Amazon Web Services ブログ

週刊AWS – 2026/8/3週

みなさん、こんにちは。ソリューションアーキテクトの西村です。
今週も 週刊AWS をお届けします。

8月中旬から下旬にかけて、AWS デジタル社会実現ツアー 2026 が全国 8 都市で開催されます。2022 年から毎年開催しているイベントで、今年で 5 年目を迎えます。8/18 の北海道を皮切りに、新潟、静岡、愛知、福岡、宮城など各地を約 2 週間で巡ります。AI エージェントの最新動向を、デモを交えて紹介するセッションのほか、地域企業の AI/クラウド活用事例、学生による地域課題解決 AI コンテストの入賞発表、自治体・地銀・大学・パートナーが集う産学官金パネルディスカッションなど、地域ならではのコンテンツが盛りだくさんです。お近くの開催地がありましたら、ぜひ足を運んでみてください。各都市の日程と申し込みはブログをご確認ください。

それでは、先週の主なアップデートについて振り返っていきましょう。

2026年8月3日週の主要なアップデート

  • 8/3(月)
    • Amazon SageMaker AI サーバーレスモデルカスタマイズがフルファインチューニングに対応
      Amazon SageMaker AI のサーバーレスモデルカスタマイズ機能が、25 種類以上のオープンソースモデルに対するフルファインチューニング (全パラメータ更新) に対応しました。従来の LoRA などのパラメータ効率の高い手法 (PEFT) に加えて、モデルの全パラメータを更新するより深いモデルの適応(カスタマイズ)が可能になります。インフラのプロビジョニングや管理は SageMaker が行い、利用者は使用した分だけ支払う従量課金です。対応リージョンは米国東部 (バージニア北部)、米国西部 (オレゴン)、アジアパシフィック (東京)、欧州 (アイルランド) の 4 リージョンです。
    • AWS Organizations の最大アカウント数クォータが Service Quotas で確認可能に
      AWS Organizations の「Maximum number of accounts (組織内の最大アカウント数)」クォータとその使用率を、AWS Service Quotas のコンソールおよび GetServiceQuota API から直接確認できるようになりました。従来は現在の上限値を知るために AWS Support やアカウントチームへの問い合わせが必要でしたが、管理アカウントにログインして Service Quotas を参照するだけで確認できます。上限到達前にクォータ引き上げをリクエストできるため、マルチアカウント環境のアカウント増加を計画的に進められます。この可視化機能は米国東部 (バージニア北部) リージョンで利用できます。
    • OpenAI GPT-5.6 Sol、Terra、Luna が Amazon Bedrock で 100 万トークンコンテキストウィンドウに対応
      Amazon Bedrock 上の OpenAI GPT-5.6 Sol、Terra、Luna の 3 モデルが 100 万トークンのコンテキストウィンドウに対応しました。コードベース全体、長文の法務・規制文書、マルチターンのエージェント履歴を分割せずに 1 リクエストで処理できます。明示的キャッシュブレークポイントによるプロンプトキャッシュに対応し、キャッシュ読み取りは通常入力比 90% 割引で課金されます。利用は bedrock-mantle エンドポイントの Responses API 経由で、Sol は米国東部 (バージニア北部) と米国東部 (オハイオ) の 2 リージョン、Terra と Luna はこれに米国西部 (オレゴン) を加えた 3 リージョンで利用できます。
  • 8/4(火)
    • RDS for SQL Server が SQL Server Audit ログの CloudWatch への発行に対応
      Amazon RDS for SQL Server が、SQL Server ネイティブの監査機能である SQL Server Audit のログを Amazon CloudWatch Logs に発行できるようになりました。従来は Amazon S3 バケットへのアップロードのみに対応していましたが、今回のアップデートで発行先として S3、CloudWatch、またはその両方を選択できます。CloudWatch に発行した監査ログは JSON 形式で保存され、メトリクスフィルターやアラームによるリアルタイム分析に使用できます。本機能はすべての AWS 商用リージョンと AWS GovCloud (US) リージョンで利用できます。
    • AWS Application Load Balancer および Network Load Balancer が RFC 9151 準拠のセキュリティポリシーをサポート
