Redis 用 Amazon ElastiCache は Redis 互換のインメモリデータ構造サービスで、データストアやキャッシュとして使用できます。Redis の使いやすさと能力に加え、最も要求の厳しいアプリケーションに適した可用性、信頼性、スケーラビリティ、セキュリティ、パフォーマンスを実現します。このサービスは完全マネージド型で、拡張性と安全性に優れているため、ウェブ、モバイルアプリケーション、ヘルスケアアプリケーション、金融アプリケーション、ゲーム、アドテクノロジー、IoT といった、高いパフォーマンスが必要なユースケースに最適です。プロビジョニング、パッチ適用、バックアップ、復旧、障害検出、修復など、時間のかかる専門的な作業が不要になります。料金の前払いや長期の契約は不要です。使用する各 Redis ノードに対して単純な月額方式の料金が発生します。

このサービスはノードの障害やエンジンのクラッシュを自動的に検出して復旧するように設計されています。マルチ AZ と自動フェイルオーバーを利用すると、レプリカノードを複数の AWS アベイラビリティーゾーン全体に分散させて高可用性を実現できます。プライマリノードに障害が発生すると、最大 5 個のリードレプリカのいずれかに自動的にフェイルオーバーします。

AWS マネジメントコンソールで数回クリックするだけで、キャッシュクラスターまたはレプリケーショングループをすばやく起動し、要件に合わせて設定できます。AWS では、様々なノードサイズに加えて、ボタンを押すだけの垂直スケーリングも提供しており、555 MiB の RAM から開始して、最大 635.61 GiB の RAM まで拡張できます。さらに、Redis クラスターモードを有効にすると、ダウンタイムなしで拡大縮小し、変化する需要に適応するためのオンラインのクラスターサイズ変更がサポートされます。

管理性

使いやすさ

Redis 用 Amazon ElastiCache の開始方法は簡単です。AWS マネジメントコンソールを使用するか、単一の API コールを実行して、新しいキャッシュクラスターまたはレプリケーショングループを起動するだけです。リソースは適切なパラメータと設定で事前に構成されています。また、キャッシュパラメータグループにより Redis 環境の詳細な管理と微妙なチューニングが可能になります。Redis リソースを起動すると、数分以内にアプリケーションを接続できます。追加の設定は不要です。

完全マネージド型の Redis

ソフトウェアのパッチ管理、障害検出と復旧など、時間のかかる管理タスクが自動化されます。これにより、より大きな価値のあるアプリケーション開発を追求できます。基盤となる Redis のインメモリデータベース環境にネイティブアクセスすることもできます。これにより、Redis 用 Amazon ElastiCache を既存の Redis ツールやアプリケーションと一緒に使用するのが容易になります。

モニタリングおよびメトリクス

Amazon CloudWatch メトリクスにより、Redis リソースの詳細な情報を把握できます。追加のコストは発生しません。AWS マネジメントコンソールを使用して、Redis インスタンスの 20 を超える主要な運用メトリクスを確認できます。メトリクスには、コンピューティング、メモリの使用状況、キャッシュのヒット率、アクティブな接続、Redis レプリケーション、Redis コマンドなどが含まれます。

イベント通知

スナップショット作成の完了、予定されたノード置き換えなど、重要なイベントの通知をメールまたは SMS で受け取ることができます。AWS マネジメントコンソールまたは API を使用して、Redis リソースに関連する別のイベントの情報を取得できます。

タグ付け

追跡および請求の目的でキャッシュクラスターや Redis スナップショットにタグ付けして利用できます。Cost Explorer を使用して、コストが発生しているリソースやリソースグループを特定し、共通のタグセットを共有するリソースの集合を簡単に作成、維持できます。

可用性および信頼性

マルチ AZ

マルチ AZ で自動フェイルオーバー機能を活用することにより、可用性を最大化できます。複数の AWS アベイラビリティーゾーンを活用して可用性を確保し、単一ノードの読み込み容量の制限を超えてスケールできます。プライマリノードが使用できなくなった場合に、自動的に障害を検出してリードレプリカへフェイルオーバーを行い、より高い可用性を提供します。手動での操作は必要ありません。

インスタンスのモニタリングと修復

サービスによってインスタンスの状態が継続的にモニタリングされます。ノードに障害が発生するか、パフォーマンスが低下した状態が続くと、ノードと関連プロセスを自動的に再起動します。

バックアップ、復元、エクスポート

クラスターのスナップショットを作成することによりデータを保護します。コンソールで数回クリックするか、シンプルな API コールを使用して、自動スナップショットを設定することや、手動のバックアップを開始することができます。これらのスナップショット、または S3 に保存された Redis RDB 互換の任意のスナップショットを使用すると、新しい Redis 用 ElastiCache クラスターをシードできます。また、災害対策、分析、クロスリージョンのバックアップや復元の目的で、スナップショットを任意の S3 バケットにエクスポートすることもできます。

