Amazon Web Services ブログ

週刊AWS – 2025/9/29週

みなさん、こんにちは。ソリューションアーキテクトの根本です。
今週も週刊AWSをお届けします。

今週で4月期初の企業は上期が終わり、内定式や異動など多い季節でしょうか。
まだ暑い日も多く寒暖差激しいので、みなさん体調お気をつけください。

AWSが直接開催するイベントではないですが、今週末の10/11(土)はいよいよJAWS FESTA 2025 in 金沢ですね。
キャンセル待ち等もあるようですが、興味ある方はぜひ確認してみてください!
JAWS FESTA 2025 in 金沢 https://jawsfesta2025.jaws-ug.jp/

それでは、先週の主なアップデートについて振り返っていきましょう。

2025年9月29日週の主要なアップデート

  • 9/29(月)
    • Anthropic’s Claude Sonnet 4.5 is now in Amazon Bedrock
      Amazon Bedrock で Anthropic の最新モデル Claude Sonnet 4.5 が利用可能になりました。このモデルは現在 SWE-bench Verified ベンチマークでトップの成績を収めており、コーディングや複雑なエージェント処理に優れ、マルチチャネルマーケティングキャンペーンの自動管理やサイバーセキュリティの脆弱性パッチ適用など、多段階タスクを高精度で実行できます。新たにメモリツール機能も追加され、コンテキストウィンドウ外の情報を保存・参照して、精度とパフォーマンスを向上させることも可能になっています。利用可能なリージョンに関してはドキュメント、詳細はBlogもご確認ください。
    • Amazon ECS announces IPv6-only support
      Amazon ECS で IPv6-only サブネットでのタスク実行がサポートされました。従来は IPv4 アドレスが必須だったため、大規模にコンテナを展開するアプリケーション環境では IPv4 アドレス不足がボトルネックになることがありました。今回のアップデートによりIPv4を必要とせず、IPv6 のみでの運用が可能になりスケーラビリティの制約が解消されます。詳細についてはこちらのBlogをご確認ください。
  • 9/30(火)
    • Announcing Amazon ECS Managed Instances
      Amazon ECS Managed Instances が発表されました。このサービスはECSにおいて EC2を利用時に、EC2のインフラストラクチャ管理をAWSに任せつつ、全機能へのアクセスを提供するよう設計された、新しいフルマネージドのオプションです。従来からECSではデータプレーンとしてFargateも選択可能ですが一定の環境制約が存在します。一方、EC2を利用時はスケーリングを含むEC2の管理を自分でする必要がありました。今回の機能により vCPU 数やメモリサイズを指定するだけで最適なEC2インスタンスが自動でプロビジョニングされ、動的スケーリングや、14 日ごとのセキュリティパッチも AWS に任せることが可能になります。この機能は東京リージョンを含む 6 つのリージョンで利用可能です。詳細はドキュメントBlogをご確認ください。
    • AWS Transfer Family now supports VPC endpoint policies and FIPS VPC endpoints
      AWS Transfer Family で VPC エンドポイントポリシーと FIPS 対応 VPC エンドポイントがサポートされました。これまで、VPC エンドポイント経由で Transfer Family API にアクセスする際はAPIの細かい制御ができませんでしたが、今回のVPCエンドポイントポリシーサポートにより CreateServer や DeleteServer など、 詳細なAPI 操作制御ができるようになりました。これにより企業のセキュリティポリシーに応じてアクセス権限を適切に管理でき、データ保護とセキュリティ体制が大幅に向上します。この機能はAWS Transfer Familyの各サービスが利用可能なすべてのAWS リージョンで利用可能です。詳細はドキュメントをご確認ください。
    • AWS Transform now enables Terraform for VMware network automation
      AWS Transform for VMware が VMware 環境からネットワーク構成のIaCを自動生成する選択肢として、これまでのCloudFormation と CDKに加えてTerraform サポートしました。VMware 環境からクラウドへの移行時、既存の Terraform ベースのデプロイメントパイプラインをそのまま活用できるため、移行作業の効率が大幅に向上します。この機能はAWS Transformが提供されるすべてのAWS リージョンで利用可能です。詳細はドキュメントをご確認ください。
