Amazon Web Services ブログ
株式会社ジェネコム、Amazonの「Working Backwards」手法で顧客体験を起点としたFileMakerソリューション開発の進化を目指す
本ブログは株式会社ジェネコム様と Amazon Web Services Japan 合同会社が共同で執筆しました。
みなさん、こんにちは。Amazon Web Services(以下 AWS)アカウントマネージャーの岩上です 。
株式会社ジェネコム(以下、ジェネコム)様において、顧客体験を起点としたFileMakerソリューション開発の強化とAWSクラウドサービスの活用促進を目指す取り組みの一環として、AWS主催の「Working Backwardsワークショップ」を開催しました。Claris FileMaker開発のPlatinumパートナーとして3,000以上のプロジェクト実績を持つジェネコム様の営業部門・開発部門から10名の社員の皆様にご参加いただき、顧客中心の発想やチームビルディング、実践的なアイデア創出を体験していただきました。
この記事では、ジェネコム様にご参加いただいたワークショップの模様についてご紹介させていただきます。
ジェネコム様について
ジェネコム様は、Claris FileMakerを活用したシステム開発とAWSクラウドサービスの提供を通じて、お客様のDX推進を支援する企業です。特に、独自のAWS定額制サービス「gcmCloud」により、FileMakerシステムのクラウド環境を迅速かつ柔軟に提供しています。
本セッションを開催するにあたり、ジェネコム様からは以下のような課題とご期待を頂戴しました。
- 顧客視点の価値の明確化への課題感:事業成果を意識したサービス設計は進んでいるが、顧客視点での価値創出にはさらなる注力が必要だと認識している。本セッションを通じ、お客様の本質的な課題から逆算して考えるプロセスを体験し、顧客中心の発想を組織に根付かせたいという強いご要望がありました。
- gcmCloudサービスの拡販強化:gcmCloud は Claris FileMaker と AWS の強みを活かした高品質なクラウドサービスです。しかし、認知度はまだ低く、さらなる普及が課題ですClaris FileMakerの運用に加え、AWSサービスとの柔軟な連携という優位性を活かし、多様なビジネス課題解決に貢献できる点を広く発信することで、認知向上と拡販施策を強化したいという強いご要望がありました。
- 11月開催予定の Claris カンファレンスでの効果的なアピール:本セッションで得た知見を活かし、AWS と Claris FileMaker 連携によるセキュアな生成 AI 導入など、新しいユーザー体験を事例とともに発信したい。これにより、ジェネコム様の技術力を示し、gcmCloud サービスの認知向上と市場展開の加速を目指したいというご要望がありました。
体験版 Working Backwards セッションについて
Amazonの「Working Backwards」とは、「お客様は誰ですか?」 から始まる5つの質問を通じて、本当に必要なサービスを企画・開発していく手法です。具体的には、最初にプレスリリース(以下 PR)を書くことで、これからつくるプロダクトやサービスを明確にします。このPR文章とFAQ(よくある質問)を通じ、顧客起点のサービス価値について深く考えます。
今回実施した「体験版Working Backwardsセッション」は、お客様を中心とした創造的課題解決アプローチのエッセンスを簡易に体験いただくワークショップです。個人ワークを中心とした約2.5時間のマイクロ版と、個人ワーク・グループワークの両方を行う約4時間のミニ版セッションがありますが、今回は前述の顧客中心の発想を組織に根付かせたいという課題に取り組むため、グループワークを含むミニ版をご選択いただきました。
セッションは具体的には以下の流れで進行しました。
- セッションテーマの設定。今回は事前に「FileMaker × AWSを活用した利用者の新たなユーザー体験とは?」と合意
- 「お客様は誰か」「どんな課題をどう解決するか」を個人で考え、グループで議論しつつ定義
- 初期のアイデアを深掘りし、解決策を考え、それらを盛り込んだPR文案を作成
- グループ間でPR文をレビューし、アイデアを更に発展させるためのディスカッション
このプロセスを通じて、参加者はお客様中心のサービスデザインや、課題から考える逆算思考を体感し、実際の業務への応用イメージを膨らませることができました。
また参加者の理解度にばらつきがあることを考慮し、前半パートではAWS岩上によるAWS基礎、ジェネコム高岡CEOによる FileMaker の基礎について座学を組み込み、理解度の底上げを図りました。
体験版 Working Backwards セッションのワーク内容
実施効果と参加者の声
参加者は2つのチームに分かれ、対面とリモート参加のハイブリッド形式で実施。各チームには営業・開発両部門のメンバーを配置し、多様な視点からの議論を促進しました。
ワークショップ中議論の模様
実施効果と参加者の声
ワークショップ後のアンケートでは、全体満足度4.77(5点満点)と非常に高い評価をいただきました。参加者からは以下のような声が寄せられています:
「難しかったですが、何回も同じようなワークを繰り返すことで改善できるものと思うので、今後対応していきたい」(営業部門)
「当社スタッフに足りないスキルを学ばせていただきました。スタッフ達は、このワークショップを経験したことで、いくつもの気付きを得ることができたと思いますので、本日教わったことを社内でさらに煮詰めていきたいと思います。」(CEO)
特に、顧客視点でのサービス価値の創出プロセスや、部門を越えた協働の重要性について、深い気づきを得られたとの評価をいただきました。
今後の展望
本ワークショップを通じて得られた知見を活かし、ジェネコム様はFileMakerとAWSを組み合わせたソリューションの更なる進化を目指されています。AWSは引き続き、パートナー企業様と連携しながら、ジェネコム様のビジネス成長とイノベーション推進をご支援してまいります。
本記事公開時点では、体験版Working Backwardsセッションは招待制のイベントとなります。AWS側の担当者がお客様の状況を鑑みてご案内差し上げておりますので、予めご了承ください。


