Amazon Web Services ブログ
週刊AWS – 2023/11/6週
みなさん、こんにちは。ソリューションアーキテクトの下佐粉です。
今週も週刊AWSをお届けします。
最近急に寒くなってきましたね。近年はこの季節になると技術系のアドベントカレンダーが作られることが多くなっていますが、AWSに関連するアドベントカレンダーも色々とありますので、いくつか紹介します。
– Amazon Bedrock Advent Calendar 2023
– Anthropic Claude Advent Calendar 2023
– AWS Analytics Advent Calendar 2023
– AWS CDK Advent Calendar 2023
– AWS Lambda と Serverless Advent Calendar 2023
興味のあるジャンルにぜひ気軽に参加してみてください。
それでは、先週の主なアップデートについて振り返っていきましょう。今週は発表が多めでしたので、本稿で取り上げる数も少し多くなっています。そのため、説明はできるだけ簡素にしています。
2023年11月6日週の主要なアップデート
- 11/6(月)
- AWS Lambda supports faster polling scale-up rate for Amazon SQS as an event source
Amazon SQSをイベントソースにした場合の AWS Lambda の同時実行数が最大で300まで増加可能になりました(旧来は60でした)。これにより、より大きいイベントのスパイクに対応できるようになりました。 - Amazon MWAA now supports Apache Airflow version 2.7 and deferrable operators
Amazon Managed Workflows for Apache Airflow (MWAA) で Apache Airflow version 2.7 環境が利用可能になりました。合わせて(Airflow 2.2から導入されていた) deferrable operatorもMWAAで利用可能になりました。deferrable operatorは、何か外部タスク等の完了を待つ必要がある際に、完了するまでの間ワーカースロットを開放して他のジョブにあてるための仕組です。詳細はこちらのブログをご覧ください。 - AWS Fargate now enables Amazon ECS tasks to selectively leverage SOCI
Amazon ECS + AWS Fargate の環境においてSOCIの利用がより柔軟になりました。これまでは(重い)コンテナイメージをLazy loadしたい場合はECSのタスク定義内のコンテナイメージすべてにSOCI(インデックス)を作成しておく必要がありましたが、この改善によりLazy LoadしたいコンテナイメージのみにSOCIを準備するだけで良くなりました。
- AWS Lambda supports faster polling scale-up rate for Amazon SQS as an event source
- 11/7(火)
- Amazon ElastiCache now supports network-optimized C7gn Graviton3-based nodes
Amazon ElastiCache で Graviton3 ベースの C7gn ノードを利用可能になりました。ElastiCache C7gn ノードは第5世代 AWS Nitro Card を活用してより高いネットワークバンド幅を提供します。 - AWS announces general availability of Amazon Aurora MySQL zero-ETL integration with Amazon Redshift
Amazon Aurora MySQL zero-ETL integration with Amazon Redshift がGA(一般提供開始)になりました。東京リージョンでも利用可能になっています。この機能は、Aurora MySQL の表の更新をニアリアルタイムでRedshiftにレプリケーションする仕組みで、ETLインフラの構築不要で利用できます。また、Zero-ETL機能自体の費用は無料です。 本機能が対応している Aurora は Amazon Aurora Serverless v2 (MySQL) もしくはプロビジョン型のAurora MySQLで、Redshift側は、Amazon Redshift Serverlessもしくはプロビジョン型のAmazon Redshift RA3インスタンスです。詳細はこちらのブログをご覧ください。
- Amazon ElastiCache now supports network-optimized C7gn Graviton3-based nodes
- 11/8(水)
- Amazon Kinesis Video Streams WebRTC Ingestion is now generally available
Amazon Kinesis Video Streams のWebRTCインテグレーションがGA(一般提供開始)になりました。本機能を使うことで、WebRTCに準拠したIoT機器、ブラウザ等からのデータを容易にKinesis Video Streamsに渡すことが可能になります。 - AWS announces Amazon Aurora PostgreSQL Optimized Reads
Amazon Aurora PostgreSQLで、Optimized Reads機能が利用可能になりました。これは内蔵のNMVe SSDをキャッシュとして活用することで読み取り性能を改善するものです。db.r6gd、db.r6idインスタンスで利用可能です。 - QuickSight launches FLOAT data type support for SPICE datasets
