SAP on AWS – 過去、現在、そして未来

私の多くのAWSの同僚がSAPPHIRE NOWの準備を進めていますが、AWSをSAP製品にとって最適な基盤とし、AWSをより良いものにするための計画を共有するためにも、これまでに実施してきたことを最新化する良い機会だと思いました。

これまでのストーリー
弊社のエンタープライズ顧客は、巨大なメモリ集約型のワークロードをAWSクラウドに持ち込みたいと思っています。特に、SAP HANAの大規模な本稼働環境の展開に重点を置いています。この重要な要件を満たすためにこれまで実施してきたことは以下のとおりです：

2016年5月 – クラウド上でSAP HANAを稼働する目的で構築された2TBメモリを搭載したx1.32xlargeインスタンスタイプを発表しました。

2016年8月 – 最大7ノード、つまり14TBメモリまでのスケールアウトクラスタのサポートとSAP認定を発表しました。

2016年10月 – テス​​ト用および小規模なSAP HANA展開に最適な、1TBのメモリを搭載したx1.16xlargeインスタンスタイプを発表し、両方のX1インスタンスのリージョンの利用可能範囲を拡大しました。

2017年5月 – 最大17ノード (34TBメモリ)の非常に大規模なスケールアウトのSAP HANAクラスタのSAPサポート、および4TBのメモリを搭載したx1e.32xlargeインスタンスタイプを発表しました。

2017年11月 – x1.32xlargeを最大25ノード (50TBメモリ)のさらに大規模なオンデマンドのSAP HANAクラスタのSAPサポートを発表しました。

途中、ブルックスブラザーズ、Visy、住友化学、ケロッグといったお客様と協力して、AWS上でビジネスクリティカルなHANAの実装を構築しています。これらのお客様 (および他の多くの企業)は、クラウドへの移行の一環として、敏捷性を改善し、コスト削減を実現し、パフォーマンスを向上させました。

ここで、今すぐ
ご存知かもしれませんが、C5およびM5インスタンスは、最新のIntel® Xeon® スケーラブル・プロセッサー (Skylake)を搭載しており、新しい軽量かつハードウェアアクセラレーションを使用できるNitro Hypervisorを採用しています。どちらのタイプのインスタンスもSAPによって完全に認定されており、前世代と比較して顕著なパフォーマンスの向上を実現しています。Nitro Hypervisorは、ホストシステムのソフトウェアコンポーネントを削除することで、仮想化されたEC2インスタンスに一貫したパフォーマンスと増加したコンピューティングおよびメモリリソースを提供します。これにより、お客様にサーバーのリソースのすべてを提供できるようになり、より大きなインスタンスサイズ (c5.18xlargeなど)を提供することができます。

ここ数年の進歩を示す指標として、m2.4xlargeインスタンス上に初めてSAP認定のNetWeaverを導入した時は、7,400SAPS (vCPUあたり925)を提供していました。現在、m5.24xlargeインスタンスでは、これまでで最高のパフォーマンスである135,230SAPS (vCPUあたり1,409)を提供することができます。C5およびM5インスタンスの新しいSAPベンチマークとSAPSの測定を読めば、詳細を確認できます。

作業中 – より多くのメモリを搭載したインスタンス
SAPとのコラボレーションは、お客様にクラウドでミッションクリティカルなSAPシステムを実行するための選択肢を提供することを目的に2008年に始まりました。SAPと連携して2014年にはHANAの本稼働展開を可能にし、現在ではHANAを稼働することをSAPが認定した広範囲のEC2インスタンスを提供しています。

私たちの目標は、可能な限り簡単にHANAを稼働し、様々なアプリケーションやインストールに適したインスタンスサイズを提供することです。昨年のSAPPHIRE NOWカンファレンスでは、8TB〜16TBのメモリを搭載したEC2インスタンスの提供計画を発表しました。今日、これらのインスタンスの仕様とサイズについてもう少し詳しくお話したいと思います。

SAP HANAのミッションクリティカルな展開を実行するように設計された、6TB、9TB、および12TBのメモリを搭載したハイメモリのEC2ベアメタルインスタンスを提供開始する予定です。既存のベアメタルインスタンスと同様に、これらのインスタンスでは、EC2ファミリーの本格的なメンバーとしてクラウドのすべての利点にアクセスできるようになりつつ、基盤となるハードウェア上でオペレーティングシステムを直接稼働できます。

このインスタンスは、Intel Xeon スケーラブル・プロセッサー (Skylake)で構成された8ソケットプラットフォームで実行されます。VPCで起動し、標準でENAベースの拡張ネットワーキングとEBS最適化を提供し、EC2 Dedicated Hostsで利用できます。通常の方法で起動し、IAMを使用して認証、認可、および監査を制御することができます。インスタンスは、それぞれ最大16TBのデータを格納する複数のEBSボリュームを使用して、伸縮自在な容量を利用できます。

私は新しいインスタンスを触る機会はありませんでしたが、私の同僚がいくつかのスクリーンショットを共有してくれました！6TBメモリを搭載したインスタンスのdmesgの出力結果の一部です：

そして、以下はlscpuの表示結果です：

今年の夏にこれらのインスタンスをプライベートプレビューとして利用できるようにし、今秋には一般利用可能にする予定です。確かに12TBのインスタンスは大きな前進ですが、それで止まるつもりはなく、さらに大きなものに取り組んでいます。16TB以上のメモリを搭載したインスタンスも同様に作業中です！

これらの新しいインスタンスのプライベートプレビューに参加したい場合は、ぜひお問い合わせください。

Amazon AppStream 2.0を使ったSAP GUI
他のSAP on AWSのニュースとして、Amazon AppStream 2.0を使用してHTML5と互換性のある任意のブラウザでSAP GUIを表示できるようになりました。

これは、すべてのデスクトップにSAP GUIをインストールするためのクリーンでシンプルで効率的な代替方法です。クライアントとサーバー間のデータ転送量が少ないため、ユーザーの生産性と同様に応答時間が向上します。インストールされた何百または何千ものSAP GUIのコピーを一元的に管理されたイメージに置き換えることによって、全体的な管理作業が削減されます。

ユーザーがSAP GUIを利用できるようにするこのクールな新機能の詳細については、Amazon AppStream 2.0を使ったSAP GUIの展開をご覧ください。

SAPPHIRE NOWでお会いしましょう
AWSチームは今週開催のSAPPHIREのブース642で出展しており、ブース内のシアターで私たちのチーム、お客様、およびパートナーが一連のセッションを予定しています。また、多くのお客様が、イベントのセッションでお客様ストーリーをお話しされます。聴講可能なセッションとアクティビティの一覧はこちらをご覧ください。

— Jeff;

翻訳はPartner SA 河原が担当しました。原文はこちらです。