    • Amazon CloudWatch and OpenSearch Service expand region support for integrated analytics experience
      Amazon CloudWatch と Amazon OpenSearch Service が統合分析エクスペリエンスが、大阪を含む5つのリージョンで新たに利用可能になりました。このアップデートは従来、OpenSearch Service でのCloudWatchのログ分析にはストレージへのコピーや ETL パイプラインが必要だったのを不要にする他、CloudWatch Logs のログ分析にCloudWatch Logs Insights QLだけではなく SQL や OpenSearch PPL が使えるようにするものです。これらにより作業効率が大幅に向上します。詳細についてはドキュメントをご確認ください。
  • 10/1(水)
    • AWS API MCP Server v1.0.0 release
      AWS API MCP Server v1.0.0 がリリースされました。このサーバーを使うことで、FMモデルを活用し自然言語で AWS API を操作できるようになります。v1.0.0 リリースにあたっては起動時間を短縮、セキュリティの強化、既存の stdio に加えてストリーミング可能な HTTP トランスポートのサポートなどの機能追加がされています。また、一般的な AWS タスクの規範的なワークフローを提供する get_execution_plan という新しいツールも追加されています。利用開始方法と機能の詳細についてはGitHub リポジトリ をご確認ください。
    • Application map is now generally available for Amazon CloudWatch
      Amazon CloudWatch でApplication mapがGAしました。Application mapはアプリケーションパフォーマンス監視 (APM) 機能で、設定や関係性に基づいて関連サービスを自動的に検出しグループに整理するものです。これにより大規模な分散アプリケーションの監視で問題となる、サービス間の依存関係を把握を容易にしてくれます。関係性の可視化が容易になることで、障害時の影響範囲を素早く特定でき、平均復旧時間 (MTTR) の短縮が期待できます。この機能は全ての商用リージョン利用可能です。詳細はドキュメントをご確認ください。
    • AWS Knowledge MCP Server now generally available
      AWS Knowledge MCP Server がGAしました。これは AI エージェントや MCP クライアントが AWS の公式ドキュメント、ブログ記事、Well-Architected のベストプラクティスなどの情報に LLM 互換フォーマットでアクセスできるサービスです。従来は手動で AWS の情報を収集・管理する必要がありましたが、このサーバーにより AI が、信頼できる AWS 情報を基にした正確で一貫性のある回答を提供できるようになります。この機能はAWS アカウント不要で無料で利用可能です。利用に当たっては利用ガイドをご確認ください。
    • Announcing Apache Airflow 3.0 support in Amazon Managed Workflows for Apache Airflow
      Amazon MWAA で Apache Airflow 3.0 がサポートされました。Apache Airflow 3.0 では新しい UI でワークフロー管理がより直感的になり、外部イベントに基づく自動実行機能により従来の定期実行だけでなくリアルタイムなデータ処理が可能になります。また、Task SDK の導入でコード記述が簡単になり、Python 3.12 対応やセキュリティ強化も実現されています。Apache Airflow 3.0の詳細は変更ログを、Amazon MWAAについてはドキュメントをそれぞれご確認ください。
  • 10/2(木)
    • Amazon ECS now supports one-click event capture and event history querying in the AWS Management Console
      Amazon ECS がAWS Management Console で直接イベント取得とイベント履歴クエリを利用可能になりました。従来はタスクの停止理由やサービスのイベント履歴を確認するのにCloudWatch Logsなど複数のサービスのコンソールを行き来する必要がありました。今回のアップデートによりこれが不要になり、ECS コンソール内で完結したトラブルシューティングが可能になります。この機能はすべてのリージョンで利用可能です。詳細はドキュメントをご確認ください。
    • Amazon Neptune Database now integrates with GraphStorm for scalable graph machine learning
