刑事司法情報ソリューション向けの AWS の使用

概要

CJIS Security Policy には、基盤となる情報技術モデルにかかわらず、「保存中または送信中を問わず、CJI (刑事司法情報) のライフサイクル全体を保護するための適切な管理」の概要が記載されています。AWS で構築されたソリューションを使用することで、機関は、AWS クラウドでアプリケーションとデータを管理および保護できます。

AWS は、公安機関とそのアプリケーションパートナーが、CJIS Security Policy と整合する、可用性と回復性が高く、安全なアプリケーションを構築するために利用できるビルディングブロックを提供します。AWS のお客様は、データの完全な所有権とコントロールを維持します。これは、機密性の高いお客様データのライフサイクル全体を管理できる、シンプルで強力なクラウドネイティブツールへのアクセスを通じて可能になります。お客様は、データの保存場所と、送信中および保存中のデータを保護するために使用される方法を排他的にコントロールし、AWS 上に構築された情報システムへのアクセスを管理します。

刑事司法情報 (CJI) を適切に保護し CJIS Security Policy への準拠を維持するには、多くのセキュリティ管理により、承認された個人のみに CJI へのアクセス権を与えることが重要です。最小限の権限の原則は、「知る必要がある、知る権利を持つ」の標準に基づいた CJIS Security Policy の最も基本的な基盤の 1 つです。AWS のお客様は、CJI を安全に暗号化し、CJI へのすべてのアクセスを暗号化キーにアクセスできるユーザーのみに制限することにより、最小限の権限を適用できます。お客様には、機関や信頼できるパートナーが AWS Key Management Service (KMS)AWS Nitro System などの刑事司法データを完全に管理および所有できるようにする AWS のサービスとツールが提供されます。

AWS KMS は、FIPS 140-2 で検証されたハードウェアセキュリティモジュール (HSM) を使用し、お客様がすべての暗号化のための独自のカスタマーマスターキーを作成、所有、および管理できるようにします。これらのカスタマーマスターキーは、AWS KMS FIPS 検証済みのハードウェアセキュリティモジュールを暗号化された状態で維持することはありません。また、AWS の担当者に知られることはありません。

AWS Nitro System は、仮想コンピューティングハイパーバイザーを実行するために特別に設計された専用のハードウェアとサーバーを使用します。従来のサーバーに見られる余分で不要なポート、コンポーネント、機能をすべて排しています。AWS Nitro System のセキュリティモデルはロックダウン型です。管理者アクセスを禁止し、人的エラーや不正の可能性をなくします。お客様は、永続ストレージ、インタラクティブアクセス、外部ネットワーキングを備えていない AWS Nitro Enclaves を選択して、機密性の高いデータをさらに保護し、安全に処理するための分離されたコンピューティング環境を作成することもできます。

対称暗号化キー用の FIPS140-2 検証済みハードウェアセキュリティモジュールを使用した AWS Nitro System と AWS Key Management Service の技術的進歩により、暗号化されていない CJI への個人による「アクセス」の要件充足性を確認する方法としての物理的セキュリティとバックグラウンドチェックに依拠する従来の方法を用いる必要がなくなりました。従来のアプローチは CJIS Security Policy のもとで最小限のコンプライアンスを達成するのに役立ちますが、強力な暗号化手法を使用して「最小限の権限」の原則を導入し、CJI アクセスを「知る必要がある」、「知る権利を持つ」、および明示的な許可を持つ人に制限するセキュリティとは比べ物になりません。これにより、お客様とアプリケーションプロバイダーは、すべての AWS 従業員が CJI と、CJI を保存、処理、送信するデバイスに物理的および論理的にアクセスできないようにするソリューションを構築できます。

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