Kiro は、エンタープライズが本番運用に耐えるソフトウェアを構築できるよう設計された、AWS の AI 搭載エンジニアリングエージェントです。Kiro を使うと、お客様は並列エージェントを用いて大規模なコードベース全体にわたって開発を進めることができ、SAP のモダナイゼーションのような複雑でリソース集約的なプロジェクトに最適です。本日、お客様やパートナーが AWS 上でカスタム SAP Advanced Business Application Programming(SAP ABAP)プログラム、SAP Business Warehouse(SAP BW)、SAP Process Integration および SAP Process Orchestration(SAP PI / PO)のモダナイゼーションとデプロイを加速するために活用できる、Kiro ベースのサンプルエージェントを公開します。SAP は、多くの組織が最も重要なビジネスロジックとデータを格納している場所です。カスタム SAP ABAP プログラムは、財務、受注管理、サプライチェーン業務といった中核プロセスを動かしています。SAP BW は、エンタープライズが計画や意思決定のために頼りにしているレポーティングと分析を支えています。SAP PI / PO は、SAP を数百もの外部システム、取引先、アプリケーションと接続するミドルウェアとして機能しています。これらのワークロードを手作業でモダナイズすることこそが、SAP トランスフォーメーションに多大な時間とリソースを要する理由です。さらに、SAP BW、SAP PI / PO、オンプレミスの SAP ERP Central Component(SAP ECC)の標準サポート終了が近づいているため、お客様は SAP のクラウドネイティブなシステムへのモダナイゼーションが必要になっています。これらのサンプルエージェントを使うことで、お客様は、これまでエンタープライズ IT において最もリソース集約的な取り組みの1つであった SAP のモダナイゼーションを加速できます。単一のプロンプトで、サンプルエージェントは数千行の SAP ABAP コードや、サポート終了を迎える数百の SAP ミドルウェアインターフェースを一括でモダナイズできます。社内ベンチマークにおいて、AWS はこれらのサンプルエージェントがブラウンフィールドの ABAP コードのモダナイゼーション(分析、変換、単体テスト)を自動化し、工数を最大87%削減できることを実証しました。さまざまな業界のお客様が、これらのエージェントを試してその価値を実感しています。Toyota Chile のシニアソフトウェアエンジニアである Rolando Sabatino 氏は、このエージェントを使って数百のカスタム ABAP オブジェクトを分析・文書化し、陳腐化したコードを特定して移行範囲を簡素化しました。Adobe の SAP エンタープライズアーキテクトである Alex Kakhanovich 氏は、大規模な RISE への移行に先立って Kiro を評価し、「これにより、記録的な速さで改修を実施できるでしょう。」と語っています。パートナーもサンプルエージェントを活用してその恩恵を受けており、意義のある成果を上げています。Accenture、Capgemini、Deloitte、DXC、Kyndryl、NTT Data Global Solutions をはじめとする AWS SAP コンピテンシーパートナーは、お客様のジャーニーを加速するため、サンプルエージェントを自社の移行ツールセットに組み込んでいます。NTT Data Global Solutions は、新しい Neo i-KOU! 移行サービスにおいて ABAP 変換の工数を最大95%削減したと報告しています。Capgemini の Global SAP CTIO である Gianluca Simeone 氏は次のように述べています。「AWS とともに、私たちは組織が SAP トランスフォーメーションのジャーニーを簡素化・加速し、より早く、より確信を持ってビジネス価値を実現できるよう支援しています。Kiro のサンプルエージェントを活用して構築した新しい Smart Integration AI Agent は、大規模な品質・ガバナンス・信頼性を強化しながら、インテグレーションの分析から構築までのサイクルを40〜60%加速できます。」Deloitte の Global SAP on AWS Leader である Bhanu Saxena 氏は次のように述べています。「AWS との協業により、SAP PO/PI から SAP BTP Integration Suite へ移行するエンタープライズに向けて、Kiro を活用したエージェント型の移行アプローチを導入しています。Kiro は将来に備えたインテグレーションアーキテクチャへのモダナイゼーションを加速するアクセラレーターであり、移行工数と提供期間の削減を実証しています。」
サンプルエージェントのユースケース
パートナーとお客様は、サンプルエージェントを活用して SAP のモダナイゼーションと移行の取り組みを加速できます。
- SAP S/4HANA 準拠に向けた ABAP コードのアップグレード – SAP ECC システムの ABAP コードを SAP S/4HANA に準拠した ABAP コードに変換します。単一のプロンプトで数百の ABAP オブジェクトを一括変換できます。
- クリーンコアに向けた ABAP のリファクタリング – SAP Clean Core Extensibility Model に沿って SAP ABAP コードのリファクタリングを自動化します。こちらも単一のプロンプトで、標準 SAP API を使用するようカスタムコードを一括でモダナイズできます。
- SAP PI/PO から SAP BTP へのモダナイゼーション – SAP PI/PO のインターフェースを数分で SAP BTP Integration Suite に変換します。2027年12月の SAP PI/PO 標準サポート終了に先立ち、ミドルウェアインターフェースを迅速にモダナイズできます。
- SAP Business Warehouse(BW)から Business Data Cloud(BDC)の SAP Datasphere へのモダナイゼーション – SAP BW から SAP Datasphere への移行を、数か月ではなく数時間で実現します。SAP BW も2027年12月に標準サポート終了を迎えます。
- 機能仕様書と技術仕様書の生成 – 既存のコードと構成を分析して包括的なドキュメントを生成します。ビジネス要件と技術仕様を作成し、AI を使ってそれらを最新の状態に保ちます。
- 単体テストの自動化 – 単体テストの作成と実行を自動化し、コード品質を確保してビジネスロジックの整合性を検証します。エージェントはコード変換の前後で単体テストを使用することで、品質を向上させ AI のハルシネーションを低減します。
上記の各ユースケースと、パートナーやお客様がモダナイゼーションエージェントを使って達成した成果について、さらに詳しくご覧いただけます。成果についてはこちらをクリックしてお読みください。
正確性を確保するためのセーフガード
サンプルエージェントには、コードの正確性に対処するための独自のセーフガードが組み込まれています。80以上の事前構築済みルールを備えたカスタマイズ可能なステアリングファイルがコーディング・セキュリティ・ドキュメントの標準を適用し、独自の単体テストアプローチが変換の前後でビジネスロジックを検証して品質を確保します。サンプルエージェントは、依存するすべての ABAP コードとライブラリを評価・取得するよう設計されており、Kiro にビジネスロジックを維持するための完全なコンテキストを与えることで、ハルシネーションを大幅に低減します。また、サンプルエージェントは透明性と監査可能性のために会話履歴と意思決定のログを提供します。複数のお客様の監査チームからは、サンプルエージェントのログが通常手作業で維持されているドキュメントの水準を上回っているとの声が寄せられています。
始め方
これらの Kiro ベースのサンプルエージェントをダウンロードするには、登録ページでアクセスを申し込んでください。登録後、サンプルエージェントとドキュメントを含む GitHub リポジトリにアクセスできるようになります。専門家のガイダンスを受けながらモダナイゼーションを計画するには、AWS アカウントチームにお問い合わせいただくか、AWS SAP コンピテンシーパートナーにご相談ください。ベンチマークの続きについては、Accelerate your SAP modernization with Kiro – Benchmarks and Use-Cases をご参照ください。