      AWS Application Load Balancer (ALB) と Network Load Balancer (NLB) が、RFC 9151 (CNSA 1.0 スイートの TLS プロファイル) に準拠した新しいセキュリティポリシーに対応しました。RFC 9151 は米国 National Security Agency (NSA) が National Security Systems (NSS) 向けに定めた暗号要件を TLS 1.2 / TLS 1.3 に適用するプロファイルです。完全準拠を強制する Strict ポリシーと、非準拠クライアントも受け入れる Interop ポリシーの 2 系統、計 7 種類のポリシーが提供され、移行期間中の接続断を避けながら段階的に準拠を進められます。全 AWS 商用リージョン、AWS GovCloud (US) リージョン、中国リージョンで追加料金なしで利用できます。
    • Amazon Bedrock、OpenAI GPT モデル向け Web Search を提供開始
      Amazon Bedrock に組み込みのサーバーサイドツール「Web Search」が一般提供 (GA) されました。OpenAI モデル (GPT-5.4、GPT-5.5、GPT-5.6 Sol/Terra/Luna) が最新の Web 情報で応答をグラウンディングできるようになります。検索は Amazon が運営する Web インデックスとナレッジグラフを使って AWS 内部で完結するため、外部検索ベンダーの契約・API キー管理・追加のセキュリティレビューが不要です。既存の Responses API 呼び出しに web search ツールを 1 つ追加するだけで、引用付きの応答を単一の API コールで取得できます。提供リージョンは米国東部 (バージニア北部)、米国東部 (オハイオ)、米国西部 (オレゴン) の 3 つで、料金は 1,000 クエリあたり 12.00 USD です。
  • 8/5(水)
    • Amazon Aurora Serverless がエージェント型 AI などのバースト性ワークロード向けにスケーリングを高速化
      Amazon Aurora Serverless のスケールアップ時の初期キャパシティが引き上げられ、1 秒以内に最大 12 ACU まで到達し、その後ワークロードの増加に応じて最大 256 ACU までスケールするようになりました。ワークロード終了後は 0 ACU まで自動でスケールダウンします。この改善はプラットフォームバージョン 3 または 4 で稼働するすべての Aurora Serverless クラスターでデフォルト有効となり、設定変更や追加料金は不要です。活動のバーストと長いアイドル期間を繰り返すエージェント型 AI アプリケーションのように、事前のキャパシティ予測が難しいワークロードに適した強化です。
    • Amazon DynamoDB がリアルタイムベクトル検索をサポート
      Amazon DynamoDB にネイティブなベクトル検索機能が一般提供 (GA) されました。テーブルに新しいインデックスタイプ「ベクトルインデックス」を作成し、`SearchVectors` API で近似最近傍 (ANN) 検索を実行できます。1 桁ミリ秒のレイテンシと 99% 以上の再現率 (recall) を両立し、数兆規模のベクトルまで対応する設計です。埋め込みベクトルを既存の属性と同じアイテムに格納できるため、別途ベクトルデータベースを立てて同期パイプラインを構築する必要がなくなります。オンデマンドキャパシティモード専用で、すべての AWS 商用リージョンおよび AWS GovCloud (US) で利用できます。詳細はこちらのブログをご確認ください。
    • AWS Lambda が VPC 外の関数向けに最大 3,000 Mbps のスケーラブルなネットワーク帯域幅を発表
      AWS Lambda が、VPC に接続していない関数を対象に、メモリ設定に比例してネットワーク帯域幅がスケールする機能を発表しました。従来は実行環境あたり 625 Mbps が上限でしたが、2 GB のメモリで 625 Mbps、10 GB で最大 3,000 Mbps まで帯域幅が引き上げられます。有効化には AWS Service Quotas での申請が必要で、承認後はアカウント内の VPC 外の全関数に自動適用されます。追加料金はなく、すべての AWS 商用リージョンで利用できます。大容量データを転送する処理では実行時間が短縮され、GB 秒課金である Lambda の実行コスト削減につながります。
  • 8/6(木)
    • Amazon Bedrock AgentCore で temporal policies と rate limiting を発表
      Amazon Bedrock AgentCore に 2 つの新しい制御機能が追加されました。1 つ目の temporal policies (時系列ポリシー) は、セッション内でエージェントが過去に実行したアクションの履歴を踏まえて各リクエストを許可・拒否するステートフルな認可機能です。「承認が先行していなければ送金を拒否する」「前のツール呼び出しの出力と引数が一致しなければ拒否する」といったルールを、エージェントのコード外 (Gateway 層) で決定的に強制できます。2 つ目の rate limiting は、Gateway に接続されたツール・モデル・エージェントへのトラフィックを、OAuth の JWT クレームまたは AWS IAM プリンシパル単位で制限する機能です。リクエスト数、トークン数、同時接続数の 3 つのメトリクスに対応します。temporal policies は Cedar 互換の新しいオープンソースポリシー言語 Dogwood (Apache 2.0) で記述し、16 リージョンで利用できます。
