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24 時間を支部リレーで走り切る — JAWS SONIC 2026 & MIDNIGHT JAWS 2026 の裏側

2026-11-04 | Author : JAWS SONIC 2026 & MIDNIGHT JAWS 2026 実行委員メンバー

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はじめに

こんにちは。
2026 年 9 月 5 日(土)12:00 から 9 月 6 日(日)12:00 にかけて、JAWS-UG(AWS User Group - Japan)は 24 時間のオンライン学習型イベント「JAWS SONIC 2026 & MIDNIGHT JAWS 2026 — THE MARATHON」を開催いたしました。参加した支部は 56、登壇者は 150 名以上、申し込み人数は 1,121 名となりました。

本記事では、28 名の実行委員メンバーを代表して、実行委員長の加藤から、AI 時代に突入してから開催された 24 時間イベントの裏で生まれたシステム、クリエイティブについてお話しいたします。

 

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本イベントの特色

まずは前提として学習型イベントの分類について簡単に触れさせてください。

学習型イベントは、大きくは次の 3 つの軸で分けられると考えます。

  • 開催形式:オンライン (配信) / オフライン (会場) / ハイブリッド
  • コンテンツの種類:講演型 (セッション、LT、パネディスカッションなど) / 参加型 (GameDay、Workshop、もくもく会など)
  • コンテンツの集め方:応募型 (CfP など)  / 依頼型

JAWS SONIC & MIDNIGHT JAWS は、基本を「オンライン/講演型/依頼型」としつつ、一部に GameDay などの参加型コンテンツを組み合わせた形をとっています。

その上で、本イベントにおいて特筆すべき点は次の 4 点です。

  • イベントの合計時間が 24 時間 (※)
  • JAWS-UG 各支部のコアメンバーが登壇者
  • 深夜帯に日中帯よりもエンターテインメント色の強いコンテンツを用意
  • 学習型イベントの型は保ちつつ、ユーザーグループにとってのお祭り (フェス) の空気を持たせる

※ 通常の勉強会では 2 ~3 時間、カンファレンスイベントではトラックを並列にした上で 6 ~ 9 時間が一般的と思われます。

開催の背景・サブタイトルに込めた思い

前章でご説明したような特色の原型は、第 1 回にあります。

JAWS SONIC & MIDNIGHT JAWS は、2020 年に一度、1,400 名以上を動員して開催されており、今回が 2 回目の開催となります。

第 1 回は、コロナ禍でオフライン型の学習イベントの中止が続き、ユーザーグループ全体に不安や喪失感がただよっていた最中と伺っています。そうした思いを原動力に変えるべく、24 時間というインパクトにフェスの要素を重ねて開催されたのが本イベントの始まりです。

ご存じのとおり、今ではコロナ禍の影響も落ち着き、勉強会の多くがあるべき姿に戻り、オフラインの価値をより強く感じる方が増えたのではないでしょうか。JAWS-UG でも、二大年次カンファレンスである JAWS DAYS や JAWS FESTA をはじめ、さまざまな定期イベントを安定して開催できる状態が続いています。

一方で、現地開催のカンファレンスには、その他のさまざまな事情で足を運びづらい層の方々も相変わらず存在します。そうした方々にも、ユーザーグループが一丸となって何らかの体験や接点を届ける機会を作りたい。そして、普段は別々に活動を行うユーザーグループリーダー同士にとっても、合流地点になれば。そんな思いを、第 1 回の実行委員長からのバトンとして受け取り、第 2 回の企画をはじめた我々が掲げたサブタイトルが「THE MARATHON」です。

このサブタイトルには、24 時間を走り切った参加者同士に、「同じ時間を共有した」という思い出と、そこで生まれた繋がりを残したいというメッセージを込めました。

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「支部リレー」で作ったタイムテーブル、スペシャルゲスト Dr. Matt Wood 氏のキーノート

昨今の学習型カンファレンスでは、コンテンツの質の担保 (あるいは運営意図の反映) と登壇者数の確保の両面から、Call for Proposals (CfP) 型が採用されることが多いように見受けられます。

