Amazon Web Services ブログ
週刊AWS – 2025/12/8週
みなさん、こんにちは。ソリューションアーキテクトの西村です。
今週も 週刊AWS をお届けします。
今年も熱気に包まれた re:Invent 2025 は Dr. ワーナーの最後のキーノートと合わせて幕を閉じました。現地に行かれた方も、日本からオンラインで参加された方も、得た学びを整理している状況かなと思います。サービスアップデートの発表だけでなく、会場で行われた多くの講演がすでに動画としてアップロードされています。ぜひ気になる講演を視聴し、新たなる気づきや技術整理にお役立てください!
それでは、先週の主なアップデートについて振り返っていきましょう。
2025年12月8日週の主要なアップデート
- 12/8(月)
- 空間データの洞察を加速させる Spatial Data Management on AWS (SDMA) の発表
AWS が空間データ管理ソリューション Spatial Data Management on AWS (SDMA) を発表しました。SDMA は空間データを大規模に保存、エンリッチ、接続することを可能にするソリューションで、CloudFormation を利用してお客様の AWS アカウントにデプロイして利用します。SDMA により、3D や地理空間データなどのマルチモーダル空間データを一元化されたセキュアなクラウド環境に保存できます。さらに、自社の空間データ、ISV SaaS アプリケーション、AWS サービス間の接続を可能にするコラボレーションハブとしても機能します。また、自動生成されるファイルプレビュー機能により、大容量ファイルをダウンロードせずにデータを表示および検証が可能です。東京リージョンを含む 9 リージョンで利用可能です。詳細はこちらをご参照ください。 - Amazon Quick Suite で Quick Research と Quick Flows を統合したレポート生成の自動化
Amazon Quick Suite で Quick Research と Quick Flows が統合され、自動化ワークフローの中でリサーチレポートを生成できるようになりました。これまで手動で行っていたり Quick Research の作業を、スケジュール実行や他システム連携で自動化可能です。例えば営業チームの顧客分析レポートを定期生成し、結果を Salesforce に自動反映するといった活用が実現します。バージニア北部、オレゴン、シドニー、アイルランドリージョンで利用可能です。詳細はこちらのドキュメントをご参照ください。
- 空間データの洞察を加速させる Spatial Data Management on AWS (SDMA) の発表
- 12/9(火)
- Amazon GameLift Servers が AI を活用したサポートでゲーム開発者向け AWS コンソールを強化
Amazon GameLift Servers に Amazon Q Developer を活用した AI アシスタンス機能が追加されました。ゲーム開発者は AWS コンソール内で、サーバー統合やフリート設定、パフォーマンス最適化に関する AI による専門的なガイダンスを受けられます。従来は複雑な設定やトラブルシューティングに時間がかかっていましたが、この機能によりコスト削減とプレイヤー体験向上を同時に実現できます。詳細はこちらのドキュメントをご参照ください。 - Amazon RDS と Aurora が自動バックアップのリソースタグ付けに対応
Amazon RDS と Aurora で、自動バックアップに対するリソースタギング機能が追加されました。これまで自動バックアップ機能を利用する際、親の DB インスタンスやクラスターと同一のタグが、バックアップに自動付与されていましたが、今回から独立してタグを設定できるようになりました。これにより、アプリケーション別やプロジェクト別にバックアップのアクセス制御やコスト追跡が可能となり、より細かなリソース管理が実現できます。 - AWS Partner Central に案件規模の算定機能が追加
AWS Partner Central に AI を活用した deal sizing 機能が追加されました。この機能により、AWS パートナーは案件の規模見積もりや AWS サービス推奨を自動化できます。AWS Pricing Calculator の URL をインポートすることで、手動での再入力作業が不要になり、価格戦略の最適化や Migration Acceleration Program (MAP) の適格性分析なども提供されます。案件管理業務を大幅に効率化でき、プログラム申請のプロセスの迅速化にもつながります。詳細はこちらのドキュメントをご参照ください。
- Amazon GameLift Servers が AI を活用したサポートでゲーム開発者向け AWS コンソールを強化
- 12/10(水)
- AWS Support Center Console でサポートケースのトラブルシューティング用画面共有をサポート
AWS Support Center Console にスクリーン共有機能が追加されました。これまでサポートとのやり取りは電話やチャットのみでしたが、今回のアップデートでバーチャルミーティング中にスクリーンを共有できるようになりました。アクティブなチャットや通話中にワンクリックでミーティングに参加でき、画面を見せながら問題を説明できるため、より迅速で効果的なトラブルシューティングが可能になります。詳細はこちらのドキュメントをご参照ください。 - Amazon EC2 C8gb インスタンスの一般提供開始
