AWS IoT FleetWise を使用すると、車両データを収集して整理し、そのデータをクラウドでのデータ分析のために標準化された方法で保存できます。

AWS IoT FleetWise は、インテリジェントデータ収集機能を使用して、ほぼリアルタイムでデータをクラウドに効率的に転送するのに役立ちます。これらの機能により、設定可能なパラメータ (車両の温度、速度、メーカーとモデルなど) に基づいてデータを収集および転送するタイミングのルールを定義することで、転送されるデータの量を削減できます。

データがクラウドに保存されると、車両の状態を分析するアプリケーションに使用できます。この分析により、潜在的なメンテナンスの問題をより迅速に特定したり、車載インフォテインメントシステムをよりスマートにしたりすることができます。自動運転や先進運転支援システム (ADAS) などの高度なテクノロジーを改善する機械学習 (ML) モデルにデータをフィードすることもできます。

AWS IoT FleetWise は、希望するデータシグナルのみをクラウドに転送するために定義したルールを適用します。まず、車両の属性 (2 ドア クーペなど) と、車両のメーカー、モデル、トリム (エンジン温度、車速、パーキングアシストシステムなど) に関連付けられたセンサーを定義します。次に、特定の車両タイプの温度や速度の変化などのパラメータに基づいて、そのデータを転送するタイミングに関するルールとイベントを定義します。ルールベースのデータ収集により、クラウドに転送される不要なデータの量が削減されるため、より有用なデータが提供されます。

AWS IoT FleetWise を使用して、クラウド内の車両の仮想表現を構築し、共通のデータ形式を適用して、車両の属性、センサー、および信号を構造化およびラベル付けします。AWS IoT FleetWise は、Vehicle Signal Specification (VSS) を使用して車両データモデリングを標準化するため、速度などの信号は常に「vehicle_speed」として表され、時速キロメートル (km/h) で測定されます。車両のモデル化が完了したら、CAN データベース (DBC) ファイルなどの車両ネットワークファイルをアップロードします。AWS IoT FleetWise は、車両のネットワークを介して送信された固有かつ独自のデータ信号を読み取ります。

AWS IoT FleetWise の Edge Agent を作成し、車両とクラウド間の通信を容易にします。Edge Agent の開発には、AWS IoT FleetWise 用の Edge Agent リファレンス実装を使用します。これは、車両データ収集用に設計され、ほとんどの組み込み Linux ベースのプラットフォームで実行できる、完全な機能を備えた組み込みソフトウェアの一部です。

お客様の Edge Agent を車両ゲートウェイ、テレマティクスコントロールユニット (TCU)、または車両のその他のデータ収集ハブにインストールします。パートナーページにアクセスして、参照ハードウェアのリストを確認します。リストは、Edge Agent で新しい参照ハードウェアが検証されるにつれて、拡充されていきます。また、Edge Agent リファレンス実装を、希望するターゲット Linux ベースハードウェアに移植することも簡単です。「デベロッパーガイド」で移植に関する情報をご覧ください。

お客様の Edge Agent は、AWS IoT FleetWise からデータ収集スキームを継続的に受信し、それに応じてクラウドへの転送のためにデータを収集できる必要があります。お客様の Edge Agent を使用すると、作成からインストールまでのプロセスのすべてのステップを制御し、完全なデータ所有権と専有情報のコントロールを維持できます。

AWS IoT FleetWise を使用すると、クラウド設定のデータ収集スキームを車両にデプロイし、ビジネスニーズの変化に応じていつでもクラウドの設定を簡単に更新できます。例えば、タイヤの圧力を 30 秒ごとに収集するように設定されたタイヤのモニタリングスキームがある場合、60 秒ごとにデータを収集するように更新できます。

車両モデル用の標準化された車両センサーと信号の一元化されたリポジトリを使用します。新しい車両モデルを作成するときに信号を再利用することで、時間を節約できます。