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週刊AWS – 2025/2/24週

みなさん、こんにちは。ソリューションアーキテクトの杉山です。今週も 週刊AWS をお届けします。

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それでは、先週の主なアップデートについて振り返っていきましょう。

2025 年 2 月 24 日週の主要なアップデート

  • 2/24(月)
    • Anthropic Claude 3.7 Sonnet が Amazon Bedrock で利用可能に
      Anthropic の最新モデルである Claude 3.7 Sonnet ハイブリッド推論モデルが、Amazon Bedrock で利用可能になりました。従来のユーザーのリクエストに応答する standard mode に加えて、段階的なステップを考える thinking mode を提供します。standard mode は Claude 3.5 Sonnet のアップグレード版として機能し、thinking mode では段階的な思考を行いながら、自己反省を活用して幅広いタスクでより良い結果を出すことが可能になっています。また、thinking mode では、Reasoning Budget として段階的なステップを考える際のトークンの制限を加えることにより、コストやスピードのコントロールが可能です。詳細はこちらのブログをご確認ください。
    • CloudWatch Database Insights が RDS データベースのサポートを追加
      CloudWatch Database Insights は RDS データベースのサポートを追加しました。従来は Aurora MySQL、Aurora PostgreSQL をサポートしていましたが、RDS の MySQL、PostgreSQL、SQL Server、Oracle が追加された形になります。Database Insights は、アプリケーション、データベース、およびそれらが実行されているオペレーティングシステムからのログとメトリクスを、コンソール上の統合されたビューに集約します。事前に構築されたダッシュボード、推奨アラーム、自動化されたテレメトリ収集を使用することで、データベースフリートの健全性を監視し、ガイド付きのトラブルシューティング機能を使用して個々のインスタンスまで掘り下げて根本原因分析を行うことができます。
  • 2/26(水)
    • AWS CodeBuild が並列テストレポートのマージと新しいコンピュートオプションをサポート
      AWS CodeBuild でテストケースを並列実行する際に、テストレポートを自動的に統合レポートにマージできるようになりました。また、この機能追加に加えて、オンデマンドインスタンス、リザーブドキャパシティフリート、Lambda コンピュートリソースを組み合わせて選択することも可能になりました。CodeBuild で単一のリソースを利用してテストを行う際に、テストコードが多くなると、テストの実行時間が増加してしまいますが、並列テストを利用することで、時間の短縮を図りながら、単一の統合レポートにテスト結果を集約できます。
    • Aurora の Data API を提供するリージョン拡張
      Aurora Serverless v2 および Aurora プロビジョンドの PostgreSQL 互換および MySQL 互換データベースクラスター向け RDS Data API が、大阪を含めた 10 リージョンで利用可能になりました。Data API を使用すると、セキュアな HTTP エンドポイントを介してこれらの Aurora クラスターにアクセスし、SQL ステートメントを実行できます。Data API 側でデータベースコネクションの管理や自動プーリングを行ってくれるため、利用者側での負担を軽減できます。個人的に注目したいのは、Lambda 関数からのデータベースアクセスが容易になった点です。Data APIを利用することで、データベースコネクションの接続上限管理や、データベースリソースの枯渇、同時実行数の制御といった課題を軽減することができます。
  • 2/27(木)
    • Amazon Bedrock で Nova understanding models の提供リージョン拡張
      Amazon Bedrock で Nova understanding models (Nova Lite, Nova Micro, Nova Pro) の提供リージョンが拡張され、東京を含めた 9 リージョンで、クロスリージョン推論プロファイルを利用できるようになりました。ヨーロッパ (ストックホルム、フランクフルト、アイルランド、パリ) およびアジア太平洋 (東京、ソウル、ムンバイ、シンガポール、シドニー) で利用できます。日本語を含めた 200 以上の言語をサポートし、低コストと早いレスポンスの特徴をもつ Nova Micro、高い精度と速度、コストのバランスをもった Nova Pro など、ユースケースに応じた使い分けが可能です。
