Amazon Web Services ブログ
株式会社トライト、Amazonの「体験版 Working Backwards セッション」で顧客体験起点のサービス開発とイノベーション推進を加速
本ブログは株式会社トライト様と Amazon Web Services Japan 合同会社が共同で執筆しました。
みなさん、こんにちは。Amazon Web Services(以下 AWS)アカウントマネージャーの竹中です 。
株式会社トライト(以下 トライト)様において、顧客体験を起点としたサービス企画・開発の強化とイノベーション創出・意思決定の迅速化を目指す取り組みの一環として、AWS 主催の「体験版 Working Backwards セッション」を東京・大阪の2拠点で計5回開催しました。保育士、看護師、介護職、歯科衛生士向けキャリア支援サービスを担当する約66名の多様な職種の皆様にご参加いただき、顧客中心の発想やチームビルディング、実践的なアイデア創出を体験していただきました。ワークショップの満足度は94.5%と高く、今後のサービス開発・改善活動に向けた大きな一歩となりました。
この記事では、トライト様にご参加いただいたセッションの模様についてご紹介いたします。
トライト様について
トライト様は、医療福祉を中心とした、社会的ニーズの高い専門職向けの人材サービスとデジタルソリューションを展開し、求職者と事業者をつなぐ重要な役割を担っています。また、近年では医療福祉現場の業務効率化や生産性向上を目的に、ソフトウェアやデジタルツールの提供、AI・DX 推進支援などを行っています。このような事業の成長とともに、サービスやプロダクトの企画・開発において、より一層「お客様体験」を起点とした価値創出が求められるようになりました。
本セッションを開催するにあたり、トライト様からは以下のような課題とご期待を頂戴しました。
- 顧客視点の価値の明確化への課題感:サービス設計において事業成果を優先しがちになり、顧客視点での価値の創出に注力しきれていない課題。本セッションを通じ、お客様の本質的な課題から逆算して考えるプロセスを体験し、顧客中心の発想を組織に根付かせたいという強いご要望がありました。
- 多職種間のコミュニケーションと相互理解の促進:サービスに関わる多様な役割間でのコミュニケーションや相互理解が不足しているという課題。ワークショップを通じて、実際のサービスデザインさながらのチームビルディングを実現したいという期待が寄せられていました。
- イノベーション創出と意思決定スピードの向上:変化の激しいビジネス環境において、新規サービスの企画や既存サービスの改善にスピード感やイノベーションが不足している課題。普段の業務を離れ、フラットな場で本質的に価値あるアイデアをスピーディーに議論・具体化する実践的な方法論を体験したい思いがありました。
体験版 Working Backwards セッションについて
Amazonの「Working Backwards」とは、「お客様は誰ですか?」 から始まる5つの質問を通じて、本当に必要なサービスを企画・開発していく手法です。具体的には、最初にプレスリリース(以下 PR)を書くことで、これからつくるプロダクトやサービスを明確にします。この PR 文章と FAQ (よくある質問)を通じ、顧客起点のサービス価値について深く考えます。
今回実施した「体験版 Working Backwards セッション」は、お客様を中心とした創造的課題解決アプローチのエッセンスを簡易に体験いただくワークショップです。個人ワークを中心とした約2.5時間のマイクロ版と、個人ワーク・グループワークの両方を行う約4時間のミニ版セッションがありますが、今回は前述のチームビルディングの課題に取り組むため、グループワークを含むミニ版をご選択いただきました。
セッションは具体的には以下の流れで進行しました。
- セッションテーマの設定。今回は事前に「インターネット上で、転職活動を行う特定業界の求職者様のストレスフリーな転職体験の向上」と合意
- 「お客様は誰か」「どんな課題をどう解決するか」を個人で考え、グループで議論しつつ定義
- 初期のアイデアを深掘りし、解決策を考え、それらを盛り込んだ PR 文案を作成
- グループ間で PR 文を相互にレビューし、アイデアを更に発展させるためのディスカッション
このプロセスを通じて、参加者はお客様中心のサービスデザインや、課題から考える逆算思考を体感し、実際の業務への応用イメージを膨らませることができました。
体験版 Working Backwards セッションのワーク内容
実施効果と参加者の声
体験セッションを東京会場で3回、大阪会場で2回開催し、計66名のトライト社員様にご参加いただきました。参加者の職種はビジネスエキスパート、CRM、デザイン、マーケティング、開発、企画など多岐にわたり、管理職の方も含まれました。また、東京第2回セッションでは、AWS のプレミアティアサービスパートナーである株式会社サーバーワークス様に開催のご協力をいただきましたこと、この場を借りて御礼申し上げます。
ワークショップ中議論の模様
全5回のワークショップ終了後のアンケート(1 ~ 5の5段階で満足度を評価)では、参加者の94.5%が「4」または「5」と高い満足度を示しました。以下にセッションご参加者様の声の一部をご紹介します。
- 「お客様に対する解像度を上げることがより良いサービスを作れることにつながる」ということを実感しました。4時間があっという間に経ちました(開発)
- 複数の職種のメンバーが介してサービスについて検討するという機会は多くないので、とても新鮮でしたし必要な事だと強く感じました(マーケティング)
- ペルソナから課題、解決サービスまでをかなり作り込んだつもりでしたが、第三者の視点では指摘箇所が沢山あると気付きました。改めて顧客視点で考える大切さと、その密度の重要性を感じました(マーケティング)
- 業務では数日間煮詰めて考えるようなことを短時間でスピード感もって出来たので、プロトタイプ作成などで活かせそうです(開発)
ご紹介した意見以外にも、顧客を中心とした課題から逆算することの意義や、多様なフィードバックを取り入れつつアジャイルにアイデアを改善するプロセスに関心を持ったといったお声を多数頂戴しました。
また、ワークの途中で生成 AI を取り入れたことにより、文章作成効率を向上して更に深い議論に発展できたことや、生成 AI の利用方法そのものを理解できたといった副次的なメリットも感じていただけました。
全4回のセッションを通じ、トライト事務局の通地 浩樹氏からは「弊社 UXD 本部開発部の部門重点目標である『組織横断的な協働による顧客への価値提供』の実現を目的とし、ワーキングバックワーズを実施いたしました。本取り組みではサービス全体を見据え、多様な役割の方々との協働による思考の機会を得ることができ、各部署からも好評を得る有意義なワークショップとなりました。ご参加・ご支援賜りました皆様に、心より御礼申し上げます。」とコメントを頂戴しています。
今後も AWS は、トライト様のビジネス成長とイノベーション推進に貢献できるよう、パートナー企業様と連携しながらご支援を続けてまいります。
本記事公開時点では、体験版Working Backwardsセッションは招待制のイベントとなります。AWS側の担当者がお客様の状況を鑑みてご案内差し上げておりますので、予めご了承ください。