BIサービスの Amazon QuickSight にFLOAT型が追加されました。これまでもDECIMAL(固定小数点)が提供されていましたが、これは小数点以下の桁が4桁まででした。FLOAT(浮動小数点)はより小さい桁を扱う場合に適した型です。
- Amazon Kinesis Video Streams WebRTC Ingestion is now generally available
- 11/9(木)
- Amazon SNS increases default FIFO topic throughput by 10x to 3,000 messages per second
Amazon SNS の FIFO (First-In-First-Out)トピックの最大スループットが、従来の300メッセージ/秒から、10倍の3,000メッセージ/秒まで引き上げられました。 - Amazon RDS for Oracle now supports Oracle Multitenant
Amazon RDS for Oracle で Oracle Multitenant 構成が利用可能になりました。 Oracle Database 19c, 21c で利用可能です。Oracle Multitenant 構成を利用することで、ベースとなる multitenant container database (CDB) の中に複数のpluggable database (PDB)がホストできるようになります。 - Amazon RDS for MySQL delivers up to 3X higher write throughput at no additional charge
Amazon RDS for MySQL で MySQL 8.0.35 が利用可能になりました。8.0.35では前バージョンの8.0.34と比較して最大で3倍の書き込みスループットを実現しています。 - Amazon OpenSearch Service introduces Neural Search
Amazon OpenSearch Service で、Neural Searchが利用可能になりました。OpenSearch 2.9 以降で利用可能です。Neural Search はこれまでの OpenSearch を活用したベクトル検索を更に進化させた機能で、これまで外部で実行する必要のあったモデルによる処理を OpenSearch 内部で実行することで、ベクトル検索をワンストップで実行可能にします。 - Amazon FSx for OpenZFS is now available in ten additional AWS Regions
Amazon FSx for OpenZFS を利用可能なリージョンが追加され、大阪リージョンを含む10のリージョンで新たに利用可能になりました。これにより、大阪リージョンでAmazon FSx for NetApp Ontap, for OpenZFS, for Windows File Server, for Lustre の4種類全てが利用可能になりました。 - Amazon SQS announces support for JSON protocol
Amazon SQS の通信プロトコルとしてJSON protocolが利用可能になりました。これにより旧来のAWS Query protocolと比較してより短いレイテンシでの通信が可能になります。AWS SDKを最新バージョンに更新することで、JSON protocolがデフォルトで利用されるようになりますので、アプリケーションコードの変更は不要です。 - Amazon Aurora Global Database for PostgreSQL now supports write forwarding
Amazon Aurora Global Database for PostgreSQL でwrite forwardingが利用可能になりました(for MySQLでは以前より利用可能です)。write forwardingは、secondaryリージョンにて書き込みSQLが実行された際に、primaryリージョンに転送して実行するというものです。 - AWS Lambda adds support for Amazon Linux 2023
AWS Lambda のマネージドランタイム、およびコンテナベースイメージとして、 Amazon Linux 2023 が利用可能になりました。
- Amazon SNS increases default FIFO topic throughput by 10x to 3,000 messages per second
- 11/10(金)
- Amazon CloudFront announces unified security dashboard
Amazon CloudFront のコンソールに、統合セキュリティダッシュボードが追加されました。例えば、AWS WAF への攻撃の状況等を一元的に確認することが可能です。詳細はこちらのブログをご覧ください。
- Amazon CloudFront announces unified security dashboard
最後に1つハンズオン資料の紹介を。お問い合わせいただく事が多い Generative AI (生成系 AI) に関するAWSサービスを体験するハンズオンが公開されています。社内データを活用したチャットボットや要約、文章校正、画像生成などの構築を体験することができます。興味がある方はぜひトライしてみてください。
それでは、また来週!
ソリューションアーキテクト 下佐粉 昭 (twitter – @simosako)