投稿日: Feb 17, 2021
Amazon Elasticsearch Service に分散型トレース用の新機能、Trace Analytics が追加されました。デベロッパーや IT オペレーターがこの機能をご使用になれば、分散型アプリケーションで発生しているパフォーマンス上の問題を見つけ出し、その修正を行うことができます。これにより、問題の解決へ時間が短縮されます。
Trace Analytics では、分散型アプリケーションでのパフォーマンスと可用性の問題をトラブルシューティングする手段が、デベロッパーと IT オペレーターに対し提供されます。各コンポーネントやサービスから個別のログおよびメトリクスを収集する従来の方法では手に入らない、エンドツーエンドのインサイトを獲得できるようになります。Amazon Elasticsearch Service に既に備わっているログ分析機能に、新たなトレースデータを追加することで、このサービスを、パフォーマンスの問題の発生源を切り離すことや、その根本原因を探ることにも利用できるようになりました。Trace Analytics では、Cloud Native Computing Foundation (CNCF) プロジェクトの 1 つである OpenTelemetry がサポートされます。これにより、API、ライブラリー、エージェント、収集サービスの単一のセットが提供され、分散型のトレースとメトリクスをキャプチャーできます。またお客様は、アプリケーションを修正する必要なく、Trace Analytics を活用していただけます。
現在、Trace Analytics では、オープンソースの OpenTelemetry Collector と互換性のあるライブラリーと SDK から入手できる、一連のトレースデータがサポートされています。これらのライブラリーには、OpenTelemetry SDKs、X-Ray SDKs、Jaeger、および Zipkin SDK が含まれます。また、Trace Analytics では、OpenTelemetry 用の、APIs、SDK、およびエージェントとコレクターのディストリビューションの 1 つである、AWS Distro for OpenTelemetry とも統合されています。これは、パフォーマンスが良く安全な OpenTelemetry ディストリビューションであり、AWS でサポートされたものです。AWS Distro を OpenTelemetry 用に使用すると、複数のモニタリングソリューションで使用するためにトレースやメトリクスを収集できます。これらのソリューションには、Amazon Elasticsearch Service や AWS X-Ray (トレースデータ用) や、Amazon CloudWatch (メトリクス用) などが含まれます。Trace Analytics の設定と使用の詳細については、ドキュメントを参照してください。
Trace Analytics は、Elasticsearch 7.9 以降を実行しているすべての Amazon Elasticsearch Service ドメインで、世界各地の 24 のリージョンにわたってサポートされています。対象リージョンは、米国東部 (バージニア北部、オハイオ)、米国西部 (オレゴン、北カリフォルニア)、AWS GovCloud (米国東部、米国西部)、カナダ (中部)、南米 (サンパウロ)、アフリカ (ケープタウン)、中東 (バーレーン)、欧州 (アイルランド、ロンドン、フランクフルト、パリ、ストックホルム、ミラノ)、アジアパシフィック (シンガポール、シドニー、東京、ソウル、ムンバイ、香港)、および中国 (Sinnet により運営される北京および NWCD により運営される寧夏) です。Amazon Elasticsearch Service の可用性の詳細については、AWS リージョン表をご覧ください。