    • Amazon Quick がマルチデータセット分析機能をサポート
      Amazon Quick (旧 Amazon QuickSight を含む Quick Suite) の Topic が、1 つの Topic に最大 12 個のデータセットを追加し、データセット間のリレーションシップを定義できるようになりました。定義したリレーションシップに基づいて Quick がクエリ実行時に JOIN を行うため、従来必要だったデータ準備段階での事前 JOIN や非正規化テーブルの作成が不要になります。この機能はダッシュボード (分析シート) の構築と自然言語 Q&A (チャット) の両方で利用でき、1 つのセマンティックモデルを人と AI エージェントの共通の参照先にできます。行レベルセキュリティ (RLS) / 列レベルセキュリティ (CLS) はデータセットレベルで適用され、ランタイム JOIN 時にも維持されます。Amazon Quick が利用可能な全 AWS リージョンで一般提供が開始されています。
    • Amazon Bedrock AgentCore の runtime instances が一般提供開始
      Amazon Bedrock AgentCore に、自分の AWS アカウント内の Amazon EC2 インスタンス上で AI エージェントを実行できる新機能「runtime instances」が追加されました。EC2 インスタンスの選択肢 (GPU、メモリ最適化、コンピューティング最適化) を使いながら、プロビジョニング・パッチ適用・スケーリング・ライフサイクル管理は AgentCore が担当します。セッションは最大 14 日間継続でき、既存の microVM ベースのサーバーレスランタイム (最大 8 時間) を補完します。料金は EC2 利用料に加えて、オンデマンド価格の 12% (GPU 系ファミリーは 7.8%) の管理料が発生します。東京を含む 9 リージョンで利用できます。詳細はこちらのブログをご確認ください。
  • 8/7(金)
    • Amazon OpenSearch Service が既存ドメイン向けの追加アップグレード猶予期間と追加バージョンのサポート期限を発表
      Amazon OpenSearch Service は、2024 年 11 月に発表したレガシーバージョン向け Extended Support を 12 か月延長し、2027 年 11 月 7 日までセキュリティパッチと OS パッチの提供を継続します。対象は Elasticsearch 1.5〜7.8 (5.6 を除く)、OpenSearch 1.0〜1.2 および 2.3〜2.9 です。ただし 2026 年 11 月 7 日以降、これらのバージョンのサーチャージはインスタンス料金と同額になり、実質的にインスタンスコストが 2 倍になります。あわせて、Elasticsearch 6.8 / 7.9 / 7.10、OpenSearch 1.3 / 2.11〜2.19 の Standard Support 終了日 (2027 年 11 月 7 日) と Extended Support 期間 (1 年または 3 年) が新たに発表されました。
    • AWS IAM Identity Center が新規組織インスタンス向けにワンクリックのマルチリージョンオプションをサポート
      AWS IAM Identity Center で、新規の組織インスタンス作成時にマルチリージョン対応をワンクリックで有効化できるようになりました。従来はカスタマーマネージド KMS キーの作成、キーポリシーの設定、リージョンの手動追加という複数の手順が必要でした。作成時に「シングルリージョン」、「マルチリージョン」、「カスタム」の 3 つの構成オプションから選択でき、「マルチリージョン」 を選ぶとマルチリージョン KMS キーの自動作成と追加リージョンへのレプリケーションまでが自動で完了します。プライマリリージョンで IAM Identity Center に障害が発生しても、追加リージョン経由で AWS アカウントへのアクセスを継続できます。本オプションはデフォルトで有効化されている 17 の商用リージョンで利用できます。

それでは、また来週!

著者について

Tadami Nishimura

西村 忠己(Tadami Nishimura) / @tdmnishi

AWS Japan のソリューションアーキテクトとして、小売・消費財業種のお客様を担当しています。データガバナンスの観点から、お客様がデータ活用を効果的に行えるようなデモンストレーションなども多く行っています。好きなサービスは Amazon Aurora と Amazon Quick です。趣味は筋トレで、自宅に徒歩0分のトレーニングルームを構築して、日々励んでいます。