クロスリージョンの災害対策

Amazon ElastiCache for Redis の Global Datastore は、高速で、信頼性が高く、安全なフルマネージド型クロスリージョンレプリケーションを提供します。Global Datastore を利用すると、あるリージョンで ElastiCache for Redis クラスターに書き込み、他の 2 つのクロスリージョンレプリカクラスターからこのデータを読み取ることができるようになります。これにより、リージョンをまたいだ災害復旧が可能となります。まれにリージョンの劣化が発生した場合、健全なクロスリージョンレプリカクラスターの 1 つを、完全な読み取り/書き込み機能を持つプライマリクラスターに昇格させることができます。昇格は通常、開始後 1 分以内に完了し、このためアプリケーションは中断することなく利用可能です。

スケーラビリティ

ワークロードのスケーリング

API を使用する、またはAWS マネジメントコンソールで数回クリックすることによって、既存の Redis 構成を簡単に拡大縮小できます。

非クラスターモードの場合は、最大 635.61 GiB まで、より大きなノードタイプに拡大できます。Redis の拡大は、既存のデータを保持するために最大の努力を払うよう設計されており、Redis レプリケーションが正常に実行されることが必要となります。

Redis 用 ElastiCache クラスターは、実行中のクラスターに対してシャードの追加と削除を行う機能を提供します。最大 250 個のノードとシャードがサポートされるため、1 秒あたり 4860 万回の読み取りと 970 万回の書き込みができる、最大で 155.17 TiB (170.6 TB) のインメモリデータに拡大できます。Redis クラスターのワークロードは、需要の変更に適応するように拡大縮小できます。ElastiCache ではシャードの追加や削除、および新しいシャード設定でのハッシュスロットの均一な再分散によりクラスターのサイズが変更されますが、クラスターはオンラインのままで、リクエストにも対応します。既存のノードのエンドポイントは保持されるため、アプリケーションの更新は必要ありません。

エンジンの容易なアップグレード

Amazon ElastiCache API または AWS マネジメントコンソールを使用して、Redis クラスターを、利用可能な最新バージョンのエンジンに簡単にアップグレードできます。オンラインのエンジンのアップグレードプロセスは、既存のデータをベストエフォートで保持するように設計されており、Redis レプリケーションが成功する必要があります。

リードレプリカを使用した読み取りパフォーマンスの最大化

プライマリノードごとに Redis リードレプリカを最大 5 個まで追加し、複数のインスタンスからの大容量のアプリケーション読み込みトラフィックに対応できます。それにより、全体の読み込みスループットを向上できます。

ローカルで書き込み、グローバルに読み込む

Global Datastore を利用すると、あるリージョンで ElastiCache for Redis クラスターに書き込み、他の 2 つのクロスリージョンレプリカクラスターからこのデータを読み取ることができるようになります。これにより、低レイテンシーのローカルでの読み取りが可能となります。一般的なクロスリージョンレプリケーションレイテンシーは 1 秒以下で、アプリケーションはリージョン間にわたり迅速なデータアクセスが可能です。

高可用性と災害対策

Amazon ElastiCache for Redis は、自動フェイルオーバーによってプライマリノードの障害を検知してレプリカをプライマリに昇格させることで、影響を最低限に抑えながら高可用性を実現できます。ElastiCache の自動フェイルオーバーの詳細を見る »

Amazon ElastiCache は Global Datastore によりクロスリージョンレプリケーション機能も提供します。Global Datastore を利用すると、あるリージョンで ElastiCache for Redis クラスターに書き込み、他の 2 つのクロスリージョンレプリカクラスターからこのデータを読み取ることができるようになります。まれにリージョンの劣化が発生した場合、Global Datastore の健全なクロスリージョンレプリカクラスターの 1 つを、完全な読み取り/書き込み機能を持つプライマリクラスターに昇格させることができます。これによりアプリケーションは中断することなく利用可能です。Global Datastore の詳細を見る »

容易にスケール可能

Amazon ElastiCache for Redis では、小規模の Redis データから始め、アプリケーションの拡大に応じて最大 170.6 TB のインメモリデータを持つクラスターまで簡単にスケールすることができます。Redis Cluster 環境を最大 250 のノードと 250 のシャードにまでスケールできます。ダウンタイムなしにオンラインで Redis クラスター内のクラスターサイズを変更してスケールアウトやスケールインが実行できます。これにより、書き込みキャパシティーをスケールして需要の変化に適応できます。ElastiCache では、読み込みキャパシティーをスケールするために、複数のアベイラビリティーゾーン全体で最大 5 つのリードレプリカを追加できます。ElastiCache のスケーリングの詳細を見る »

