Amazon Web Services ブログ

週刊AWS – 2025/2/10週

みなさん、こんにちは。ソリューションアーキテクトの西村です。
今週も 週刊AWS をお届けします。

2025年3月6日(木) 14:00-17:00に「AWS で実現するデータベースマイグレーション戦略」というイベントが開催されます。先日発表されたOracle Database@AWSは、今後 Oracle の有力な移行先になる一方で、AWS には他にも様々なデータベースサービスを提供しており、AWS 上の Oracle データベース移行に関する新たな視点をご提供する特別セミナーです。そして基調講演では、AWS Vice President の Jeff Carter が、オンプレミス Oracle データベースから Amazon DynamoDB への移行した際のビジネス価値と運用効率化体験の講話も予定しており、Oracle データベースを AWS 上に移行することを検討されている方は、気づきを得られる絶好の機会と思います。ぜひご参加ください!

それでは、先週の主なアップデートについて振り返っていきましょう。

2025年2月10日週の主要なアップデート

  • 2/10(月)
    • Amazon Redshift Serverless announces reduction in IP Address Requirements to 3 per Subnet
      Amazon Redshift Serverless でサブネットごとに必要な IP アドレス数が3つに削減されました。Amazon Redshift Serverless ワークグループ(ワークグループ)を作成する際や、Redshift Processing Units(RPU) のワークグループを更新する際、サブネットに少なくとも9つの空き IP アドレスが必要でした。今回の対応により Enhanced VPC Routing(EVR) を有効にせずにAmazon Redshift Serverless を使用する場合は、Amazon VPC の各サブネットで空き IP アドレスが3つあれば良くなり、Amazon VPC サブネットネットワークの空き IP アドレスを心配する必要がなくなります。
    • Amazon CloudWatch now provides lock contention diagnostics for Aurora PostgreSQL
      Amazon CloudWatch Database Insights で、Aurora PostgreSQL 向けにロック競合を分析する機能を提供するようになりました。この機能により、Database Insights コンソールでロック状況を可視化でき、ブロッキングセッションと待機セッションの関係が表示され、ロック競合の原因となっているセッション、クエリ、オブジェクトを素早く特定できます。ロック競合診断機能は、CloudWatch Database Insights の Advanced モードでのみ利用可能です。
    • Amazon EFS now supports up to 10,000 access points per EFS file system
      Amazon Elastic File System (Amazon EFS) は、ファイルシステムごとのアクセスポイントの制限を 1,000 から 10倍の 10,000 に引き上げました。このリリースにより、共有データセットへのアクセスを管理するのがさらに簡単になり、単一の EFS ファイルシステムで数千人のユーザーへのアクセス管理をシームレスにスケーリングできるようになります。新しい EFS アクセスポイントの制限は、すべてのファイルシステムに自動的に適用されます。
  • 2/11(火)
    • Amazon DynamoDB now supports auto-approval of quota adjustments
      Amazon DynamoDB のアカウントレベルとテーブルレベルのスループットクォータの調整リクエストに対して、AWS Service Quotas を通して数分以内に自動承認を受けることができるようになりました。今までは、調整リクエストを行う際、Service Quotas では調整対象の Amazon DynamoDB の割り当てと目的の値を指定した上で、AWS サポートがリクエストを確認し、承認して調整を行っていました。今回のリリースによって、数クリックで、自動的に承認され、調整を行うようになり、調整が完了するまでの時間削減へつながります。
    • AWS Secrets and Configuration Provider now integrates with Pod Identity for Amazon EKS
      AWS Secrets and Configuration Provider (ASCP) が Amazon Elastic Kubernetes Service (Amazon EKS) Pod Identity と統合されました。ASCP は業界標準のKubernetes Secrets Store CSI Driver のプラグインで、Kubernetes ポッド内で実行されるアプリケーションが AWS Secrets Manager からシークレットを簡単に取得できるようにします。これまで ASCP は IAM Roles for Service Accounts (IRSA) を認証に使用していましたが、新しい任意のパラメータ「usePodIdentity」を使えば、IAM 認証に IRSA または Pod Identity を選択できます。今回統合により、ASCP と EKS Pod Identity の両コンポーネントの長所が組み合わされ、Amazon EKS 環境におけるシークレット管理が効率的かつ安全に行えるようになります。
  • 2/12(水)
    • Amazon Elastic Block Store (EBS) now adds full snapshot size information in Console and API
      Amazon Elastic Block Store (Amazon EBS) で、EBS スナップショットのフルスナップショットサイズが表示されるようになりました。EBS スナップショットはインクリメンタル方式で、ボリュームの複数のスナップショットを時間の経過とともに取得した場合、各スナップショットには新しく追加されたブロック、もしくは変更されたブロックのみが格納され、変更されていないブロックは以前のスナップショットからの参照されます。そのスナップショットに直接格納されているブロックと、以前のスナップショットから参照されているすべてのブロックを合わせた、スナップショットを構成するすべてのブロックの合計サイズが表示されます。これは、新しく変更されたブロックのサイズのみを指す、「インクリメンタルスナップショットサイズ」とは異なることにご注意ください。
