式会社 パブリックセクター 統括本部長補佐(公共調達渉外担当)の小木郁夫が執筆いたしました。