AWS JAPAN APN ブログ

[内製化支援推進] ANGEL Dojo 2025 活動報告と結果発表!

今年度の ANGEL Dojo について、2025 年 10 月 17 日に「最終発表会」を、2025 年 10 月 31 日にその最終発表会で優秀な成績を収めたチームによる「頂上決戦」を実施しました。本記事では、ANGEL Dojo 期間中の活動と最終発表会・頂上決戦での様子をレポートいたします。

ANGEL Dojo の概要や今年の参加企業については、2025 キックオフのブログをご覧ください。

ANGEL Dojo の期間中の活動

今年度の ANGEL Dojo は 7 月 17 日に開始しました。キックオフの当日には、Amazon 流のモノづくりの考え方である Working Backwards について説明しました。Working Backwards とは Amazon で開発するすべての商品やサービスの根幹にある、顧客起点で考えるメカニズムです。顧客のニーズを起点に、顧客のベネフィットを明確にし、顧客のために発明する方法をワークショップで体感いただきました。

8 月 8 日にはすべてのチームから Working Backwards の考え方に基づいてプレスリリースを提出いただきました。Working Backwards におけるプレスリリースとは、開発前に、サービスの概要、ユーザーに与える価値、想定されるユーザーの声などを具体的に記載するドキュメントです。各チームは、ユーザーのペルソナや課題、ユーザーの体験を深く分析してサービスを企画検討しました。

サービスの企画を完成させた後は、設計・開発フェーズにて実際にサービスのアーキテクチャ設計やプロトタイプの作成を進めました。ANGEL Dojo の活動中、自主的に勉強会をしているチームもあり、お互いに切磋琢磨してスキルを高められていました。活動全体を通じて、自身の成長のために学び、それを他の方に共有する意識の強い参加者が多かったという印象を受けました。

参加者の皆様の知識を広げていただき、最大限の成長をしていただくために、AWS Japan からも多くの講義やワークショップを提供しました。講義は「アジャイル・スクラム」や「モブプログラミング」といったチームの開発方法を扱ったもの、「AWS Well-Architected Framework」「Solutions Architect によるライブアーキテクチャレビュー」などのアーキテクチャをより良くするためのもの、「プレゼンテーションセミナー」をはじめとする課題やソリューションを効果的に伝えるためのスキルを学べるものなど、多岐に渡りました。

図 1. 期間中の活動

最終発表会にて活動の成果をプレゼンテーション!

10 月 17 日に最終発表会を開催しました。最終発表会ではすべてのチームが「ユーザーが抱える課題と解決策」「アーキテクチャ図」「サービスのデモ」を含めたプレゼンテーションを実施しました。最終発表会では、ビジネス面と技術面の観点でそれぞれ 1 位と 2 位の計 4 チームを参加者投票によって選定しました。

  • ビジネス面
    • 解決するべき課題に寄り添い効果的な解決策を提示できているか
    • ペルソナを元に現状をみて課題を定義できているか
    • 効果的な解決策の提案ができているか
  • 技術面
    • チームにとって新しい挑戦的な取り組みになっているか
    • 継続開発を意識した設計ができているか
    • ユーザー企業がリードして開発を進められるような体制やシステム構成を作れているか

見事、選定されたのは以下のチームです。おめでとうございます!

ビジネス面

  • 第 1 位:株式会社グリーンハウス / NRIネットコム株式会社 チーム
    • 『菜AI』~ 栄養士の働き方改革!「負担」を最小化、「美味しい」を最大化するソリューション ~
  • 第 2 位:兵庫県立リハビリテーション中央病院 / 株式会社アンチパターン / 富士ソフト株式会社 チーム
    • 『ReSched』~ AI でスケジュール管理に革命を! 患者に寄り添う医療を加速!~