Amazon EC2 C8gb インスタンスの一般提供が開始されました。AWS Graviton4 プロセッサ搭載により、従来の Graviton3 比較で最大 30% のパフォーマンス向上を実現します。最大 150 Gbps の EBS 帯域幅を提供し、高性能ファイルシステムなどの大容量データ処理ワークロードでより高いスループットを実現できます。最大 24xlarge サイズまで対応し、192 GiB メモリと 200 Gbps ネットワーク帯域幅を提供します。現在バージニア北部リージョンとオレゴンリージョンで利用可能です。 - Amazon ECS が AWS Fargate でカスタムコンテナ停止シグナルをサポート
Amazon ECS が AWS Fargate でカスタムコンテナ停止シグナルに対応しました。従来は強制的に SIGTERM シグナルが送信されていましたが、今回から Docker イメージの STOPSIGNAL 設定を尊重するようになります。これにより SIGQUIT や SIGINT を使うアプリケーションも適切にグレースフルシャットダウンできます。データベース接続の正常切断やファイル保存処理など、終了時の処理が重要なアプリケーションで特に効果的です。全リージョンで利用可能です。詳細はこちらのドキュメントをご参照ください。
- AWS Support Center Console でサポートケースのトラブルシューティング用画面共有をサポート
- 12/11(木)
- Amazon Aurora PostgreSQL が Kiro powers との統合をサポート
Amazon Aurora PostgreSQL が Kiro powers との統合を開始しました。この統合により、AI エージェントの支援を受けながら Aurora PostgreSQL を使ったアプリケーション開発が可能になります。Kiro powers は事前にパッケージ化された MCP サーバーを提供し、データベースの作成、スキーマ設計、クエリ最適化などの作業で適切なガイダンスを自動的に提供します。従来は手動で行っていたデータベース操作や設計判断を AI がサポートすることで、開発効率が大幅に向上します。詳細はこちらの Blog 記事をご参照ください。 - Amazon Cognito アイデンティティプールが AWS PrivateLink によるプライベート接続をサポート
Amazon Cognito identity pools が AWS PrivateLink に対応しました。これまで認証トラフィックはパブリックインターネット経由でしか流せませんでしたが、VPC とのプライベート接続が可能になり、セキュリティが大幅に向上します。企業の機密データを扱うアプリケーションで、認証処理を完全にプライベートネットワーク内で完結できるため、コンプライアンス要件の厳しい業界でも安心して利用できます。詳細はこちらのドキュメントをご参照ください。 - Amazon Aurora DSQL が数秒でのクラスター作成可能に
Amazon Aurora DSQL でクラスター作成が数秒でできるようになりました。従来は数分かかっていた作業が劇的に高速化され、即座に利用できます。AWS コンソールの統合クエリエディターを使えば、外部クライアントの設定なしですぐに開発を開始でき、AI 支援ツールとの連携も可能です。詳細はこちらのドキュメントをご参照ください。
- Amazon Aurora PostgreSQL が Kiro powers との統合をサポート
- 12/12(金)
- AWS Shield ネットワークセキュリティディレクターがマルチアカウント分析をサポート
AWS Shield のネットワークセキュリティディレクターがマルチアカウント分析に対応しました。従来は単一アカウント内でのセキュリティ設定チェックのみでしたが、今回のアップデートにより複数の AWS アカウントを横断してネットワークセキュリティの状況を一元管理できるようになりました。委任管理者を設定することで組織全体のセキュリティ設定不備を検出し、修正手順も提示されます。大規模な組織でアカウント管理が複雑になりがちな環境で特に有効です。2025年12月時点ではまだ Preview 提供ですが、今回のアップデートと合わせて、追加で5つのリージョンにおいても利用可能となっています。利用詳細はこちらの概要ページをご参照ください。 - AWS DataSync がオンプレミスファイル転送のスケーラビリティとパフォーマンスを向上
AWS DataSync Enhanced モードがオンプレミスファイルサーバーと Amazon S3 間のデータ転送に対応しました。従来は S3 間とマルチクラウド転送のみでしたが、今回 NFS や SMB ファイルサーバーからの転送も可能になりました。並列処理により高速転送を実現し、ファイル数制限も撤廃されています。生成 AI の学習データセット移行やデータレイク構築、大規模アーカイブ移行などに活用できます。詳細はこちらのドキュメントをご参照ください。
- AWS Shield ネットワークセキュリティディレクターがマルチアカウント分析をサポート
今年の週刊AWS は次回が最後です!
それでは、また来週!