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「行政の進化と革新のための生成AIの調達・利活用に係るガイドライン」対応 – 調達チェックシート要件へのAWSサンプル回答
デジタル庁は2025年5月27日、『行政の進化と革新のための生成AIの調達・利活用に係るガイドライン』(政府ガイドライン)を公開しました。このガイドラインは、政府機関による生成AIの安全かつ効果的な活用方法を包括的に示しています。
AWS は、政府機関の調達担当者とパートナー企業向けに、政府ガイドラインの調達チェックシートの各要件に対する回答例を提供します。この回答例は、Amazon Bedrock を活用したオープンソースアプリケーション『 Generative AI Use Cases(GenU) 』を用いた 生成AIアプリケーション に対応し、政府機関の調達プロセスとパートナー企業の提案書作成を支援します。
1.政府ガイドラインの概要
・政府ガイドライン策定の背景
政府における 生成AI の活用は、行政サービスの効率化や質の向上に大きな可能性をもたらします。一方で、情報漏えいや不適切な出力などのリスクも存在するため、適切なガバナンスとリスク管理が不可欠です。今回の政府ガイドラインは、 生成AI の利活用促進とリスク管理を両立させることを目的として策定されました。
・調達チェックシートとは
政府ガイドラインの中核となるのが「調達チェックシート」です。これは、政府機関が 生成AIシステム を調達する際に、事業者に対して確認すべき要件を体系化したものです。チェックシートには、データプライバシー保護、有害情報の出力制御、セキュリティ確保など、政府機関が重視する技術的・運用的要件が項目別に整理されており、調達担当者が提案書を評価する際の統一的な基準として活用されます。また、事業者にとっては、政府が求める技術要件を明確に把握し、適切な提案を行うための指針となります。
・主要なポイント
[対象範囲]
• 対象システム:テキスト生成AIを構成要素とする政府情報システム
• 適用開始:2025年5月(※全面適用は、令和8年度以降に調達・利活用を行う生成AI システムから)
• 対象外:特定秘密や安全保障等の機微情報を扱うシステム
[ガバナンス体制の構築]
• AI統括責任者(CAIO):各府省庁にAI統括責任者を新設
• 先進的生成AIアドバイザリーボード:各府省庁への助言・相談対応
• AI相談窓口:デジタル庁による技術的支援
[リスク管理の仕組み]
• 高リスク判定:4つの観点(利用者範囲、業務性格、機密情報、出力判断)でリスク評価
• 調達チェックシート:調達・契約時の要件確認を体系化
• インシデント対応:生成AI特有のリスクケースへの対応体制
2. AWS のサンプル回答 – GenU を活用した調達チェックシート要件対応例
・ GenU の特徴
AWS では、政府機関の生成AI活用を支援するため、 GenU という Amazon Bedrock を活用したオープンソースのアプリケーション実装を提供しています。 GenU は最短10分でデプロイが完了する迅速な導入が可能で、セキュリティ・統制機能を標準搭載した安全性重視の設計となっています。また、チャット、RAG、文書生成、翻訳など多様なユースケースに対応しており、使った分だけの従量課金制によりスモールスタートでコスト効率よく始めることができます。
・ AWS サンプル回答の活用方法
政府ガイドラインでは、政府機関の生成AIシステムの調達時に「調達チェックシート」の活用が求められています。 AWS では、このチェックシートの各項目に対して、GenUを活用した場合の具体的な対応例をサンプル回答として提供し、政府機関とパートナー企業の皆様を支援いたします。サンプル回答の見方については補足資料をご参照ください。
[政府機関職員の皆様へ]
・調達・契約時での活用
Amazon Bedrock を活用した応札企業の技術提案と AWSサンプル回答 の対応例を照合し、データプライバシー保護や有害情報制御などの重要要件への技術的実現可能性を客観的に評価
[パートナー企業の皆様へ]
・提案書作成での活用
調達チェックシート要件に対する Amazon Bedrock での技術的対応方針を検討し、適切な技術構成と実装方法を提案書に記載する際の参考資料として活用
回答例はこちらからダウンロードできます。 回答例の見方については補足資料をご参照ください。
3.まとめ
政府ガイドラインは、安全で効果的な 生成AI 活用のための重要な指針です。 AWS のサンプル回答は、この政府ガイドラインで示された調達チェックシート要件に対する AWS としての技術的考え方と対応例をまとめた参考資料として、政府機関の調達担当者とパートナー企業の提案書作成者にご活用いただけます。
参考情報:
• Generative AI Use Cases JP (GenU)
• Amazon Bedrock
• 公共機関における生成 AI の活用案
お問い合わせ
政府機関向けの 生成AI 導入に関するご相談は、 AWSパブリックセクター までお気軽にお問い合わせください。
免責事項
本ブログや添付資料の内容はできる限り正確な情報を提供するように努めておりますが、正確性や安全性を保証するものではありません。
本ブログや添付資料はあくまで一例であり、すべての作業内容を充足するものではありません。
本ブログや添付資料は政府ガイドラインの変更・追加などにより今後修正される場合があります。
本ブログや添付資料の利用によって生じた損害等の責任は利用者が負うものとし、アマゾン ウェブ サービス ジャパン は一切の責任を負いかねますことご了承ください。
著者:
Atsushi Kimura (AWS Japan, Public Sector, Proposal Manager)
Keiji Toyohara (AWS Japan, Public Sector, Senior Manager, Solutions Architect)