一方で今回は、JAWS-UG の各支部に登壇者となっていただく立て付けのため、基本は依頼型を採用しました。

実際にユーザーグループリーダー全体に協力を募ったうえで、ご賛同いただいた支部へ、セッション班から 1 支部ずつお声がけし、コミュニケーションを重ねていきました。

結果として、多くの支部にご賛同・ご登壇いただけることとなりましたが、その時点ではこちらから個人を指名する依頼ではないため、そこから支部内での登壇者の決定、深夜や早朝といった都合をつけにくい時間帯でのご登壇に加え、事前の告知や幕間の動画に使う素材のご提供、事前リハーサルへのご参加など、多くのお願いをすることにもなりました。

それでも 60 以上のコンテンツが並ぶタイムテーブルを穴なく実現できたのは、これまでさまざまな機会を通じ、ユーザーグループが育んできた信頼関係と、ユーザーグループリーダーの皆さまの貢献心がベースにあってこそと感じています。

また、今回のイベントでは、AWS の Chief AI & Technology Officer である Dr. Matt Wood 氏にキーノートのコンテンツをお寄せいただきました。

各支部の皆さま、そしてビッグゲストへのオファーに向けてさまざまなご調整をいただいた AWS コミュニティマネージャーの沼口さんに、実行委員を代表して熱く感謝申し上げます。

当日のセッションはアーカイブを公開しています。ぜひ こちら からご覧ください。

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AI を使いスピーディに構築、展開したコンテンツ

支部のセッションの他にも、本イベントでは複数の企画を用意し、実行委員や企画協力者が随所で AI を駆使しました。

企画や配信に使うシステムにとどまらず、動画や広告のクリエイティブまで、さまざまなものが実行委員とその手元の AI との間から生まれています。

平たく言えば、「AI があるのでこちらで叩きを作っておきますね」という腰の軽さが全員の中に存在する時代です。追加のアイディアや変更点を取り込んだり、捨てたりすることが容易となり、意思決定をよりライトなものにしてくれました。

ここからは企画ごとにその中身に触れていきたいと思います。

ソニック動体監視マラソン

本企画は、サブタイトルにちなみ、動体監視機器を携帯した 5 名のランナーが、関東圏に設定されたスポットをめぐって 4 時間にわたり実際に走り続けるというものでした。

本配信ではスタートと結果発表のみを扱い、企画本編は公式サイト上の特設ページでお届けしました。ページ上部にはランナーの現在地を示す地図と、巡ったスポット数に応じた合計ポイントを表示。下部には「ランナーカメラ」と呼ばれる YouTube の埋め込みを置き、走行中の様子を中継しました。

ランナーカメラは、ランナーと「マネージャー」と呼ばれる解説者が Zoom に入り、その映像を YouTube へ送出する形です。マネージャーは解説に加えてランナーの体調の確認を含めた安全面のサポートも担当し、ランナーとのやりとりそのものをコンテンツとして楽しんでいただけるようにしました。

地図システムは、対象スポットの半径 200m にジオフェンスを設定し、ランナーがその中に入るとポイントが加算される仕組みでした。視聴者には 5 名の合計ポイントを予想して X に投稿していただき、結果は配信内で発表しました。

今回使用した動体監視機器が位置情報を送る間隔は、最短 60 秒に 1 回です。なお、動体監視機器はランナー 1 人あたり 2 台ずつ携帯していただき、冗長化しています。

ランナーがスポットに到着したことを観測できないまま通り過ぎてしまわないよう、ジオフェンスの半径を検討したり、到着時に写真を X にアップしていただいたりといった対策を取りました。

ランナーカメラ映像をサイトに設置したことも、60 秒に 1 回の画面更新のみではコンテンツに注目し続けていただくのに弱いのではないか、という議論がもととなっています。

また、同一ランナーが同一スポットで重複加点されないようにするといった裏側のロジックだけでなく、ジオフェンス進入時にランナーアイコンの表情が変わる、アイコンのクリックで対象ランナーにクローズアップする、加点のたびに地図上をパルスが走るといった演出面の工夫もしました。

