Amazon Web Services ブログ
週刊AWS – 2025/11/10週
みなさん、こんにちは。ソリューションアーキテクトの戸塚です。今週も 週刊AWS をお届けします。
ついに 12 月 1 日から 5 日で re:Invent 2025 が開催されます。私もデモ展示員として、現地ラスベガスに行く予定なので、ぜひ現地に行かれる方は Builders Fair で展示している私のブースにお越しください。そのブースでは、生成 AI を活用したロボットの自動走行デモを今絶賛開発中で、間に合わせるために必死に頑張っています。
それでは、先週の主なアップデートについて振り返っていきましょう。
2025年11月10日週の主要なアップデート
- 11/10(月)
- Amazon SageMaker Unified Studio がカタログ通知のサポートを追加
Amazon SageMaker Unified Studio でデータカタログの通知機能が利用できるようになりました。データセットの公開や更新、アクセス承認などの重要な変更をリアルタイムで受け取れます。プロジェクトホームページの「ベル」アイコンから通知を確認でき、通知センターでは全ての通知を一覧表示して必要に応じてフィルタリングも可能です。データチーム間のコラボレーションがスムーズになり、重要な更新を見逃すリスクが大幅に減ります。詳細はこちらのドキュメントをご参照ください。 - AWS Control Tower がアカウントの自動登録をサポート
AWS Control Tower で、アカウントを組織単位 (OU) に移動するだけで自動的にガバナンス管理下に登録できる機能が追加されました。従来は手動でのアカウント更新や OU の再登録が必要でしたが、この機能により大幅に簡素化されます。アカウント作成後に適切な OU に移動するだけで、ベストプラクティス設定やコントロールが自動適用されるため、管理者の運用負荷が軽減されます。 - MSK Express ブローカーが追加コストなしでインテリジェントリバランシングをサポート、アクション不要
Amazon MSK の Express brokers で インテリジェントリバランシング が無料提供開始しました。Kafka クラスターのスケーリング時に自動でパーティションバランシングを実行し、Standard brokers と比較して最大 180 倍高速に処理できます。これまで手動や外部ツールで管理していたパーティション操作が不要になり、クラスター性能を最大化できます。新規 MSK Provisioned clusters では追加設定なしで利用可能です。詳細はこちらのドキュメントをご参照ください。
- Amazon SageMaker Unified Studio がカタログ通知のサポートを追加
- 11/11(火)
- Amazon EC2 M8a インスタンスが追加リージョンで利用可能に
Amazon EC2 M8a インスタンスがバージニア北部と東京リージョンで利用開始されました。AMD の第 5 世代 EPYC プロセッサを搭載し、従来の M7a と比較して最大 30 % のパフォーマンス向上と 19 % の価格性能比改善を実現しています。メモリ帯域幅も 45 % 向上したため、レイテンシが重要なアプリケーションでも快適に動作します。金融アプリケーション、ゲーム、レンダリング、アプリケーションサーバーなどの高性能を必要とするワークロードに最適で、12 種類のサイズから選択可能です。 - Mountpoint for Amazon S3 が Amazon Linux 2023 に含まれるようになりました
Amazon Linux 2023 で Mountpoint for Amazon S3 が標準提供開始されました。これまで GitHub からパッケージをダウンロードして手動インストールする必要がありましたが、今後は1つのコマンドで簡単にインストール・アップデートが可能です。S3 バケットをローカルファイルシステムのようにマウントできるため、既存のアプリケーションを変更せずに S3 のデータにアクセスできます。サーバー上でのデータ処理やバックアップ作業が大幅に効率化されるでしょう。 - Amazon CloudWatch Composite Alarms にしきい値ベースのアラート機能を追加
Amazon CloudWatch Composite Alarms で、しきい値ベースのアラート機能が追加されました。従来は個々のアラームごとに通知を受け取っていましたが、今回のアップデートで複数のリソースのうち一定数に問題が発生した場合にのみ通知を受け取れるようになりました。例えば 4 つのストレージボリュームのうち最低 2 つで容量不足が発生した場合や、クラスター内の 50 % のホストで CPU 使用率が高くなった場合に通知するといった柔軟な設定が可能です。これにより軽微な問題による不要なアラートを削減し、本当に重要な問題に集中できます。詳細はこちらのドキュメントをご参照ください。
- Amazon EC2 M8a インスタンスが追加リージョンで利用可能に
- 11/12(水)
- Amazon EC2 F2 インスタンスが 4 つの追加 AWS リージョンで一般提供開始
Amazon EC2 F2 インスタンスが新たにフランクフルト、東京、ソウル、カナダ中部の 4 リージョンで利用開始となりました。F2 インスタンスは FPGA 搭載の第二世代で、従来の F1 インスタンスと比較して 3 倍の vCPU、2 倍のメモリを提供します。遺伝学研究やマルチメディア処理、ビッグデータ解析などの高速計算処理が必要な用途で威力を発揮します。これにより計 8 リージョンでの利用が可能となり、より多くの地域で FPGA の高性能を活用できるようになりました。 - AWS Builder Center で Spaces が利用可能になりました