      Amazon Neptune Database が GraphStorm と統合されました。Neptune はグラフデータベースで、GraphStorm は、エンタープライズ規模のアプリケーション向けに構築された、スケーラブルなオープンソースのグラフ機械学習 (ML) ライブラリです。この統合により、詐欺検出や動的レコメンド、リスクスコアリングなどレイテンシに敏感なトランザクション環境でグラフMLの推論が可能になりました。この機能は、Amazon Neptune Database が利用可能なすべてのリージョンで利用可能です。詳細はこちらのBlogをご確認ください。
    • Amazon Bedrock AgentCore 向けオープンソース Model Context Protocol (MCP) サーバーが利用可能に
      Amazon Bedrock AgentCore のためのオープンソースModel Context Protocol (MCP) Serverが利用可能になりました。このインターフェースにより、好みの開発環境で直接AIエージェントの分析、変換、デプロイが可能になります。KiroやClaude Code、Cursor、Amazon Q Developer CLIなどのAgentic IDEとワンクリックインストールにより統合できるので、自然言語を使用したエージェント開発やデプロイの指示などが可能です。このMCPサーバについてはGitHub リポジトリBlogをご確認ください。
    • AWS Builder ID now supports Sign in with Google
      AWS Builder ID の作成時に Google アカウントを使ったサインインが可能になりました。AWS Builder ID は Kiro、 AWS Training や re:Post などを含む AWS アプリケーションにアクセスするための、AWSアカウントの認証とは独立した個人プロファイルです。今回のサポートにより、Google アカウントでワンクリックサインインできるようになり、パスワード管理の手間を省けます。AWS Builder IDと、利用するアプリケーションについてはドキュメントをご確認ください。
  • 10/3(金)
    • AWS Introduces self-service invoice correction feature
      請求書の修正をセルフサービスで行える機能がGAしました。これまで請求書の住所変更等はサポートに依頼して、作業の待ち時間が発生していました。今回の機能によりAWS Billing and Cost Management のコンソールから、購入注文番号や会社名、住所などの請求書情報を直接編集可能によります。これにより自社の経理処理、請求書管理を迅速に行うことが可能になります。この機能はGovCloud (US) リージョンおよび中国 (北京) と中国 (寧夏) リージョンを除く、他のすべてのリージョンで利用可能です。詳細は製品詳細ページをご確認ください。
    • EC2 Image Builder now provides enhanced capabilities for managing image pipelines
      EC2 Image Builder に連続失敗後に自動でパイプラインを無効化する機能とカスタムロググループ設定の2つの管理機能が追加されました。これにより柔軟な運用が可能になり、また失敗時に無効化できることで繰り返し失敗するビルドによるコストを削減できます。この機能は全ての商用リージョンで利用可能です。詳細はドキュメントをご確認ください。
    • Amazon OpenSearch Ingestion now supports batch AI inference
      Amazon OpenSearch Ingestion パイプライン内でバッチ AI 推論がサポートされました。従来サポートしていたリアルタイム推論は、ストリーミングエンリッチメントなどの低レイテンシ要件に向いたものです。今回のバッチ推論サポートにより、大規模データセットを効率的にオフライン処理できるようになりました。この機能はAmazon OpenSearch Ingestionと2.17以降のバージョンのドメインをサポートする全てのリージョンで利用可能です。詳細についてはドキュメントをご覧ください。

実は、私(根本)が週刊AWSを執筆するのは今回を最後にします。2023年の7月に小林、下佐粉から引き継いで以降2年強書いてきましたが、「週刊AWS読んでます!」「写真見たことあります。」とお声がけいただく機会が多く、読んでくださっている方の多さに感謝すると共に、励みになりました。これまでありがとうございました!
週刊AWSは他のメンバー達で今後も更新されますので、引き続きよろしくお願いします。

ソリューションアーキテクト 根本 裕規

著者について

Yuki Nemoto

根本 裕規(Yuki Nemoto)

AWS Japan のソリューションアーキテクトとして、金融機関のお客様の AWS 活用や個別案件の技術支援を担当しています。過去には公共部門やモダナイゼーションのスペシャリストもしていました。好きなサービスは AWS CodeBuild です。週末はオフロードバイクのレースをしています!