    • AWS AppSync enhances resolver testing with comprehensive context object mocking
      AWS AppSync でリゾルバーおよび関数のユニットテスト中に、ID 情報、スタッシュ変数、エラー処理を含むコンテキストオブジェクトのすべてのプロパティを包括的にモックできるようになりました。開発者は、テスト環境でリゾルバースタッシュ (ctx.stash) とエラートラッキング (ctx.outErrors) にアクセスして検証することにより、効率的に関数とリゾルバーをテストでき、さらに ctx.identity に関連する呼び出し側の情報のみを含めることで、ID のモッキングが簡単になりました。これにより、リゾルバーのテスト結果の可視性が向上し、開発者がリゾルバーの実装をより効果的にトラブルシューティングして最適化できるようになります。
  • 2/13(木)
    • Amazon EC2 M7g instances are now available in additional regions
      Amazon Elastic Compute Cloud (Amazon EC2) M7g インスタンスが大阪リージョンで利用可能となりました。高いコンピューティング性能を提供する AWS Graviton3 プロセッサを搭載しており、従来のEC2インスタンスと比較して最大 60% のエネルギー消費量を削減し、最大 30Gbps のネットワーキング帯域幅と、Amazon Elastic Block Store (EBS) への最大 20Gbps の帯域幅を提供します。
    • Amazon RDS for PostgreSQL supports minor versions 17.3, 16.7, 15.11, 14.16, 13.19
      Amazon Relational Database Service (RDS) for PostgreSQL で、最新のマイナーバージョンの 17.3、16.7、15.11、14.16、および 13.19 をサポートしました。pg_active 2.1.4、pg_cron 1.6.5、pg_partman 5.2.4などの PostgreSQL エクステンションの更新も含まれています。
    • AWS Network Load Balancer now supports removing availability zones
      ネットワークロードバランサー(NLB) でアベイラビリティーゾーン (AZ) を削除する機能がリリースされました。この機能のリリース前は、既存の NLB に AZ を追加することはできましたが、AZ を削除することはできませんでした。この機能を使用することで、ELB API、CLI、またはコンソールを使用して有効なサブネットのリストを更新することで、NLB から AZ を削除できます。AZ を削除すると、 NLB のゾーナル Elastic Network Interface(ENI) が削除され、潜在的に中断を引き起こす可能性があります。この機能を安全に使用する方法については、ドキュメントAWSブログを参照してください。
  • 2/14(金)
    • AWS CloudTrail network activity events for VPC endpoints are now generally available
      AWS CloudTrail で VPC エンドポイントのネットワーク アクティビティに対するサポートが開始されました。VPC エンドポイントのネットワーク アクティビティ イベントにより、ネットワーク内のリソースにアクセスしている対象の詳細を確認できるため、データ境界内での悪意のある行為や不正なアクションを特定し対応する能力が向上します。Amazon S3、Amazon EC2、AWS Key Management Service (AWS KMS)、AWS Secrets Manager、AWS CloudTrail の 5 つの AWS サービスについて、VPC エンドポイントのネットワーク アクティビティ イベントを有効にすることが可能です。
    • AWS Lambda adds application performance monitoring (APM) for Java and .NET runtimes via Application Signals
      AWS Lambda が Java と .NET のマネージドランタイムで Amazon CloudWatch Application Signals をサポートするようになりました。Amazon CloudWatch Application Signals はアプリケーションパフォーマンスモニタリング(APM)ソリューションで、Lambda を使用して構築したサーバーレスアプリケーションの健全性とパフォーマンスを簡単に監視できます。今までは、Python と Node.js のマネージドランタイムの Lambda 関数でApplication Signals のサポートをしていましたが、今回のリリースにより、Java 11、Java 17、Java 21、および .NET 8 Lambda のマネージドランタイムを使用した Lambda 関数で Application Signals を有効にできるようになりました。

ところで、AWS の BI サービスである Amazon QuickSight に生成 AI アシスタントである Amazon Q の機能が追加され、自然言語で質問や分析ができるのはご存じでしょうか?その生成 AI の機能を簡単に試していただけるデモサイトがこちらにあります。Amaon Q in QuickSight は正式な日本語サポートはまだですが、すでにかなり日本語を解釈するようになっています。デモサイトには日本語のサンプル質問文もありますので、ぜひ試してみてください!

それでは、また来週!

著者について

Tadami Nishimura

西村 忠己(Tadami Nishimura) / @tdmnishi

AWS Japan のソリューションアーキテクトとして、小売・消費財業種のお客様を担当しています。データガバナンスの観点から、お客様がデータ活用を効果的に行えるようなデモンストレーションなども多く行っています。好きなサービスは Amazon Aurora と Amazon DataZone です。趣味は筋トレで、自宅に徒歩0分のトレーニングルームを構築して、日々励んでいます。