本イベントで作成したマラソンの様子は こちら をご覧ください。

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ZEKKEN BINGO

ZEKKEN BINGO は登壇者や関係者にランダムにお配りしたゼッケンの番号を使ったビンゴ企画です。

参加者にはブラウザ上で自動生成される 5×5 マスのビンゴカードを取得していただき、配信画面に映ったゼッケンを実行委員が目視して管理画面から番号を登録し、各参加者のカードに自動で反映される仕組みです。

結果として 258 名が参加し、187 名が一列以上の BINGO を達成しました。

イベント全体を考えると、深夜から早朝にかけては、どうしても視聴数が落ち込むため、「起きて配信を見続けたい」と思ってもらえる動機は多いに越したことはありません。ゲーム性のある企画に参加することで、視聴するだけではない体験をお届けし、その様子が SNS 上で広がることを期待するものでした。

こちらも、アイディアが登場した時点で実行委員のひとりが AI に叩きを作らせ、採用を決めたその日のうちにサイト班がアプリの作成に着手。数日でルールと見た目をブラッシュアップし、完成しました。

また、本企画は確率の見積もりがそのままゲーム性に直結するため、ルールの調整にも AI が活躍しました。結果として「誰もそろわないのでは」「逆に早く終わりすぎるのでは」といった不安も杞憂に終わり、ほぼ理想どおりに進行しました。

本イベントで作成したビンゴの結果は こちら をご覧ください。

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SWISHY JAWS (ミニゲーム)

SWISHY JAWS はイベント開始前から公開し、参加できるようにしたワンボタンプッシュ型のミニゲームです。

こちらも、AI と壁打ちしながら作成し、最終的には 250 名以上のユーザーが参加しランキングを競ってくれました。

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動画作成

本イベントでは、クリエイティブのビジュアルに特に力を入れたい、という方針を実行委員に伝えて始動しました。その宣言通り、デザイン班とは別に専門の動画作成班を置いています。

CM 動画のディレクションにも挑戦し、関西圏の実行委員が演者とカメラマンとなり、動画素材の撮影にも臨みました。

幕間動画に使うジングルは、従来、それを専門に提供する会社へ、タイトルをシャウトする音源を発注していましたが、今回は月額 10 ドル程度の音楽生成 AI プラットフォームを契約し、プロンプトからジングルや BGM を数千曲ほど生成。その中から厳選したものを採用しています。

また、配信先が YouTube であるため、著作権などの問題に抵触したくない、という思いもありました。配信に使う音源については、限られたフリー音源の中から使いやすい曲を探しただけでなく、プロンプトを通して自分の納得のいく音楽を作りました。権利のクレジット表記に気を遣っていた時代から、AI を使って音楽を作る時代になった、という実感を確信に変えることができたと思っています。

一方で、開催前から動画の作成や編集そのものを AI に丸投げするのはまだ難しいと感じていましたが、実際にその通りでした。

素材レベルでも、AI 臭さと言われるものを受け入れることができないことが多く、言語→映像→言語→映像という繰り返しに辟易し、イメージを言葉で伝えることの難しさを痛感するものでした。

作成した動画は、ぜひ こちら をご覧ください。

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SWAG

本年は、「THE MARATHON」というサブタイトルにあわせてスポーツウェアタイプのシャツを作成し、登壇者には前述の ZEKKEN BINGO で使うゼッケンも同梱しました。

これらのデザインには、今回 AI を利用していません。印刷業者に入稿するデータには、画像のベクター化や文字のアウトライン化、裁ち落としの確保、色指定、仕上がりイメージが出たあとの調整といった対応が求められるため、デザインを本業とするメンバーに実行委員として加わっていただき作成しました。

一方で、SUZURI のよう在庫を抱えず、作った静止画をそのまま載せて注文するような媒体では、可能なものはどんどん思いつきで追加していきました。細かい話ですが、AI で切り抜き (背景透過) が簡単にできるようになったことは大きな助けとなりました。