    • AWS Batch がリソースを考慮したスケジューリングをサポート
      AWS Batchが、サードパーティのライセンストークン、データベースアクセス帯域、予算制限などの消費可能リソース(Consumable Resource)を考慮したジョブスケジューリングをサポートするようになりました。AWS Batch は並列でジョブを実行できる高い拡張性を持っていますが、ライセンス制限などの理由により、同時実行数を制限したいケースがあります。このような場合、Consumable Resourceと呼ばれる独自のトークンを作成することで、利用可能なトークンの範囲内でのみジョブ実行を許可し、トークンが不足している場合は実行を停止する、といった制御が可能になります。詳細はこちらのブログをご参照ください。
    • Amazon EC2 が AMI の時間ベースコピーを発表
      Amazon EC2 は Amazon Machine Images (AMI) の時間ベースコピーの一般提供を発表しました。EBS スナップショットの時間ベースコピーと同様に、お客様は指定された期間内に AMI をコピーすることで、コンプライアンス目標を達成することができます。これまでは、お客様は AMI コピー操作の所要時間を予測または制御することができず、災害復旧やコンプライアンスの目的で目標復旧時間を達成することが難しい課題がありました。この新機能により、お客様は個々の AMI コピーリクエストに対して、15 分から 48 時間の範囲で希望する完了時間を指定できるようになりました。なお、時間ベースコピーには追加の料金が発生するためご留意ください。詳細はこちらのドキュメントとをご参照ください。
  • 2/28(金)
    • Database Insights が RDS MySQL と RDS MariaDB のオンデマンド分析を提供
      Amazon CloudWatch Database Insights は、RDS for MySQL と RDS for MariaDB データベースエンジンに対するオンデマンド分析機能の提供を拡大しました。この機能は機械学習モデルを活用して、選択された期間中のパフォーマンスのボトルネックを特定し、次のアクションに関するアドバイスを提供します。このリリースにより、任意の期間におけるデータベースのパフォーマンス監視データを分析することが可能になります。選択した期間が通常とどのように異なるのか、何が問題だったのか、そして改善に関するアドバイスを得ることができます。
    • Amazon Nova Creative Model が東京リージョンで提供開始
      Amazon Bedrock で Nova Creative Model (Nova Canvas と Nova Reel) を東京リージョンで提供開始しました。これらのモデルは、テキストと画像の入力から高品質な画像と動画を生成するように設計されており、さまざまなアプリケーションに対してカスタマイズ可能なビジュアルコンテンツを提供します。
    • Amazon EKS Anywhere の Kubernetes バージョンの延長サポートを発表
      Amazon EKS Anywhere の Kubernetes バージョンの延長サポートを提供開始しました。Amazon EKS Anywhere でバージョンがリリースされてから最大 26 ヶ月間、任意の Kubernetes バージョンのクラスターに対するセキュリティパッチの提供を継続して受けることができます。Kubernetes バージョン 1.28 以降で利用可能です。標準サポートは、Kubernetes バージョンが Amazon EKS Anywhere で利用可能になった時点から開始され、アップストリームの Kubernetes プロジェクトのサポート期間と同じ 14 ヶ月間継続します。この期間の後、Amazon EKS Anywhere は追加で 12 ヶ月間、Kubernetes バージョンへのパッチ提供を継続します。詳細はこちらのドキュメントをご覧ください。

それでは、また来週お会いしましょう!

著者について

Suguru Sugiyama

杉山 卓(Suguru Sugiyama) / @sugimount

AWS Japan のソリューションアーキテクトとして、幅広い業種のお客様を担当しています。最近は生成 AI をお客様のビジネスに活かすためにアイデア出しやデモンストレーションなどを多く行っています。好きなサービスは仮想サーバーを意識しないもの全般です。趣味はゲームや楽器演奏です