Amazon Web Services ブログ

イノベーションを加速するSAP Beyond Infrastructureオファリング

5,000を超えるアクティブなお客様にAmazon Web Services (AWS)上でSAPシステムをご利用いただいており、AWSはSAPのワークロード向けのデファクト・クラウドプラットフォームとなっています。長年にわたり、お客様がミッションクリティカルなSAPアプリケーションにAWSを選択してきたのは、AWSのハイパフォーマンスでコスト効率の高いグローバルインフラストラクチャ、豊富な種類のSAP認定Amazon EC2インスタンス、業界や地域を問わずほぼすべてのSAP製品をサポートしてきた豊富な経験があるからです。これらのお客様の多くは、ビジネスプロセスをモダナイズし、新たな競争優位性を獲得するために、AWSをイノベーションのプラットフォームとして活用することに重点を置いてきました。InvistaSwire Coca-ColaRoyal FrieslandCampinaBizzyなどのお客様は、AWSを活用してSAPソリューションの再構築をリードしています。より多くのお客様がイノベーションのゴールを成功に導くために、SAP Beyond Infrastructureと呼ばれる新しいカテゴリーのオファリングを作成しました。

SAP Beyond Infrastructureとは?

SAP Beyond Infrastructureソリューションは、お客様の既存のSAP環境を補完するもので、業種、ビジネスライン、技術的なユースケースに応じた新しい機能を提供します。SAPの深い専門知識を持つパートナーによって作成されたこれらのソリューションは、IoT、DevOps、アプリ、API、AI/ML などの技術的な専門分野の実装に焦点を当てています。すべての製品は、SAP on AWSのお客様のためにイノベーションを推進するという一つの目標を念頭に置いて設計されています。

お客様のメリット

AWSはお客様がネイティブAWSサービスを利用してSAPシステムへの投資の価値を高めているのを見続けてきました。これらのソリューションの多くは、ビジネスラインや業界に特化したものです。例えば、以下のようなものがあります。

  • 産業用IoT:パートナーは、製造業、自動車、石油・ガス、公益事業、航空宇宙、農業、鉱業、化学品などの業界において、予知保全、エネルギー最適化、エッジデータ収集をサポートするソリューションを構築しています。
  • データ戦略:データ管理と分析のパートナーソリューションは、あらゆる業界のお客様がデータからより多くの価値を得られるように支援します。これらのソリューションは、コスト効率の高いストレージとしてのAmazon S3、より迅速な洞察を生み出す機械学習、異なるシステムからの情報をより良く集約するためのAmazon Redshiftとデータレイクを活用しています。
  • カスタマー・エクスペリエンス:パートナーは、小売、消費財、公益事業、銀行、保険などの業種の企業と協力して、Amazon Personalize、Amazon Forecast、Amazon Connect、チャットボット、Alexa と SAP 環境との統合を利用して、より良い顧客体験、製品体験、ブランド体験を実現しています。

SAP Beyond Infrastructureのオファリングを利用して、お客様はSAP on AWSソリューションを次のステージに引き上げました。Levi Straussは、パートナーのDataikuと協力して、MLを利用してeコマース体験を強化しました。今では、カスタマージャーニーに沿ったレコメンドシステムを構築し、地域ごとに売れ筋商品を見込み客に紹介したり、リピーターにはアップセリング商品を紹介したりしています。オーストラリアのOrigin EnergyはBryteFlowと連携し、Amazon S3とAmazon Redshiftを使用してデータと洞察へのアクセスを高速化することで、新しい高度にパーソナライズされた顧客向け製品の市場投入までの時間を短縮しています。ベネルクス地域のサービスプロバイダーであるPostNLは、SAP HANA Enterprise Cloudを使ったクラウドベースのアーカイブを行うために、AWSパートナーであるDatavardを採用しました。全体的に、このプロジェクトはわずか5ヶ月で完了し、PostNLのメンテナンスコストを削減し、パフォーマンスを50%向上させました。

AWSでは、SAP Beyond Infrastructureパートナーが提供している多くの有効なサービスをご紹介しており、そのリストは増え続けています。例えば、以下のようなものがあります。アクセンチュアのSAP Data Lake Acceleratorは、SAPのお客様がデータレイクの実装とデータの移動をベストプラクティスを用いて迅速に自動化し、大幅に加速されたタイムラインで実現できるように支援します。 DeloitteのSAP Kinetic Finance Startupは、自己構成型のAI対応SAP S/4HANA Central Finance環境を実現します。CapgeminiのTrusted Logisticsソリューションは、輸送コンテナのリアルタイムな可視性を提供します。このソリューションは、SAPカスタマーがIoTを活用して出荷の進捗状況を可視化し、アラートを使用して損失を最小限に抑えることができます。PillirのEdgeReady Cloud platformは、ローコード、モデル駆動、ドラッグ&ドロップによる迅速なアプリケーション開発プラットフォームで、高価で煩雑なミドルウェアを使用することなく、複雑なERPや他のシステムとリアルタイムに統合することができます。Syntax industrial IoT platformは、AWSの技術とSAPのソリューションテンプレートを組み合わせたもので、80%が完成しており、その後カスタマイズすることで、よりスマートなショップフロア分析や資産/品質管理が可能になります。また、長年SAPを利用してきたパートナー企業が、既存のサービスをAWSに移行するケースも多く見受けられます。例えば、MagnitudeのInnowera ProcessRunnerは、AWS Marketplaceで月々のサブスクリプションとして利用できるようになりました。DatavardのGlueプロダクトは、お客様がSAPデータをAmazon S3やAmazon Redshiftで提供されているAWSのデータレイクに統合するのを支援し、パートナーのPanayaはSAP Change IntelligenceのオファリングをAWSに移行しています。
AWSには、業界、ビジネスライン、ユースケースを超えてSAPのイノベーションをサポートするための経験とパートナーコミュニティがあります。上記のソリューションを検討し、AWSのアカウントマネージャーに連絡して、組織のイノベーションをサポートするためにどのようなパートナーサービスが利用できるかを確認することをお勧めします。

翻訳はPartner SA松本が担当しました。原文はこちらです。