技術面

  • 第 1 位:株式会社NTTドコモ / デロイト トーマツ ウェブサービス株式会社 チーム
    • 『mody』~ 品質を犠牲にせず、スピードを加速する!AI 審査アシスタント ~
  • 第 2 位:アイレット株式会社 / ARアドバンストテクノロジ株式会社 チーム
    • 『SafeTalk』~ AI があなたの伝え方をサポート!ハラスメント防止チャットツール ~

全てのチームの発表が、実際に動くアプリケーションのデモを作成されているだけでなく、中間発表でのフィードバックをうまく取り入れ機能追加や改善に取り組まれていました。また、すべてのチームがサービスに生成AI の機能を組み込んでいるだけでなく、AWS Well-Architected Framework を意識したアーキテクチャを検討・構築されている点も素晴らしかったです。さらに、ソフトウェア開発をサポートする生成AI アシスタントサービス Amazon Q Developer 等の生成AI ツールを活用し開発を進められていたチームも多く、開発効率の向上にも取り組まれていました。

頂上決戦と頂点に輝いたチーム!

2025 年 10 月 31 日に最終発表会の受賞チームの中から最優秀チームを決めるイベントとして「頂上決戦」を開催しました。ANGEL Dojo での素晴らしい成果をぜひ多くの皆さんに知っていただきたいという想いから、YouTube Live で生配信を行いました。頂上決戦にあたって経済産業省 商務情報政策局 情報産業課 AI産業戦略室 課長補佐 木村紘太郎氏から、「内製化は企業にとって選択肢ではなく必須条件であり、単なる技術の導入ではなく企業文化や働き方を変革する壮大なチャレンジである」という内製化に対する力強い言葉をいただきました。

最優秀チームの選出は、以下の AWS Japan の審査員による合議で決定しました。

  • 代表執行役員社長 白幡 晶彦
  • 技術統括本部 パートナーセールスソリューション本部 本部長 / 広域事業統括本部 テクニカルソリューション本部 本部長 相澤 恵奏
  • 事業開発統括本部イノベーション事業開発本部 シニア事業開発マネージャー 櫻井 直子

図 2. 頂上決戦の様子

審査の結果、見事優勝されたのは株式会社グリーンハウス / NRIネットコム株式会社 チームの皆様でした。栄養士を取り巻く現状と明確な課題設定と AI を活用した献立の最適化という効果的な解決策だけでなく、栄養士の業務効率化に加えてフードロスや仕入れのコストカットの効果にも繋がるような将来の継続性を意識した開発体制、クラウドの拡張性を活かしたアーキテクチャ設計をされていた点が評価され受賞となりました。最後に、白幡から「ANGEL Dojo では、テクノロジーの民主化によって、誰もが簡単にテクノロジーを使い目の前の問題を解決できることを引き続き推進していきたい」という思いが語られ、ANGEL Dojo 頂上決戦は終了いたしました。頂上決戦のアーカイブは Amazon Web Services Japan 公式 YouTube チャネルで視聴可能です。

まとめ

今年度は、ユーザー企業とパートナー企業が協力してユーザー企業の内製化に取り組むという新たな試みを行いました。この取り組みを通じて、お互い切磋琢磨しながら、個人だけではなくチームとしての成長をされていました。参加者からは『ユーザー企業とパートナー企業が一緒になって課題を解決する構成がとてもよく考えられている』、『他社と一緒に開発を進める貴重な機会だった』、『ユーザー企業の考え方を学べた』といった声をいただいており、今回の試みが内製化への大きな一歩となったことを実感していただきました。ご参加いただいた皆様が、ANGEL Dojo の正式名称である AWS Next Generation Engineers Leaders Dojo という名前の通り、次世代のエンジニアリーダーになり IT を牽引される人材となっていただければ幸いです。

最後になりますが、ご参加いただいた皆様、ご協力いただいた皆様に改めてお礼を申し上げます。ありがとうございました。

ANGEL Dojo の過去の取り組みについては、APN Blog:Tag: ANGEL Dojo でご覧いただけます。