AWS Builder Center に Spaces という新しいコミュニティ機能が登場しました。AWS に関する特定のトピックやユースケースについて、他のエンジニアとグループを作成して情報交換できるツールです。Public、Private、招待制の 3 つのスペースタイプから選択でき、投稿やコメント、検索機能を通じて知識共有や課題解決の議論が可能になります。AWS の学習で困った時に仲間を見つけたり、ベストプラクティスを共有したりする場として活用できそうです。 - セキュリティインシデント対応のコミュニケーション設定の発表
AWS Security Incident Response で通知設定のカスタマイズ機能が追加されました。これまでは全メンバーが全ての通知を受信していましたが、今回のアップデートで役割に応じて必要な通知のみを選択できるようになりました。例えば管理者はケース変更通知を、一般メンバーは組織のお知らせのみを受け取るといった設定が可能です。不要な通知が減ることで重要な情報に集中でき、作業効率が向上します。追加費用なしで Security Incident Response コンソールから簡単に設定できます。
- Amazon EC2 F2 インスタンスが 4 つの追加 AWS リージョンで一般提供開始
- 11/13(木)
- Amazon Kinesis Video Streams WebRTC マルチビューワーが一般提供開始
Amazon Kinesis Video Streams で WebRTC Multi-Viewer 機能が提供開始されました。これまで 1 対 1 だったリアルタイム動画配信が、最大 3 人の同時視聴者に対応しました。デバイスの負荷を増やすことなく、セキュリティカメラや IoT デバイスからの映像を複数人で共有でき、音声会話も可能です。家庭のセキュリティシステムでの家族間共有や、リモート監視システムでの複数オペレーター対応など、幅広い用途で活用できます。詳細はこちらのガイドをご参照ください。 - Amazon Connect がマネージャーによるエージェントパフォーマンス評価の完了に関するメトリクスを提供開始
Amazon Connect でエージェントのパフォーマンス評価完了状況を測定するメトリクスが新たに提供開始されました。マネージャーは「月 5 回の評価」などの社内ポリシーや規制要件への準拠状況をリアルタイムで監視できるようになります。さらに、異なるマネージャー間の評価スコアパターンを分析することで、評価の一貫性と精度の向上も図れます。詳細はこちらのドキュメントをご参照ください。 - AWS IoT Core が Amazon Sidewalk 対応デバイス向けの位置解決機能を追加
AWS IoT Core Device Location が Amazon Sidewalk デバイスの位置解決機能を追加しました。従来は GPS ハードウェアが必要でしたが、WiFi アクセスポイントや Bluetooth Low Energy データを活用して低電力デバイスの位置を特定できるようになります。これによりアセット追跡やジオフェンシングアプリケーションをより効率的に構築可能です。Amazon Sidewalk は Echo や Ring デバイスを通じた安全なコミュニティネットワークで、IoT デバイスにクラウド接続を提供します。バージニア北部リージョンで利用開始され、米国内でのみ Amazon Sidewalk ネットワークが使用できます。詳細はこちらのドキュメントをご参照ください。
- Amazon Kinesis Video Streams WebRTC マルチビューワーが一般提供開始
- 11/14(金)
- AWS Lambda が Rust のサポートを追加
AWS Lambda で Rust が正式サポートされました。これまで実験的な扱いだった Rust が、本格的な本番環境での利用が可能になります。Rust は高性能でメモリ効率が良く、コンパイル時の安全性チェックが特徴的な言語です。パフォーマンスを重視するサーバーレスアプリケーションの開発に最適で、従来の言語では難しかった高速処理が求められるワークロードでも安心して利用できます。詳細はこちらの Blog 記事をご参照ください。 - Amazon SageMaker Catalog が Amazon S3 への読み取りおよび書き込みアクセスをサポート
Amazon SageMaker Catalog が Amazon S3 への読み書きアクセスに対応しました。これまでデータの検索や共有に制限がありましたが、今回のアップデートでデータサイエンティストが非構造化データを簡単に検索し、構造化データと組み合わせて処理できるようになりました。処理結果を S3 に保存して他チームと自動共有することも可能です。データ提供者は読み取り専用または読み書き両方のアクセス権限を選択でき、セキュリティを保ちながら効率的なデータ分析が実現できます。詳細はこちらのドキュメントをご参照ください。 - AWS IoT サービスが VPC エンドポイントと IPv6 接続のサポートを拡張
AWS IoT Core、AWS IoT Device Management、AWS IoT Device Defender で VPC エンドポイントと IPv6 サポートが拡張されました。AWS PrivateLink を使って VPC エンドポイントを設定することで、IoT デバイスからの通信がパブリックインターネットを経由せずプライベートネットワーク内で完結できるようになり、セキュリティが大幅に向上します。また IPv6 サポートにより既存の IPv4 環境と併用しながら最新のネットワーク要件にも対応可能です。詳細はこちらのドキュメントをご参照ください。
- AWS Lambda が Rust のサポートを追加
実は今週末、趣味でやっているパデルのシニア日本代表を決める試合があり、出場予定です。reInvent の準備も忙しいのですが、体づくりもしっかりして万全の状態で今月乗り切りたいです。よい結果になることを期待してください。
それでは、また来週お会いしましょう!