Amazon ElastiCache は Global Datastore によりクロスリージョンレプリケーション機能も提供します。Global Datastore を利用すると、あるリージョンで ElastiCache for Redis クラスターに書き込み、他の 2 つのクロスリージョンレプリカクラスターからこのデータを読み取ることができるようになります。これにより、リージョンをまたいだ低レイテンシー読み込みが可能となります。 Global Datastore の詳細を見る »

セキュリティ

ネットワークの隔離

Redis 用 Amazon ElastiCache を使用すると、リソースを Amazon Virtual Private Cloud (Amazon VPC) 内で実行できます。Amazon VPC では、ノードに使用する IP 範囲を指定することにより Redis リソースを切り離し、同じ Amazon VPC 内の別のアプリケーションに接続できます。VPC での Amazon ElastiCache の詳細については、Amazon ElastiCache ユーザーガイドを参照してください。また、このサービスでは、リソースへのネットワークアクセスを管理するファイアウォールを設定できます。

暗号化

Amazon ElastiCache for Redis では、安全なノード間通信の転送時の暗号化と保管時の暗号化をサポートしています。これらの機能は、個人を特定できる情報 (PII) の保護に役立ちます。転送時の暗号化機能を使用すると、Redis サーバー間 (プライマリノードとリードレプリカノード) だけでなく、クライアントと Redis サーバー間のすべての通信を暗号化できます。保管時の暗号化機能を使用すると、Amazon S3 のディスク使用量とバックアップを暗号化できます。また、Amazon ElastiCache for Redis は AWS KMS 統合を提供します。これにより、カスタマーが管理する CMK を暗号化に使用できます。さらに、Redis AUTH コマンドを認証の追加のレベルに使用できます。Redis 用 ElastiCache によって証明書の発行、更新、および有効期限が自動的に管理されるため、ユーザーが証明書のライフサイクルを管理する必要はありません。

API レベルの許可

AWS Identity and Access Management (IAM) の機能と Amazon ElastiCache を連携させて使用すると、AWS IAM ユーザーおよびグループが Amazon ElastiCache リソースに対して実行できるアクションを管理できます。例えば、IAM ルールを設定して、特定のユーザーは読み取りアクセスのみ、管理者はリソースの作成、変更、削除が可能となるようにできます。API レベルの権限付与の詳細については、Amazon ElastiCache に対する AWS IAM ポリシーの使用を参照してください。

Redis 認証とアクセスコントロール

Redis は、Redis AUTH コマンドによる認証、ロールベースアクセス制御 (RBAC)、ElastiCache ユーザーにマッピングできる IAM ID を使った IAM 認証に対応しています。詳細については、Identity and Access Management を参照してください。

コンプライアンス

Redis 用 ElastiCache では、SOC 1、SOC 2、SOC 3、ISO、MTCS、C5、PCI、HIPAA、FedRAMP などのコンプライアンスプログラムがサポートされています。サポートされているコンプライアンスプログラムの最新のリストについては、コンプライアンスプログラムによる AWS 対象範囲内のサービスを参照してください。

コスト効率

実際に使用した分のみ料金が発生

お支払いいただくのは、実際に消費したリソースの分のみです。オンデマンド料金では、時間単位でのメモリおよびコンピューティング性能の使用量に対して料金が発生します。長期契約は必要ありません。そのため、Redis 用 Amazon ElastiCache を使用するとコスト効果が非常に高くなります。詳細については、Amazon ElastiCache の料金ページをご覧ください。

貴重な時間と専門知識を節約

Amazon ElastiCache for Redis はクラウド規模に対応できるように設計されています。そのため、堅牢で可用性と信頼性に優れた Redis 環境の設定と管理に必要な時間と専門知識を節約できます。

JSON サポート

Amazon ElastiCache は、オープンソースの Redis に含まれるデータ構造に加えて、JavaScript Object Notation (JSON) ドキュメントのネイティブなサポートを追加コストなしで提供しています。JSON ドキュメント用に設計および最適化された組み込みコマンドを使用することで、アプリケーションの開発を簡素化できます。ElastiCache は、JSON ドキュメントの一部のアップデートと、JSONPath クエリ言語を使用した高機能な検索およびフィルタリングをサポートしています。JSON サポートは、Redis 6.2 以降を使用している場合にご利用いただけます。詳細については、ElastiCache ドキュメントを参照してください

Amazon ElastiCache for Redis の料金の詳細

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