Amazon Web Services ブログ
ダッシュボードのスケジュールメール配信による AWS コストレポートの自動化
月曜日の朝を想像してみてください。CFO、エンジニアリングディレクター、財務チームの全員が、包括的な AWS コストレポートを受信トレイで受け取ります。FinOps チームは誰一人として手を動かす必要がありません。レポートには先週の支出傾向、Savings Plans の利用状況、サービスごとのコスト内訳がすべてプロフェッショナルなフォーマットで整えられ、週次ビジネスレビューですぐに確認できる状態になっています。AWS Billing and Cost Management (請求とコスト管理) ダッシュボードのスケジュールメール配信機能が、まさにこれを実現します。この機能は 2026 年 4 月 9 日よりご利用いただけます。多くの組織にとって、クラウドコストに関するインサイトをステークホルダーに配信することは、時間のかかる手作業でのプロセスでした。FinOps チームは、AWS コンソールへのログイン、レポートの生成、スクリーンショットの取得、プレゼンテーション資料の整形、そして AWS コンソールへのアクセス権をもたない経営層やエンジニアリングリーダーへの資料のメール送信といった作業に、貴重な時間を繰り返し費やしてきました。Billing and Cost Management ダッシュボードのスケジュールメール配信機能を使えば、このワークフロー全体を自動化できます。
この記事では、Billing and Cost Management ダッシュボードの新しいメールレポート機能を使用すべき理由、このローンチの主な機能、および利用を開始するためのステップバイステップのガイダンスについて説明します。
Billing and Cost Management ダッシュボードのメールレポートを使用すべき理由
繰り返しの手作業によるレポート作成を削減
レポート作成のサイクルは毎週、毎月繰り返され、そのたびに FinOps チームはより付加価値の高い業務からいったん離れざるを得なくなります。スケジュールメール配信を使えば、一度レポートを設定するだけで、あとはシステムが生成と配信を自動的に処理します。
非技術系ステークホルダーへのオフラインアクセスを提供
経営幹部、取締役会メンバー、財務チームは、クラウドコストの状況を定期的に把握する必要がありますが、その多くは AWS コンソールへのアクセス権を持っていなかったり、レポートツールを操作する時間がなかったりします。スケジュールメール配信は、パスワードで保護された PDF レポートを受信トレイに直接送信するため、取締役会、予算レビュー、戦略策定セッションでそれをすぐに確認することができます。AWS アカウントへのアクセス権は不要です。
一貫性のある、タイムリーな財務情報の配信を実現
手作業によるレポートは、遅延や内容のばらつきが生じやすくなります。他の優先業務に押されてレポート提出の期限を過ぎてしまったり、一部の受信者がレポートを受け取れなかったりすることがあります。自動メール配信を使えば、すべてのステークホルダーに対して、同じフォーマットで統一されたプロフェッショナルなレポートが、決まったスケジュールで一斉に届きます。
Billing and Cost Management ダッシュボードのメールレポートの主な機能
ワークフローに合わせたレポートのスケジュール設定
日次、週次、または月次の配信を、組織のレビュー周期に合わせた特定の時間に設定できます。必要に応じて、開始日と終了日を指定することも可能です。
セキュリティを損なうことなくコストレポートを共有
受信者は、AWS マネージドの S3 バケットに暗号化された状態で保存されたパスワード付き PDF レポートへの、セキュアで有効期限付きのリンクを受け取ります。署名付きダウンロード URL の 有効期限は 15 日間です。
あらゆる対象者に適したレポートを提供
エグゼクティブレビュー用にダッシュボード全体をエクスポートしたり、チーム内の重点的な議論用に個別のウィジェットをエクスポートしたりできます。最終ファイルを生成する前に、PDF プレビューでレイアウトを確認して調整を行うこともできます。
既存のワークフローへのレポートの統合
スケジュールレポートは AWS SDK および CLI を通じて利用可能で、Billing and Cost Management Dashboards API を使用して、Infrastructure as Code (IaC) やカスタム自動化ワークフローにレポートのスケジュール設定を統合することができます。
コストデータの閲覧者の管理
この機能は、既存の Billing and Cost Management ダッシュボードのアクセス許可をそのまま引き継ぎます。レポート作成時に検証を行い、すべての基盤データソースへのアクセス権があることを確認します。
レポート受信者の簡単な管理
AWS User Notifications を通じて受信者を一元的に管理することが可能です。メールアドレスの検証は初回の一度だけで済み、作成した連絡先リストは複数のダッシュボードレポートにわたって再利用できます。
利用を開始するには
開始する前に、AWS User Notification (UNO) の通知設定の表示、一覧表示、作成、更新、削除のアクセス許可が必要です。
スケジュールメール配信の利用を開始するにはほんの数分しかかかりません。大まかなワークフローは以下のとおりです。
- Billing and Cost Management コンソールのダッシュボードに移動し、エクスポートするダッシュボードを選択して、アクションメニューから「メールレポートを管理 (Manage email reports)」→「レポートを作成 (Create report)」を選択します。
- レポートに名前と説明を付け、ダッシュボード全体を送信するか単一のウィジェットを送信するかを設定し、必要に応じてレポート期間 (例:過去 7 日間、前月、過去 1 年) を設定します。プレビューを使ってレイアウトを確認してから先に進みます。
- 受信者を指定するには、既存の AWS User Notifications 設定を選択するか、新しい設定を作成します。AWS コンソールへのアクセス権を持たないステークホルダーの場合は、メール配信リストを使用してください。コンソールにアクセス権を持つメンバーが 1 人いれば、そのメンバーがグループを代表して初回のメール検証を完了できます。
- 配信スケジュール (日次、週次、月次)、配信時間、終了日 (作成日から最大 3 年) を設定します。
- サービスがレポートを生成・配信するためのアクセス許可を付与するために、サービスロールを作成または選択します。
- すべての選択内容を確認し、「作成 (Create)」をクリックします。
プログラムからセットアップする場合は、bcm-dashboards:CreateScheduledReport API を使用してレポートスケジュールを設定し、AWS User Notifications を通じて受信者を管理します。詳細な手順と API の例については、AWS Billing and Cost Management Dashboards API ユーザーガイドを参照してください。
まとめ
Billing and Cost Management ダッシュボードのスケジュールメール配信は、クラウド財務レポートを時間のかかる手作業から自動化された一貫性のあるワークフローへと変革します。繰り返しのレポート作業がなくなることで、FinOps チームは戦略的なコスト最適化に注力できるようになります。それと同時に、経営層からエンジニアリングリーダーまで、組織全体のステークホルダーが必要な財務情報に確実かつタイムリーにアクセスできるようになります。
この機能は、米国東部 (バージニア北部) リージョンで追加費用なしで 2026 年 4 月 9 日よりご利用いただけます。利用を開始するには、AWS Billing and Cost Management コンソールのダッシュボードにアクセスし、アクションメニューから「メールレポートを管理 (Manage email reports)」を選択してください。詳細については、AWS Billing and Cost Management ダッシュボードユーザーガイドおよび API リファレンスを参照してください。最新の FinOps ベストプラクティスとプロダクトアナウンスについては、AWS Cloud Financial Management ブログでご確認いただけます。
翻訳はテクニカルアカウントマネージャーの堀沢が担当しました。原文はこちらです。