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配信環境

当日の配信は、普段から勉強会のオンライン配信オペレーションをサポートする JAWS-UG 配信部のメンバー 9 名体制で臨みました。うち 7 名は実行委員を兼任しています。

本イベントでは、JAWS-UG が普段の勉強会でも利用している StreamYard というサービスのみで配信する方針を採用しました。

これまで JAWS-UG で開催された 24 時間配信イベントでは、Amazon IVS をベースに配信基盤を自前で構築していましたが、本イベントにはリアルタイムの言語翻訳のような特別な要件はなく、OBS (Open Broadcaster Software) のようなソフトウェアで画面レイアウトを細かく作り込む必要もありませんでした。

また、実際に当日の配信を行う人員も新たに StreamYard の基本的な操作の習熟が不要だったことが決め手となりました。触り慣れたサービスだけで長時間の配信を問題なく行えた、という実績をユーザーグループに残す意義もあったと思っています。

Streamyard を検証をしてみると、StreamYard にはストレージに保管できる動画が 1 本あたり約 10 時間までという上限があることがわかりました。そのため、配信ルームを 3 つに分け、3 つの URL をサイトの 1 ページに埋め込むことで、視聴者は配信の切り替え時もページ内のスライド操作で移動できるように工夫しました。

また、タイムテーブルどおりの進行を確実にするため、次の登壇者が控え室に何分に来るか、何分に登壇が終わっていなければならないかといった情報をアラーム音とともに表示する配信オペレーションツールを作成し、使用しました。

そのほか、当日は配信の本拠点に加えてレンタルスペースを借り、マラソンや一部のパネル企画の会場としました。ここで必要になるカメラや、マイクなどの専門的な機材は、配信のアドバイザーを務める実行委員が提供してくれたものです。

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深夜のオンライン AWS GameDay

深夜 2 時から朝 6 時までは、障害対応をテーマにした AWS GameDay を開催しました。日本の AWS ソリューションアーキテクトの方々が本イベントをきっかけにいちから作成してくださったものです。

通常の AWS GameDay はチームで挑む形式ですが、今回は参加者がひとりで障害に立ち向かうシングル戦のシナリオでした。

深夜開催にもかかわらず、イベント開催前に 100 名の申し込み枠が埋まりました。

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広報

広報班は、これまでご紹介したさまざまなコンテンツを発信し続けました。具体的な施策はここでは割愛しますが、月ごとに数値目標を設定し、毎月それを上回ることができました。

また、終了の瞬間まで募集を受け付けていたこともあり、開催中に 160 名以上の方が SNS 上の盛り上がりを見て参加してくれたことがわかります。

冒頭でお伝えした 1,121 名という申し込み数は、当初目標としていた数値を大きく上回りました。素材となる企画やクリエイティブの制作と、広報の発信が滞りなく連携できたことに加え、登壇者の皆さまがさまざまな場で告知にご協力くださったおかげです。

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さいごに

ここまでお読みくださり、ありがとうございました。

ご参加いただいた皆さまの中から、このイベントが何かのきっかけとなり、AWS やユーザーグループにご興味が湧いた、あるいはご自身に何らかの影響があったという方がいらっしゃったら、それが我々実行委員の一番の喜びです。

全国の JAWS-UG 各支部でも、日々勉強会が開催されています。ぜひ、お近くの支部やオンラインの勉強会にも足を運んでみてください。

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筆者プロフィール

JAWS SONIC 2026 & MIDNIGHT JAWS 2026 実行委員メンバー

相原 遼、足立 和生、板谷 藍子、板谷 郷司、市野 和明、稲村 鉄平、奥田 雅基、尾谷 紘平、加藤 裕士、木原 卓也、木村 健一郎、小巻 玖美、五味 なぎさ、榊原 和哉、佐藤 竜也、中村 勇太、西 貞臣、早川 裕志、深津 新太郎、藤原 洋平、古里 武士、古屋 啓介、堀尾 諒平、前原 良美、松岡 文雄、吉江 瞬、若松 正美